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2015年 12月 31日
2015 Most Valuable Cinema 10
【2015年公開作品鑑賞数:81本(昨対△21)うち外国映画62作品(昨対△27)、日本映画19作品(昨対+6)】
今年も最後に1年間を振り返り。下半期、環境が大きく変わって新作鑑賞が激減。来年はさらに減ってしまうこと確実だけど、改めて映画って楽しいなという気持ちを噛み締める今日この頃です。てことで今年の僕の大好きな10作品を。

#10_彼は秘密の女ともだち
多様性について激しく考えたコミカル作品。俺があいつで、あいつが彼女で、彼女の彼は何者?ってな具合で、人間の本当の本性ってどこにあるかわからないし、それをあらわにする秘密のスイッチっていつ現れるかわからないよねー。"誰もが自分も知らない自分を持っている"ってことね。

#9_バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
映画力高すぎてついていけないほどの"スーパーアンチヒーロー映画"。2回見てもなんと感想を言っていいかいまだにわかりません。でも衝撃は確かにあった、映画好きとして押さえておかなきゃいけない1本。

#8_わたしに会うまでの1600km
映画で学ぶ、"1000マイルの道も1歩から"。過去を乗り越えるのも、長い道を歩ききるのも、引き受けるのは全て自分。その先に、未来が待っている。

#7_おみおくりの作法
誠実さこそが最大の美徳と教わった"座右の銘画2015"。地味で静かな作品だけど、埋もれさせてはならない傑作。その人生は、必ず誰かが見ていてくれる。

#6_キングスマン
今年一番のキレッキレ! クールなルックス&ミュージック&アクションで終始釘付けの、"ポスト・キックアス!"で決まり!

#5_きっと、星のせいじゃない。
若き難病カップルにすっかり泣かされた1本。でも誤解することなかれ、お涙頂戴泣かせの映画じゃないのです。「小さな無限」の一言に集約された、命の価値は長さではないということ。"恋愛&青春 of the year 2015"のダブル獲り!

#4_恋人たち
今年のベスト邦画はこれ以外ありえませんと。普通に生きる人たちの、思うにならない袋小路を描きながらも、それでもその世界は美しいと背中を押してくれる神業シネマ。見終わって思ったのは、"頑張って生きよう"ってことでした。

#3_イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
ここ10年で最高レベルのミステリー。暗号解きもさることながら、本当の意味で解き明かせない"最大のミステリーは人間の心"。カンバーバッチ、本当にいいわ〜。

#2_セッション
緊張感フルマックスの怒涛のリズム映画。最後の「I que you」にはシビれまくった、ダントツの"今年のベストシークエンス"。謎の論争もありましたが、エンタメとしてかなりレベル高かったんじゃないかと僕は思いますよ。

#1_はじまりのうた
思い出すだけで嬉しい気持ちがこみ上げる、"世界遺産レベルの音楽の奇跡"。年齢も性別も人種も国境も乗り越えてつながる音楽のチカラ。普遍の価値を改めてこう言う形で見せてくれてありがとう。そしてその背景のニューヨークの輝きは助演賞を捧げたいレベル。数多あるニューヨーク舞台映画の系譜に名を刻んだ1本でしょう!

番外編
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
クリード チャンプを継ぐ男
この冬を盛り上げた祭り二つは功労賞だね。それぞれの過去6作をイッキ見して臨んだ最新作、どちらも良さが詰まってて楽しかった〜。1970年代に始まった物語が40年の時を超えて今僕を楽しませてくれるということ。長く続き、受け継がれるものの意味。単体では語れない大きなチカラ。これこそがフォースなのかもな〜。

年末公開の『ストレイト・アウタ・コンプトン』を見られてないのが心残りだけど、でも十分にいい映画に会えた1年でした。来年の映画ライフがどうなるかわかんないけど、楽しんでいきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。

b0130850_14171157.jpg2014年→2014 Most Valuable Cinema 10
2013年→2013 Most Valuable Cinema 10
2012年→2012 Most Valuable Cinema 10
2011年→2011 Most Valuable Cinema 10
2010年→2010 Most Valuable Cinema 10
2009年→2009 Most Valuable Cinema 10
2008年→2008 Most Valuable Cinema 10
2007年→2007 Most Valuable Cinema 10
2006年→2006 TOP10 CINEMA
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# by april_cinema | 2015-12-31 00:00 | Standings
2015年 12月 30日
感想_くちびるに歌を
b0130850_10503598.jpg全員に生きる意味がある。『くちびるに歌を』iTunesレンタル鑑賞。五島列島の合唱部に、有名ピアニストの柏木ゆりが臨時教師として赴任してきた。なずなら部員は大喜びし、まさかの男子の新入部員まで集まったが、柏木は愛想もなくピアノも弾いてはくれない。柏木には何があったのか。そして合唱部の全国大会出場の夢は。アンジェラ・アキの『手紙』がモチーフになった青春の物語。
映画『くちびるに歌を』公式サイト

この映画を評価する人の声が結構聞こえてきてたので興味持って拝見。うむ、確かに良かったわ。大きな構図はありそうな感じです。田舎の素朴な学校にやってきた異物と言える先生。その交流を通して成長するという。『フラガール』を思い出す感じね。先生も問題を抱えてて、子供達にもそれぞれの事情があって。分かりやすい感じではあります。

でも良かったのは、15歳という多感な時期の子どもたちの目を通して、「生きる意味」を一貫して伝えたこと。そこがブレなかったのが良かったよね。先生は恋人の死以来、ピアノが弾けなくなった。なずなは自分が母を死に追いやり父に捨てられたと思っていた。悟は自閉症の兄の世話という役目を背負っっていた。そんな中で新しく生まれる命。そこで直面する、私たちのは何のために生きているのか。答えは自分で出すしかない。でも逃げてはいけない。前へ進まなくてはいけない。

というメッセージが、アンジェラ・アキ『手紙〜拝啓十五の君へ〜』に乗って紡がれます。この曲って、合唱コンクールの課題曲なんだね。そして実際にアンジェラさんが五島列島の中学を訪ねたドキュメンタリからインスパイアされてできた小説が原作だそう。ガッキーは常に不機嫌ガールで美人ゆえにこういうのもハマるね。そして中学生キャストたちがキラキラしてたのもいい。悟役の彼、あの声マジですか? クリクリ少年ぷりにおじさんも萌えたわ。あと、山口まゆちゃんて子は蒼井優2世かと思ったよね。ベテラン陣もやけにいいキャストが集まってたね。

実は柏木先生ほとんど何もしてなかったり、ちょっと尺が長いかな〜と思うところもあったりしたけど、悟の兄の伏線がしっかり効いていたし、合唱での大団円とかしらけてもおかしくない展開ながらぐっときちゃいました。命の意味を問う作品には無性に惹かれちゃう今日この頃。そしてこの中学の訓示、「勇気を失うな、くちびるに歌を持て、心に太陽を持て」というのもよかったな〜。自分はまっすぐ歩けているか。そんなことを問いかけたくなる良作でした。
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# by april_cinema | 2015-12-30 00:00 | All-Star
2015年 12月 27日
感想_クリード チャンプを継ぐ男
b0130850_12245100.jpg熱かった! 『クリード チャンプを継ぐ男』12月23日公開。私生児として生まれ、施設を転々としていたアドニス。彼は伝説のチャンピオン、アポロ・クリードが遺した子供だった。メアリー・アンの保護を受けて立派に成長したアドニスだったが、自分の中に眠るファイターの血を抑えきれず、ボクシングを志す。そして彼が向かったのはフィラデルフィア。父の生涯のライバルであり友であったロッキーに、コーチを頼むために。
2015年12月23日全国ロードショー!映画『クリード チャンプを継ぐ男』

SW祭りに続いてのロッキー祭り、評判いいという話だったのでかなり楽しみだったけど、期待に応えてくれたなー! お話は別に難しいことはない。アポロの息子がロッキーにコーチを頼んでのし上がる、っていうんだから過去のロッキーシリーズに通じるシンプルさ。でも、その一つ一つをしっかり描くとこうなるというお手本だったな。

まずはアドニスの背景。アポロも存在を知らなかったという設定で、施設での暴れん坊っぷりにDNAを感じさせることで後の躍進の説得力を持たせる。子役の目つきすごかったね、あれぞ虎の目。YouTubeでアポロとロッキーの戦いを夜な夜な見ては繰り返すシャドーボクシング。これでもうレガシーの申し子ってことは十分伝わる。そしてロッキーと出会い、ミッキーのジムへ行き、二人の旅が始まる。今までのシリーズは練習がかなりあっさりだったけど、今回は本格的。ロッキーシリーズお馴染みに鶏追っかけっこに、筋トレ、ランニングでファンを満足させつつ、ちゃんとミット打ちとかスパーリングもやるので進化にも納得できるというね。

合間にはヒロインのビアンカとのラブも挟み込んで、「エイドリア〜ン」とは叫ばなかったけど、ロッキーにエイドリアンが必要だったことへのリスペクトも忘れない。さらにフィリー名物のウィリー軍団を引き連れてのロッキー激励は、2で街のみんなと一緒にランニングしたあのシーンをちょっと思い出させたよね。と、節々にちゃんと過去作品への敬意が払われているんだよね。これ見よがしではなく、ちゃんとドラマの中で生きてるのがいいわ。

で、ラストのファイト。またも相手役はプロのボクサーで、なおかつ見せ方が格段に上手い。一番最初のアドニスのメキシコでの試合もそうだったし、ラストバトルにしてもそう、アングルもうまければボクシングとしても不自然さがなく、素晴らしいわ。ダウンからの走馬灯を経ての覚醒とか震えたわ。漫画的だけど、あれめちゃくちゃ格好良かった。そして最後の猛攻からのエンディングまで、いやー泣けた。「お前が次のチャンプだ。クリードの名を誇りに思え」から始まって、とどめは、父に向けての一言。「愛している。恨んだことなんてない。クリードの名を誇りに思う」。はい、泣きました。

ロッキーとアポロが刻んだ伝説を、アドニスが正しく継承した素晴らしいファイトでした。父から子へ、という流れを下敷きに、ロッキーという名作を過去に引き継ぐという偉業だったと思います。お馴染みロッキーのテーマはいつ出るのかと思ったらそこでくるかーーーー!って感じの見事なお仕立て。ファンにはたまらない1作だったと思います。40年近く続くシリーズ。これもまたSW同様に素晴らしい文化だなと思いました。
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# by april_cinema | 2015-12-27 00:00 | All-Star
2015年 12月 24日
感想_スター・ウォーズ/フォースの覚醒
b0130850_10454555.jpgIMAXスゲ! 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』12月18日公開。エンドアの戦いから30年後。帝国軍の残党はファーストオーダーという組織を作り再び銀河の平和を脅かしていた。レイアはレジスタンスを結成し、姿を消したルークを捜索。鍵となる地図を狙われたレジスタンスは、それをドロイドのBB8に隠すが拘束されてしまう。地図を持ったBB8は、砂漠の星ジャクーで、レイという女性と出会う。それが新たな運命を切り開くことになるのだった。
スター・ウォーズ/フォースの覚醒|映画|スター・ウォーズ|STAR WARS|

ついに始まりましたスターウォーズ祭り! 1週間遅れで見てきました。豊洲の4DX狙ったけど完売しまくってたので諦めて木場のアイマックス3Dで! さすが、すげー迫力だったわ〜。

内容は、うん、スターウォーズだよね! 普通にスケール大きなアクションて感じで、結局のところ僕の好みの映画ではない、ということは改めて確認できました。でも次から次へと見せ場の連続だったし、オープニングからこれまでのシリーズをちゃんと踏襲してるのもよくわかった。託した地図、嫌な予感がするぜ、そしてmay the force be with U、ってね。

ところでレイが一体何者なのかは明かされず、大ラスでルークと再会ってことで、ここに血縁があるのかないのか。カイロ・レンはダークサイドに堕ちたけど光の誘惑なんてものもあるのか、ってのは驚き。この世界は全て振り子みたいなものなんだね。ハン・ソロはこれにてお役御免なのかしら。フィンはどんな立ち位置になっていくのか。今後のシリーズも楽しみでごわす。

そういえばダニエル・クレイグがカメオってたりするのも祭りっぷりを表すエピソード。周りとスターウォーズ話ししたら、やたらとチューバッカで盛り上がったりして、あーこういうのがスターウォーズのスターウォーズたる所以なんだなって思いました。映画的なストーリーがどうのってのはないけれど、いろんなキャラが共存して、親子関係があって、そして今世代を超えて同じ話ができる映画ってものすごく貴重な存在。このタイミングでこの祭りに乗っかってよかったなって心から思ったよ。そういう意味でのマスターピースだわ。

平日の木場にも、コスプレ鑑賞するジェダイが何人かいました。いや、本当に、すごい祭りだ。俺も覚醒せねば!
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# by april_cinema | 2015-12-24 00:00 | All-Star
2015年 12月 20日
感想_ロッキー・ザ・ファイナル
b0130850_2062282.jpgまさかの胸熱! 『ロッキー・ザ・ファイナル』iTunesレンタル鑑賞。エイドリアンに先立たれ、ロッキーは地元フィラデルフィアで小さなイタリアンレストランを経営して暮らしていた。息子ロバートも自立し、不自由はないもののエイドリアンとの幸せな日々にどこかとらわれていたロッキー。そんな時にふと目にしたテレビで、現在のチャンピオンと、往年のロッキーのどちらが強いかをコンピューターでシミュレーションするという企画が。その内容に、自らの中にくすぶる情熱を感じ取ったロッキーは、再びリングに戻ることを決意する。
映画「ロッキー・ザ・ファイナル」公式サイト

前作から16年が経って、一気に21世紀のスタンダードに仕上がっての6作目。とても面白かった! 展開自体は今までとそんなに変わらないけど、映像がアップデートされ、ボクシングの説得力も増していて、おかげで最後はかなり興奮しましたよ。普通に考えたら50代のロッキーが現役チャンプと渡り合えるわけないんだけど、チャンプの油断とアクシデントと、ロッキーの不屈スタイルが相まってなんかさもありなんと思えたもんな。こんなの初めて! でも、それもこれもシリーズ5作を積み上げてきたから納得できるってもの。これがロッキーなんだ、って。

スタローンの見た目がなんか落ち着いたのも良かったね。だいぶ老け込んで(撮影当時60歳?)肉付きも良くなってて、でも頑強さは健在で。懸垂にバーベルに、そしておなじみの走り込みに、生卵5個一気飲み&お肉にパンチトレが復活! もちろんフィニッシュはフィラデルフィア現代美術館でガッツポーズ。ワンパターンなんだけど、これだけ様式美を重ねられるとそれだけで笑顔になってしまいます。これも6作やってきたからだね。続けるって大事。

このシリーズ、スポーツものの割にロッキーの語りが結構多かったなって改めて思うけど、ロッキーからロバートへの困難から逃げるなというメッセージや、マリーがロッキーを勇気付ける言葉とか、ポーリーが初めていいやつに見えたりとか、過去では生きていけないというテーマとか、そういうのも良かったです。

それにしてもエンドロールの、一般人たちのロッキーごっこ100連発はめちゃくちゃ楽しかったなー。俺もフィラデルフィアに行くことがあったら絶対やるわあれ。というかあれをやりにフィラデルフィアに行きたいし。世界的メジャー作品のチカラを感じました。ということで『クリード』待機完了。超楽しみ!
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# by april_cinema | 2015-12-20 00:00 | All-Star
2015年 12月 19日
感想_ロッキー5
b0130850_2033077.jpgこれはいかんね。『ロッキー5』iTunesレンタル鑑賞。ロシアから戻ったロッキーを待っていたのは、会計士の不正による破産だった。無一文になった一家とポーリーは、フィラデルフィアに戻り再起をかけるが、ロッキーはドラゴ戦のダメージによる脳の損傷が見つかり引退を余儀なくされる。そこに現れたのは、若手ボクサーのトミー・ガン。彼の懇願を受け、ロッキーはトミーのトレーナーを引き受け、二人は連戦連勝を重ねるが…。

マンネリ感が半端じゃなかったな。いきなり破産とかなんか無茶苦茶だし、トミー・ガンを最初は受け入れる気なかったのになんで突然気が変わったんだろう。気が変わったどころか家族同然扱いに昇格してたし。まあ…そういうこともあるのかな。だけどこのトミーがロクでもない奴でね。目先の損得に目がくらんでロッキーを裏切るどころか、逆恨みして飼い犬の手を思い切り噛んできやがるもんだから全く最低すぎるだろうよ。ここまでの最低男、映画くらいでしか出てこないよ。悪徳プロモーターもあまりにステレオタイプだったしなー(実在のモデルがいるらしい)。トミーはなんか強えなぁと思ったら、現役ボクサーどころかのちのヘビー級チャンプでもあるトミー・モリソンだって(そしてHIV感染で2013年に亡くなっていた)。

展開はいつもと同じ感じで、前半いろいろあって、中盤からトレーニングして、最後はファイトでフィニッシュ。今回はトミーとロッキーの場外乱闘てことで、投げ技ありの総合格闘技と化してました。もうこうなると何が何やら。息子とも分かりやすく喧嘩して仲直りして、何だかなーって感じですね。そうそう、その息子役はスタローンの実子なんですと。へー。

シリーズ最低成績で酷評されたというのも納得でした。
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# by april_cinema | 2015-12-19 00:00 | Reserve
2015年 12月 17日
感想_ロッキー4/炎の友情
b0130850_200288.jpg友情あんま出てこねぇ。『ロッキー4/炎の友情』iTunesレンタル鑑賞。チャンピオンに返り咲き満ち足りた暮らしを送っていたロッキー。そこに飛び込んできたのは、ソ連の最強ボクサー、ドラゴがアメリカにやってきて、ロッキーとの対戦を希望しているという知らせ。それに反応したのはアポロ。引退から5年、彼の中にくすぶっていた闘志に火がついたのだった。かくしてエキシビジョンマッチが組まれることになったが、力の差は歴然。アポロは滅多打ちにされ、それでもタオルを投げるなと言い残し、最期までファイターであることを選ぶのだった。悲しみに暮れたロッキーはドラゴとの対戦を了承。ソ連へと乗り込んでいくことに。

こういうもんだともうわかっているのに、それでも驚くほどにストーリーがなかったわ。ドラゴ登場、アポロ死亡、ロッキー練習、試合に勝つ、以上。ここまでそぎ落とすのすごいし、90分という短い尺とはいえよく間をもたせたわな。いや、間がもっていたとは言い難いか。ドラゴvsアポロはやったらと派手に演出され、ジェームス・ブラウンが登場して前座で歌うという大サービス。それはいいけど、長すぎるっつーの。おまけにアポロはすっかりおちゃらけた無謀なおじさんになってしまい、格好悪すぎる散り方でファンとしては残念だったな。「ファイターとしての本能は変えられない」っていうセリフは格好良かったのだけれど。なんかアポロロスだな〜。

そしてロッキーの練習は再び1、2作目に逆戻りしてほぼ体力作りのみ。それをロシアのど田舎の雪深い中でやっただけ。なぜかドラゴの管理された科学的トレーニングと対比させて、雪原ランニング、薪割り筋トレ、ソリ引きダッシュ、などなど過剰なまでのアナログ仕様。こういうところも本当にマンガだわー。どちらかというとこのアナログさは、シリーズ最初の方でやるべきものなのに、まさかの4作目でこれね。で、いざ本戦の方は、あそこまで打たれながらもなぜかロッキーは持ちこたえ、一発の反撃で逆転勝ちしてしまういつもながら不可解な勝ち方。ロッキーの強さってなんなんだー! 体力馬鹿ってこと? まあスタローンの体はさらに強化されてたので一応説得力あるということになるのかもしんないけど。

締めは、「誰もが変わることができる」というメッセージにして、冷戦時代集結への目配せも盛り込んでました(公開は1985年)。そしてエイドリアンの名を呼ぶ代わりに息子へのアイラブユーでフィニッシュ。『クリード』はこの辺りの様式美をどうしてくるんだろうね。てか、オープニングはまたも前作のラストシーンからでした。5もそうなんでしょうね。

ちなみに、この作品はラジー賞5冠に輝いているそう。あと、スタローンとドラゴの嫁が仲良くなって結婚して次の年離婚したというトリビアをウィキで知りました。
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# by april_cinema | 2015-12-17 00:00 | 6th-man
2015年 12月 12日
感想_ロッキー3
b0130850_19551359.jpgまるきり漫画だね! 『ロッキー3』iTunesレンタル鑑賞。2度目のアポロとの激戦を制して新チャンプとなったロッキーは、その後も10度の防衛に成功し、全米中のスターに。メディアにも出まくりついにはフィラデルフィア美術館前に自身のブロンズ像までたった。その場でロッキーは引退を宣言すると、観衆の中から出てきた男がロッキーを侮辱し挑発。男はクラバー・ヤング。デビュー以来連戦連勝でランク1位まで上り詰めた凶暴な男。ロッキーはその挑戦を受けるが、獰猛なクラバーに会えなく屈してしまう。

またも冒頭は前作のラストシーンという構成を踏襲し、全体的な展開も大体一緒で実に分かりやすいわ。でもこれまでよりもビジュアルが強化されていて、2より楽しかったな。突っ込みどころはものすごくあるというのは今まで通り。

そもそも、2ではCMのちょっとしたセリフもまともに言えないダメ男だったはずなのに、今度は随分スマートにスターになってたし、すっかりセレブ入り。で、ミッキーは弱い相手とばっかりマッチメイクしてたって10回もそれやったら世間が黙っちゃいないだろうに、ロッキー気づいてないとかありえないっしょ。で、突如アポロがトレーナーにつくっていうのも随分都合がいい話だけどまあそれはいいか。

てかミッキーとロッキーの関係性が解せなすぎるわ。そもそも最初あんなに愛想尽かしてたのに、タイトルマッチになった瞬間手のひらを返したミッキー何なのって感じだし、トレーニングもミッキーが何してたのか全然見えないし、「ボディをねらえ」って指示もどこから来てるのかわからないし。挙句、弱い相手とマッチメイクして嘘ついてたって最悪だろうが。さらにアポロがトレーナーになったことで、ロッキーが基礎ゼロでこれまたミッキーは何もしてなかった疑惑再燃。この辺はスピンオフでもして、エピソードゼロつくってあげないと報われないよねー。

しかしアポロのいい奴っぷりよ! 1ではかなり傲慢なチャンピオンだったけど、2でムキになったのに負けて可愛くなり、そして3では超絶クールな紳士になって帰ってきたね。このキャラたまらないわ。アポロ萌えの人結構いそう。そもそも、アポロ相当強そうだけど、なんでロッキーに負けたんだっていうね。「虎の目をしろ!」ってアナログな指示もいいわ〜。今作のトレーニングは今までの走って筋トレしておしまい!から格段にステップアップして、ビーチをダッシュして、水泳して(最初は顔を水につけずに平泳ぎだったのが最後にはバタフライw)、フットワークにスパーリングとそれっぽくなってました。ロッキーとアポロが浜辺をダッシュ後に水辺でタンクトップ姿でじゃれあってるホモっぽいシーン、最高だったな。

でも、スタローンの肉体改造には驚いたね。ランボーの役作りだったそうだけど、前2作とは見違える体つき。アポロの体もすごいし、きわめつけはクラバーの顔と体の怖さね。あれはすごいわー。あとハルク・ホーガン出てたね。笑 あんなに強くて怖かったヤングなのに、簡単に負けちゃったのは残念。

漫画と同じで、大して面白くねーって思いながら結局最後まで見ちゃってそれなりに楽しんでる、っていうタイプの作品です。ロッキーもう34歳てことだけど続編はどういう展開になるんだ!?
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# by april_cinema | 2015-12-12 00:00 | Starter
2015年 12月 09日
感想_ロッキー2
b0130850_1951069.jpgこれまたワンパターン! 『ロッキー2』iTunesレンタル鑑賞。チャンピオンと互角の戦いを演じ、一躍時の人となったロッキー。CM出演などの仕事も舞い込むが、不器用な彼は全然上手くこなせない。その頃、アポロは世間からの「お前が負けていた」という声を黙らせるために、ロッキーとの再戦を仕組む。隠して二人は再びリングで相まみえることに。

まさか冒頭が前作のクライマックスをもう一回流すとはね。そして、前作同様のストーリーライン。前半1時間はロッキー周りのどうでもいい話がだらだらと続き、後半でようやくボクシングする話になって、前作と同じトレーニングモードに入り、ラスト30分でようやくゲーム。そして試合展開もほぼ一緒の序盤はチャンプにやられまくって、でも粘って、そのうち形勢逆転で最後、またもワンパンチで沈めて今度は勝利という。

ただ、2回目だからなのか映像的な盛り上がりはこっちの方があったかな。トレーニングは前作同様に走って筋トレしてジムで練習してって感じ(スパーリングとか全然しないよね。試合を盛り上げるため?)。今回のランニングはフィラデルフィア中の子供達が集まってきて、フィニッシュはまたも美術館前というセルフオマージュ。そして試合シーンは前作よりも時間かけてて、迫力で多少上回ってましたね。とはいえ、アポロがあんだけラッシュを浴びせてるのに、なぜロッキーは倒れないのか不思議。絶対前作より練習量少なかったと思うんですけど。

続編が、1作目を超える難しさをそのまま感じさせる2でした。
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# by april_cinema | 2015-12-09 00:00 | 6th-man
2015年 12月 05日
感想_ロッキー
b0130850_19483274.jpg時代の差を感じるぜ。『ロッキー』iTunesレンタル鑑賞。フィラデルフィアのはぐれボクサー、ロッキー。ジムからも見放され、わずかなファイトマネーではやってけず、マフィアの集金係をしながら生計を立てる。唯一の気晴らしは、友人の妹で、ペットショップで働く内気なエイドリアンと話す事。そんなある日、ヘビー級チャンピオンのアポロ・クリードは、予定されていた対戦相手が怪我をしたため、代わりの対戦相手にロッキーを指名。ロッキーは突如世界戦を戦う事になり…。

今月公開の『クリード』を観るために、SW祭りに続いてロッキー祭りを敢行。いやーこれがロッキーかー。なんつーか、ものすごく単純なストーリーで、ディテールはほとんどなく、トントン拍子の展開にかなり驚いたわ。これに世界が熱狂して、アカデミー賞の作品賞までとったとはね。

なんつっても、ごろつきボクサーに過ぎなかったロッキーが、生卵5つ飲んで、ランニングして、腕立てしたら、なんか知らないけどチャンピオンに勝ってしまうという展開に全然感情移入できず。しかも試合の中盤はまるきり省かれてしまうという描き方にもお口あんぐり。そんなはしょり方ありかよ。あれだけ打たれまくって立ってられるって正気? そして最後には突如ワンパンチでチャンプを沈めちゃってたけど。。冒頭に試合で三流ボクサー相手にやっとこ勝った人ですよね…。

でも、こういうシンプルなハッピーエンドが求められた時代だったのかなと。ウィキを見ると、この映画が、それまで続いていたアメリカンニューシネマの流れを終わらせる契機になったとか。ベトナム戦争を背景にダークなムードが漂っていた世の中に、このあまりにも単純なサクセスストーリーがはまったんだろうね。時の移り変わりというか、そういうの感じるわ。そしてこういうエンタメ作が増えていった反動でまた、今は実話とかそういう重みのあるものも求められるようになったし、時代の振り子ってこういうことなんだろうなーと勝手に映画史をわかったような気になってみたり。

エイドリアーンのラストは、「ああこれかー!」って思えました。おなじみのテーマソングもやっと本物を見れましたわ。
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# by april_cinema | 2015-12-05 00:00 | Starter
2015年 11月 29日
感想_マッドマックス 怒りのデス・ロード
b0130850_2149371.jpgはっちゃけてたなー! 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』iTunesレンタル鑑賞。核戦争により文明は崩壊し、大地は汚染され、限られた水とガソリンを奪い人々が殺し合う世界。元警官のマックスは、水を独占し人々を支配するイモータン・ジョー一味の襲撃を受け拘束されてしまう。そんな時、ジョーの部隊を率いていたフュリオサが、ジョーの妻5人を連れて逃亡。マックスはその追跡に巻き込まれて砂漠の中を行くことになり…。27年ぶりのシリーズ最新作!
10.21 ブルーレイ&DVD発売 レンタル同時開始 9.23[先行]デジタル セル配信 映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』公式サイト

この夏バズりまくって、アカデミー賞にも絡むとか絡まないとか言われている話題作、これは今年のうちに見ておかねばと鑑賞。確かにすごかったけど、全然好みじゃなかったわ。完全なデストピアもので、その中で作り込まれたビジュアルと、凄まじいカーアクションがとにかく繰り広げられるという展開。ストーリーに広がりはなく、追っ手と戦いながら逃げ、激しく争い、そして最後には逆襲に出る、って感じね。マックスのドラマは語られるず、フュリオサの背景が若干語られるけど、まあそれは味付け程度でしたね。

マッドマックスシリーズって北斗の拳の元ネタってことも知らなかったんだけど、確かにその物って感じの世界観。とりあえず全員クリーチャーみたいなルックスで、下っ端の兵士はみんなスキンヘッドの強面で、キーマンを演じたニコラス・ホルトは格好良かったなー。『蛇にピアス』の高良くんをちょっと思い出したようなそうでもないような。マックス演じるトム・ハーディは、顔に拘束マスク付けられてて、なんとなく『ダークナイト・ライジング』のヴィランだったとき風味もありつつ。シャーリーズ・セロンは坊主で体張ってました。イモータンはジョーカーを変形させた感じで、あのビジュアルもやばかったね。

アクションの部隊であり武器になる車もすごいのな。マッスルカーみたいなのと、どでかいタンクと、さらにそこから曲芸みたいなのもいれば、太鼓とギター(火を吹く!)のバンドカーもあり、まあすごかったわ。走りっぱなしの展開は『スピード』を思い出すようなそうでもないような。最後手前の、ニコラス・ホルトの大横転自爆はすごかったなー。

メインのキャラが女性たちってのが現代的だよね。5人の妻がさすがに美人ぞろいだったのも見目麗しく。ということで、ド派手アクションが好きな人にはオススメの1本でした。次の続編も決まってるみたいね。
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# by april_cinema | 2015-11-29 00:00 | Starter
2015年 11月 14日
感想_恋人たち
b0130850_22391991.jpg生きていかねば。『恋人たち』11月14日公開。3年前に妻を通り魔に殺された篠塚は、今もやり場のない思いを抱えたまま。一時仕事ができなくなったこともあり、保険料の支払いも滞るほど。しかも、犯人に責任能力がなかったという最悪の判決まで出て、訴訟を起こすこともままならない。死ぬことも、殺すこともできず、篠塚は鬱々とした思いだけを飲み込みながら生きていた。平凡な主婦の瞳子も、同性愛者の弁護士の四ノ宮も、また同じように。
映画『恋人たち』公式サイト | 2015年11月14日(土)公開

橋口亮輔監督待望の新作は、その期待に応える傑作でした。重厚さは伴いながら、それでも生きる理由を示してくれ、いくばくかのユーモアも込められていて。冒頭の篠塚の独白シーンひとつで、この映画の本質が映し出されていた気がしたよ。完全なるリアリティっていうのかな。演技とはとても思えない、生きてる人そのまんまの台詞回し。もうこれでこの映画の世界を完全に構築してたと思ったわ。実際そのトーンは最後まで変わらず、すべての端役にまでちゃんと命が宿ってました。これはフィクションかもしれないけど、リアルそのものだって。だから、140分の長尺を感じさせなかったです。

篠塚の感じる通り、世間はくだらないことばかりだし、どうでもいいことで騒ぎ、おまけにバカばっかりだ。そんな世界で生きる意味がどこにあるんだ。一体なんなんだこれは。そんな気持ち、誰もがどこかで抱えている。どれだけ幸せに暮らしていても、時々その落とし穴は待っている。これは一体何になるんだろう。私はなんのためにここにいるんだろう。篠塚はその一番深い穴に落ちた。彼は何一つ悪くなかったのに。平凡な主婦も、同性愛の弁護士も、それぞれに大きかったり小さかったりする穴にハマる。僕たちのそばに、それはある。

それでも、だけど、僕たちは生きなくちゃいけないんだ。どんな苦しみや幸せが待っていても、そこで立ち止まる事はできなくて。理由なんてないし、意味だってなくていい。夢も別にいらない。ただ、生きなくてはいけない。それだけなのだ。それ以上でも以下でもないんだ。絶望でもないし、陳腐な希望でもない。でも、生きていれば、どこかで何かとつながることができるのも、それもまた本当のことなんだ。お腹いっぱい食べて、誰かと話して、少し笑えたら。篠塚にだって、テレビを観に来いと言ってくれる人がいた。先輩は、腕をなくして、きっと篠塚と同じ穴に落ちていただろうけど、今はこんなにも笑っている。あの東北から流れてきたという男は、震災によって土地を追われたんじゃないかと思う。怪しい準ミスにも何かがあったんだろう。そんな人生は、ぜんぜん楽じゃないけど、でも生きて誰かとつながることって悪くないって思わせてくれました。力強く。とても。

瞳子がふとおしゃれを始めるシーン。明るい音楽と合わせて、突然「ああ、生きないと」って思いまし。僕自身ここのところちょっとリズムが悪くてややふさぎ気味だったのだけど、このシーンで漠然と「頑張って生きないと」って思わされました。なんならちょっと涙ぐみそうなくらいに。そんなシーンじゃなかったかもしれないけど、でもなんかほのかな希望を見たんだよね。結局は彼女もどこに行けたわけじゃない。篠塚も救われたわけではない。四ノ宮だって。でも不思議と、救われたような気がしたんだよな。この感覚は、『その夜の侍』と似た感覚だったな。思いもよらないところで、人は救われる。

篠塚の職場、東京のいくつもの橋のチェックというのは、今の東京のメタファーだったんだろう。50年前に作られたいろいろなものにガタがきて、世の中のいろんなものが崩れかけてしまっている。もちろん、見かけはひび割れてても、中身はしっかりしているものもある。見上げれば高速道路に阻まれて、空は少ししか見えない。少しだけど、でも青空が見えて気持ちが晴れることもある。これこそ今の東京を象徴した絵だったんだろう。ラスト、空を見上げた篠塚の清々しさに、また、少し救われた気がしました。

この話をして『恋人たち』と名付けるセンス。僕は特定の恋人を指しているというよりは、すぐそばにいる"恋しい人たち"というニュアンスな印象を受けました。今年を代表する邦画ですね、間違い無く。
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# by april_cinema | 2015-11-14 00:00 | MVP
2015年 11月 13日
感想_スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
b0130850_13153058.jpgトーンは暗いがシリーズで一番面白かったです。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』iTunesレンタル鑑賞。遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。クローン大戦が続く中、パルパティーン議長が誘拐される。救出に向かったアナキンとオビ=ケンは、首謀者のドゥークー伯爵を倒すことに成功する。その頃アミダラは妊娠が発覚するが、アナキンは彼女が出産に際して命を危うくする夢を見るようになる不安に苛まれる。そんなアナキンを呼び出したパルパティーンは、彼女を救う力があることを囁き、アナキンはその力へと惹かれ…。

新三部作の完結編! 旧三部作との接続というノルマがあったからなのか、初めてストーリーらしいストーリーが語られ、アナキンが暗黒面に堕ちるに至った理由がまともに描かれてて面白かったわ。そこにビジュアル面の進化も合わさってて完成度高かった。冒頭の対ドゥークー戦、宇宙船のデザインからして洗練されていた位、バトルもスピード感が増していて、スマート。ラストの燃え盛る星の中でのアナキンvsオビ=ワンの師弟対決もCG全開すぎるとはいえ、それでも迫力ありました。

アナキンは思ったより簡単にダークサイドに堕ちちゃったのがちょっと残念といえば残念だけどね。結構な大転換なわけだし、もうちょっと外堀埋められて、どうしようもない葛藤の中で禁断の力に手を染めるのかと思ったけど、結局彼が見ていた悪夢は、自分が引き起こすであろう未来を勝手に見てしまい、その通りになったという自作自演状態。あそこで恐怖にかられずに自らを律していられたら、あの夢は消えていたんだろうな。でもま、前作よりは中2病感控えめだったとはいえ、マスターになれなくてアンフェアだって叫んだり、パルパティーンに簡単に懐柔されたり、あっさりデゥークーの首はねたり、残忍な布石は十分にあったからなー。

途中、マスター・ウィンドウも彼は彼で裏切ってるのかも、とか、パルパティーンと騙し合ってるのかも、とか、思ったけどそこまで複雑な仕組みはなかったね。でも4人のジェダイでパルパティーン急襲して、3人は瞬殺されておきながら、ウィンドウは一人でパルパティーンを追い詰めてたのも不思議なパワーバランス。かと思えばヨーダとパルパティーンは互角っぽかったし。てかライトセイバーで戦うヨーダが格好良すぎて惚れたよ! チューバッカもなぜか出てきたしね!!

ラスト、瀕死のアナキンがダースベイダー化するくだりは痛々しかったわ。ウルヴァリン的であり、キャプテン・アメリカ的であり、ヒーローはこうなる運命なんですかね。さて、ということで、フォーストは何か。ダークサイドとは、シスとは何か。などなど核心的設定には最後まで触れないまま六作が終わりまして、いよいよエピソード7となるわけですが、果たしてどんな展開になるのやら。やっぱりアナキンは「選ばれし者」だったってオチを期待してるんですが、舞台はエピソード3の30年後らしいから、無理かー!

今更だけど、これ、「遠い昔」の話なんですよね。宇宙って不思議だ!
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# by april_cinema | 2015-11-13 00:00 | All-Star
2015年 11月 12日
感想_スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
b0130850_139497.jpgアナキン、中2過ぎ。『スター・ウォーズ/クローンの攻撃』iTunesレンタル鑑賞。遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。共和国の秩序が徐々に崩れる中、アミダラは命を狙われ、成長したアナキンとオビ=ワンが護衛を任じられる。暗殺を阻止し、犯人を追ってたどり着いたのは遠く離れたカミーノ。そしてそこでは大量のクローン軍団が精製されていた。一旦ナブーへと避難した、アナキンとアミダラは、互いへの思いを募らせ…。そんな時、オビ=ワンが敵に捕まったという知らせが届く。

ジェダイがなんかパワーアップしてるー! 立ち上がりのシークエンスでジェダイができることいきなり増えたなと。暗殺者を追いかけるのはいいけど、すごい高所から飛び降りたり、飛行マシンにぶら下がったり、一気に超人化してるわ。もともと超人的という設定なんだろうけど、ここまでフィジカルにすごい動きは初めて見たよ。CGの進化に合わせてジェダイもできることが増えているというところでしょう。ライトセーバーはすぐ落とすし、すぐ超能力で引きつけるし。てか心操れたり、物動かしたりできるんだから、もうちょっと戦い方はいろいろあるんじゃないかという気がするぜ。

で、問題はアナキンの中2っぷりでしょう。自意識強すぎて不満たらたらなのは若気の至りとしても、10年ぶりの再会、前は10歳にもなってなかったガキが、アミダラを想わない日はなかった、ってどんだけませてんだよと。と思ったら、アミダラもその気かい!ってどんだけロリコンなんだと。何気にイチャイチャシーン多かったけど、いらねーなーって思ったわ。これはアミダラが次で死んで、アナキン暗黒面堕ちという展開ですかね? オビ=ワンの「いつかお前に殺される気がするよ」はさすがのジョークでしたね。未来、見えてるね〜! エピソード4〜6を見てる身としては、こいつ絶対ダースベイダーなるぜフラグ立ちまくりでモヤっとするわ。ルークも大概メンタル弱めだったけど、アナキンはそのはるか上をいってたね。ヘイデン・クリステンセンて他何出てたっけ?と思ったら、『ジャンパー』以外パッとしたの出てないんだね。『ジャンパー』も続編あるって話だったと思うんだけど立ちにえですかね。嫌いじゃなかったんだけど。

話が逸れましたが、相変わらず話の全容がよくわからないままノリで突き進むね。クローンを発注したというマスター・サイフォ=ディアスって誰やねん、と。あとパルパティーンはのちの皇帝ですよね? ダース・シディアスなんですよね? ってまだ明らかになってないからよくわからないけど、旧三部作と合わせるとそうなるよね? 隠す理由なくないかな。ドゥークー将軍もやたら強かったけど、ジェダイとしてはどうだったのか。マスター・ウィンドウはただのマスタージェダイの一人でしかないのか。

映像が進化してるからそれなりに「オー」って感じはあるけど、相変わらず話は面白くないな。さあ、ラスト1作、どう締めてくれるのか。ベイダーはいかにして生まれるのか!
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# by april_cinema | 2015-11-12 00:00 | Starter
2015年 11月 11日
感想_スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
b0130850_2323890.jpg技術の進歩すごいね! 『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』iTunesレンタル鑑賞。遠い昔、はるか彼方の銀河系で……。共和国の政治は腐敗し、議会転覆を狙う一味によって女王アミダラは捉えられようとしていた。そこに現れたのは、クワイ=ガン・ジンとその弟子オビ=ワン・ケノービの二人のジェダイ。彼らはアミダラを救うが、砂漠の星に不時着してしまう。そこで、彼らはとてつもないフォースを持つ少年アナキンと出会うのだった。果たして銀河系の運命は。

てことで新三部作に突入! もう映像がいきなり現代にそれになってて、技術の進化に素直に感動したわ。スター・ウォーズの歴史は、映像技術の歴史なんだね、とか思ったよ。旧三部作は特撮を駆使し、新三部作はCGを駆使し、おそらく最後の三部作は3Dでもんの凄いスペクタクルになってるんだろうな。アクションも、しょぼかった旧三部作とは雲泥の差で、相変わらずライトセーバーでのタイマンというオールドスクールなスタイルだけど、動きはだいぶ機敏になってたよ。盛り上がりはしなかったけど。

世界観は相変わらずで、ジャバ・ハットやヨーダがクリーンになってて感動。ドロイドも、時代的には旧三部作より古いのに、断然スペック高そうに見えたっけね。R2-D2も活躍したし。キャストは、リーアム・ニーソンが若くてえらい格好いいなーってことと、ユアン・マクレガーもこの頃はまだまだ青年だったのね、ということ。ナタリーも今より断然みずみずしくて素敵でした。で、影武者ってナタリーじゃないよね?って後から検索したら、まさかのキーラだった! 女王のヘアメイクと衣装がぶっ飛びすぎててわからないよ。でも検索候補にすぐ出てきたから同じ疑問持った人多かったのね。さらにウィキ見てたら、他の侍女にソフィア・コッポラがクレジットされてたよ! そう言われたら見覚えあるかも!!

さて。お話としては一応まとまってたけど、やはり序章という感じ。この少年がのちのベイダーであり、すでにそれを予見する描写があるというのは感慨深いね。でも、クワイの見る目が節穴ってことではないと信じたいから、どんなドラマが待っているのか。そしてサミュエル・L・ジャクソンの役所も気になるし、シスってなんやねーん!って話。次ではアミダラとアナキンが出来ちゃうって話だけど、結構な歳の差ですよね。その辺りも楽しみでごわす!
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# by april_cinema | 2015-11-11 00:00 | Starter
2015年 11月 10日
感想_スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還
b0130850_1134433.jpgつ、つまらなかった…。『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』iTunesレンタル鑑賞。遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。あれから1年後、ルークたちはジャバの屋敷からハン・ソロを救出。ルークは再びダゴバに戻ると、ヨーダはその命を終えようとしていた。改めて、ベイダーこそが父アナキンであることを確認したルークは、ジェダイとして最後の戦いに挑む。

最後まで盛り上がらなかったわ。ハン・ソロ救出劇も、ずいぶんチープな作戦だし、ルークは結局ダゴバで何もしてないのに、ジェダイになっちゃっててオッケーなんすかね。ジェダイってなんなんですかね。メンタルが成長した感じは特にないんだけど…。そしてまさかのレイアが妹! 妹って! ルークより年下なの? うそでしょ!? 最初から好みの顔じゃなかったけど、ますます驚いたわ。

最終決戦前半、森の中でのチェイスはなかなか面白かったな。当時としては超最先端な映像だったんじゃないかなー。帝国軍のやられ方があまりにもあっけなかったり、ハン・ソロが後ろから肩をトントンとしてダッシュっていう古典的アクションも笑えたし。

で、問題のラストバトルだけど、やっぱりルークとベイダーの戦いがしょぼすぎる…! ライトセーバーで戦うのみだし、そもそもこのセーバーもなんなのかよく分からないね。切れるわけじゃないんだよね。銃弾的なものは打ち返せるわけだし。てかベイダーがオビ=ワン倒した(のか?)時はオビ=ワン消滅しちゃってたけどあれもなんだったのだろう。てっきり生きてると思ってたけど。エピソード7以降にでたりしないよね?

ベイダーへの説得もよくわからず、決裂したと思ったら皇帝さまとご対面。この皇帝さまも途中から存在感出してきたけど、何者なのかも能力もまるでわからず、でもルークってベイダーとの戦力差もすごいのに、その上の皇帝さまじゃさらにかないっこないはずなのに、ポーンて投げ出して終わっちゃったね…。この結末で帝国軍を倒しましたってわけにはいかんだろ〜よ。

そもそも論ばっかりだけど、最後まで帝国軍と反乱軍の構図の全体感はわからないまま。銀河の秩序もわからない。でも、それは2015年に見てるからそう思っちゃうってことかもしれませんわ。なんかの記事で、「この映画は現実世界とは完全に切り離された世界を描いているからいい」ってあって、確かに地球なんてこれっぽっちも出てこないし、変に現実めいた設定がないことこそがいいのかも。そして、宇宙人と宇宙船出まくりのB級ぽいディテールが馬鹿受けしたってことだよね。そう考えると納得行く気がする。この映画は、リアリティ云々ではなくて、「冒険」の映画なんだよね。C3POも言ってたもんね。

シリーズ見たことなくても、ダースベイダーもC3POもアナキンもヨーダもチューバッカも聞いたことあったけど、意外にルークの名前ってぜんぜん出てこないね。主人公に魅力がないのが、唯一のスターウォーズの欠点だったんじゃないでしょうか。あとレイアが可愛くないこと。

さて、新3部作はどうなっているのか。なんだかんだで楽しみだわー。
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# by april_cinema | 2015-11-10 00:00 | Starter
2015年 11月 09日
感想_スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
b0130850_2145951.jpgなんかよく分からない展開! 『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』iTunesレンタル鑑賞。遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。デス・スターを破壊したものの、帝国軍の反撃に苦しめられていた反乱軍。ルークは、オビ=ワンの幻影の指示により惑星ダコバへ到着。そこでヨーダの元、ジェダイになるべく訓練を行う。その頃、ハン・ソロやレイアは、旧知のランドの裏切りにより帝国軍に襲われ窮地に。ルークは修行もおわらにうちに彼らを救うべく飛び出して…・・。

旧3部作の真ん中、なんだかエピソードがやたらと細切れに展開していく気がしてニントモカントモ。まず冒頭のシーン、ルークは不用意に怪物にやられて死亡寸前。でもフォースの力で助かったけど、その力っていつの間にマスターしたんだっけ? ソロのおかげで助かったとはいえ、ヒーローらしからぬ行動とピンチ。頼りないぜ…! 後からウィキ読んだところ、撮影前にルークの人が顔に怪我しちゃったから無理矢理シーン追加して整合性とったとか…。ま、それも笑い話か。

ヨーダと会ってからも、いまいちどんな修行してるのかよくわからず、苦労も伝わらないままあれよあれよで能力はレベルアップしている風。でもそれを捨てて飛び出しちゃうルーク。少なくとも、メンタルは成長してないって言えると思いますこの時点で。そして相変わらずフォースの力には何の説明もない。あえてだろうけど。

で、なんか大した盛り上がりもないままに、まさかのベイダーとの対面。手も足も出ないのに、ベイダーの味方になることは拒み、一丁前に脱出。ベイダーの親心がみすみすルークを逃したってことなんだろうけど、ルークの成長が全く語られないのなんなんだろう。旧作ってことで心静かに見てるけど、今劇場公開してたらボロカス叩かれそうだな。それも含めてレトロ感を味わうべきなんだろうな。大体ダースベイダーの強さもさっぱり描かれてないから、どのくらいの敵なのか見当もつかないぜよ。てか、ルークの父親だったことには驚いたけど!(その設定知らなかったです)

3部作の真ん中にありがちな中だるみというか、どこにも辿り着かない感。でも最後のハン・ソロ冷凍保存されちゃうのこわー! しかも宇宙に放り出されちゃうのなー!
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# by april_cinema | 2015-11-09 00:00 | Starter
2015年 11月 08日
感想_スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望
b0130850_20564593.jpgついに観始めました! 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』iTunesレンタル鑑賞。遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。帝国軍の圧政に対して反乱を起こす反乱軍。レイア姫は、帝国軍の拠点であるデススターの設計図を盗み出すことに成功するが追っ手に捕まってしまう。しかし間一髪で、そのデータをR2D2にコピー。C3POとともに脱出したR2は、ある星でルークという青年と出会う。そして、レイア姫が探していたオビ=ワン・ケノービという男もそこにいた。彼は、かつて帝国軍と戦ったジェダイなのだった。

いよいよ来月に迫ったスター・ウォーズの新作。なんかすごい祭りになりそうなので、その流れに乗るべく6作全部観ることにしましたよ。てことでもちろん公開順に観ます! いやーこれを40年近く前に作っていたと思うとすごいねー。もちろん今見たらチャチさはあるよ。でも40年前でしょ、すごすぎるわ。宇宙のシーンも戦闘シーンもライトセーバーも宇宙のキャラたちも。変にリアルすぎない愛らしさが、なんか今も古びなくていいね。と、妙にほっこりした気持ちで見ました。

展開は、最近の作品とは比べ物にならないゆるさですね。設定も甘々だし、宇宙規模の割になんだかとんとん拍子なストーリー、デススターの警備はどうなってるんだとか、宇宙の秩序も不明、そもそも帝国軍と反乱軍の大枠の設定もまるでよくわからないなど、突っ込みどころは無限にありそうだけど、まあ最初から6部作とか言われてたわけだし、それはおいおい明らかになってくのかな。

一番思ったことは、主役扱いであろうルークの印象がものすごく薄いこと。ヒーロー扱いなはずだけど、ハン・ソロの方が美味しいとこ持ってくしジョークも冴えていてなんかかっこよく見えるし、オビワンもミステリアス強そう(あの絶対死んでないだろフラグ!)、C3POにR2D2も愛らしいし、チューバッカは図体でかいのに弱そうなのも面白い。やたら気の強いレイア姫もいいじゃないか。で、ルークは? ジェダイの血を引いてる感じ、全くなかったよ! でもそれも、これからの布石だったんだよね、きっと。

しかし改めて、このシリーズが後の映画にものすごく影響与えているんだろうことを薄々感じたなー。『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』なんて完全にフォロワー作品だったんですね。気づいてないだけで、他にもすごいいろいろありそう。そういうつながりとか、いろいろ読み漁りたくなっちゃうけど、とりあえずまずは3部作見てからにしよっと。繰り返しになるけど、40年近くの作品を今も楽しめるってものすごいことですよね。
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# by april_cinema | 2015-11-08 00:00 | All-Star
2015年 11月 03日
感想_アメリカン・スナイパー
b0130850_19252512.jpg何も生まないな、戦場は。『アメリカン・スナイパー』DVD鑑賞。テキサス出身のクリスは、アフリカでアメリカ大使館が攻撃されたテロ映像を見て、軍隊入りを決意。その後9.11もあり、「シールズ」の一員として、イラク戦争に派遣されることに。そこで彼は狙撃に才能を発揮し、いつしか彼はレジェンドとまで呼ばれるように。家族を国に残しながら、それでも敵を倒し、同志たちを守るために、4度にわたって戦争に参加したクリス。いつしか彼の心は蝕まれていった…。
映画『アメリカン・スナイパー』オフィシャルサイト

今年のアカデミー賞を騒がせ、アメリカで空前の大ヒットになったというイーストウッド作品をようやく鑑賞。楽しい映画じゃないとは思ってたけど、想像を絶する重く、苦しい映画でした。作品の7〜8割は戦場シーン。初めての任務で、女性と子供にも銃を向ける緊張感から、やがて取り憑かれたように敵のスナイパーを仕留めることに文字通り命をかけ、多くの敵を討ち、同時にたくさんの見方を守ったクリス。だけど、伝説というニックネームも虚しさがつきまとう。帰国後、彼に命を救われた兵士はクリスを英雄だと称えるが、それすらも漂う空気はあまりにも寒々しい。

クリスは信じる道を行ったにすぎない。でも、アメリカ側から見たからこれは英雄でこそあれど、イラク側から見れば彼は悪魔であり侵略者だった。劇中、戦争の目的は明らかにされないまま、ただただ敵の重要人物を追い、民間人も巻き込みながら戦いを繰り返す。そこに人間らしい感情はなく、文字通りの命の奪い合いがあるのみ。でも、誰もそこに疑問を感じない。わずかに疑問を口にするセリフもあったけれど、それはあっという間に銃声にかき消され、砂埃の中で見えなくなってしまう。それが戦争の実態なんだろうか。

退役軍人のPDSDは、『ハートロッカー』や、『マイ・ブラザー』なんかでも描かれてた通り。これがアメリカでヒットするということは、それだけ多くの人が関心を持ち、心を痛めているということでもあるんだろうか。クリスの中にはいつまでも銃声は鳴り止まず、愛する家族を前にしてなお、それは止められなかった。そして、ようやく克服したかのように見えたところで起きた悲劇。この映画、クリス自身の自伝の映画化だそうだけど、彼はこの完成を見ずにこの世を去ったそう。彼が亡くなったのは2013年、なんとまだ39歳。僕と3つしか歳が違わないという。想像を絶する悲劇に、言葉が出ませんでした。

戦争の悲劇と、運命を曲げられてしまったひとりの男。彼は英雄ではなく、犠牲者だったと思うと胸が痛みます。クリスのご冥福を祈ります。それにしても、役作りで18kg増量というブラッドリー・クーパー。別人の域の役者魂、しかと焼き付けました。ハングオーバー野郎がこんなに売れっ子になるなんてね〜。
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# by april_cinema | 2015-11-03 00:00 | Starter
2015年 11月 02日
感想_ソロモンの偽証<後篇・裁判>
b0130850_11183221.jpg嘘は、真実は、誰を守れるのか。『ソロモンの偽証<後篇・裁判>』DVD鑑賞。ついに、学校内裁判が始まった。被告は、柏木殺害容疑のかかる大出。検事、藤野。弁護人、神原。先生、親、生徒、刑事、学校関係者を巻き込み行われた5日間の戦い。そして、予想もしなかった真相とは。
映画『ソロモンの偽証』オフィシャルサイト <前篇・事件>2015年3月7日(土)、<後篇・裁判>2015年4月11日(土)公開

劇場で観れなかった後篇をようやくDVD鑑賞。基本的には原作の筋をなぞった感じで、演出のテンションは前篇同様になんか重くてちょっとわざとらしくて、あんまりハマれない感じだったけど、原作では読み取れなかったものが実写になることで見えてきたなって思いました。大出を糾弾する場面や、神原の告白なんかは、真に迫る感じもあったし。

宮部さんが描きたかったことは、嘘は果たして人を守れるのか、ということ。事件が起きた後に校長先生がした判断。生徒に何を隠し、何を伝えるのか。マスコミには、そして警察には。生徒を守るための行為だったけれど、それは第二の悲劇のきっかけにもなってしまった。では樹里のついた嘘ははたして。彼女自身を守ることができたのか。でも、松子の悲劇は果たしてどうなるのか。そう、嘘では誰かを守ることはできないのではないだろうか。

でも、だからといって真実ならば誰かを守れると言い切れるのだろうか。嘘をついていない森内が守られることはなかった。神原の告白は柏木くんを救いはしなかった。樹里の嘘を暴くことになった。しかし大出は守られた。一方で、隠されていたものも明らかになった。必ずしも、真実が、本当のことが誰かを救うとは限らない。いや、誰かを救うと同時に、誰かを傷つけることもある、というほうがリアルなんだろうな。

てことを言いたかったんだと思う。大人には大人の、学校には学校の、子供には子供の都合があり、人生がある。そこには嘘も、本当も、どっちもあるだろう。善意の嘘もあれば、悪意を剥き出しにした真実だってある。その中で、自分を守れるものは、藤野涼子のいうとおり、自分だけなのだ。乗り越えるべきは自分なのだ。柏木くんが乗り越えるべきは、屋上のフェンスではなくて、自分自身を苦しめた自意識だったのだ。そうして、子供たちはやがて大人になっていく。裁判を始めた動機は、本当のことが知りたい、だった。大人たちに与えられる回答や結末ではなく、自分たちで掴み取る真実。そうすれば胸のモヤモヤは晴れるはず、そう思っていただろう。でも、結果は、胸のすくようなハッピーエンドではなかった。傷つく人、傷つける人を作るものだった。勝ちも負けもない限りなくグレーなものだった。でもそれが社会であり、世界なのだ。それを知るのが、きっと14歳なんだろう。

映画としての独創性や面白みにはやや欠けたけど、原作の強さを活かした作品だったように思います。原作で読み解ききれなかったコアに気付かせてもらえて、自分的にはとてもすっきりしました。藤野涼子ちゃん、安藤玉恵さんに似てる気が。あと井上判事役の子がなんか良かったな。そして塚地さん、前篇に続いていいお仕事。あの遣る瀬無さに胸が詰まりました。

前篇の感想はこちら。
感想_ソロモンの偽証<前篇・事件>
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# by april_cinema | 2015-11-02 00:00 | Starter
2015年 10月 24日
感想_ギャラクシー街道
b0130850_0531692.jpgげ、全然面白くなかった…。『ギャラクシー街道』10月24日公開。西暦2265年、木星と土星の間のスペースコロニーへと通じるルート246666、通称ギャラクシー街道。かつては大勢の宇宙人が行き交ったが、スペースエクスプレス開通後の今はすっかりさびれ人影もまばら。そんな街道ぞいのハンバーガーショップを営むノアとノエ夫妻。街道閉鎖の噂も流れる中、ふたりの店の行方はいったい!?
映画『ギャラクシー街道』公式サイト

三谷さんの新作、押さえておかねばなるまいとお邪魔しましたが、どうしよう、全然面白くなかった…。まず、基本的にギャグが笑えなかった。宇宙設定を生かそうと、へんてこな宇宙人がたくさん出てはくるんだけど、なんかそれが宇宙人というか、ただの気持ち悪い人たちっていう感じだったんだよね。そのうえ、どれも既視感があるというか、意外性に欠けた感じかな。狙っている感はあって当然だけど、三谷さんに対するハードルを上げてしまっているのかもしれない。前作の『清須会議』でもそう思ったし。

そしてキャストが地味。いつになく地味だった気がする。主演こそ慎吾&綾瀬だけど、その他、実力者ではあるけど、『有頂天ホテル』以降のキャスティングからすると、二段くらい落ちる気がする。なんだろう、ご時世的に予算の問題か、宇宙人コスプレが嫌がられたのか。スターパワーが足りなかったので、全体的に地味になった印象も。あとストーリーがなさすぎる。話がどこにも向かってないからダラダラ続くコントみたいだったかな。

ストーリーとも連動すると思うけど、せっかく宇宙が舞台なのに、ハンバーガーショップの中から出ていかないので、全然広がりがない。結局、変な宇宙人たちのどうでもいい話でしかなかった。宇宙らしい新しいマシンやテクノロジーとか、不思議なこととか、ほとんどなかったもんな。特撮時代みたいなレベルの宇宙で、あえてそこは追求せずに80年代路線にしたんだろうけど、それが効いてるとは思わなかったわ。てかこれなら地球でもできた話な気がする。もっと宇宙すげー感ほしかったわ。2265年なのに、キーボードたたくんだとか、ケータイがでかいとか、ブレーカーおちるとか、ちょっとね。

結局笑ったのは、梶原さんの抜け殻と、エンケンさんの子供だけ。でもどっちも、既成ネタだよね。そしてよかったシーンは、最後の最後、綾瀬はるかの改装の夢を語るシーンと、サンバを披露したところだけ。あれは可愛かった! TMR西川の謎の歌唱で締めくくってたけど、いっそミュージカルにしたほうがよかったのではと思ったわ。てかあれですかね、小林聡美さんと離婚してこれということは、実は小林さんが今まで書いてたんじゃないかと思っちゃうね。

いろいろ言ってすみません。でも率直にそう思いました。次回作に期待します!

<2015年11月21日追記>
もしかしてこれ、三谷さん的『スターウォーズ』をやりたかったのでは? 宇宙人の造形とか、設定が特にオープンにならないところとか、全体的なレトロ感とか。そう思うとやってることは『スター・ウォーズ』とあんま変わんない気がするけど、それを許してくれるほど寛容な時代はもう終わってた…。
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# by april_cinema | 2015-10-24 00:00 | 6th-man
2015年 10月 11日
感想_シカゴ
b0130850_18312441.jpg13年前の映画かなと。『シカゴ』DVD鑑賞。1920年代のシカゴ。スターを夢見るロキシーは、不倫相手に騙されていたことを知り逆上して発砲。殺人罪で収監されると、やはり殺人を犯していたかつてのスターダンサー、ヴェルマと出会う。ロキシーは、無罪を勝ち取るため、弁護士のビリーと協力し、メディアの注目を集めいざ裁判に臨む。ブロードウェイの伝説的ミュージカルかつ、第75回アカデミー賞作品賞受賞作品。

ミュージカルのシカゴが12月に東京にやってくるってことでのDVD鑑賞。僕の周りの女性陣はけっこう多くの人が観てて、ブロードウェイで観た人もいて、みんな好きっていうからさ。で、率直な感想は、面白かったけど、そんなでもないかな、というところ。なんというか、エンタメ作品はこの12年でむちゃくちゃ進化しているから、ビジュアルも歌も踊りも物足りなく感じてしまいました。だったらちょっと前の『バーレスク』とかのほうが盛り上がったような気がする。

レニー・ゼルウィガーの顔は好みじゃなくて、セクシーさも感じず、ダンスのキレはあったと思うけどシカゴ中を虜にするには弱いような。ゼタ姐は、がたいよく迫力あり、メイク濃くて、オリジナルの顔ってどんなだったっけ?って感じ。セクシーとは思ったけど、ダンスはそれほどでもなかったかな。リチャード・ギアは胡散臭さが足りないような。歌にも迫力なかったし。中盤以降は肝心のミュージカルシーンもあんまり多くなかったからそこもちょっと不満足かな。

ストーリー的にはまあどうってことなくて、殺してつかまってそれでもスターを夢見て奢れるもの久からずと。アイロニーはあるけど、もうちょっと女のサガみたいなの強調してもよかったんかなーとか。クイーン・ラティファが突然ロキシーヘアになってたのは笑ったけれど。まあでも20年代だからそんなもんか。ちょっと期待しすぎちゃったかなという感じです。
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# by april_cinema | 2015-10-11 00:00 | Starter
2015年 10月 11日
感想_ピッチ・パーフェクト
b0130850_18434650.jpg歌って踊って楽しい! 『ピッチ・パーフェクト』DVD鑑賞。大学に進学した音楽好きのベッカは、強引な勧誘を受けてアカペラ部に入部。しかし集まったのはてんでばらばらのメンバーたち。全国大会優勝をめざす先輩のオーブリーの独善的な指導もあって、チームはまとまらないまま大会へ。そんなとき些細なトラブルでベッカは飛び出してしまい…。
映画『ピッチ・パーフェクト』公式サイト 5月29日 全国ロードショー

アメリカで2012年公開してスマッシュヒットした作品、来週には続編公開てこともあってか、突如今年5月に日本公開して、DVDもリリースして、盛り上げにかかってます。でも音楽、女子、青春てことで楽しめそうかなと手を出したら、うん、予測の範囲から一歩も出ないけど楽しかったです。やっぱりね、ヒットソング満載で、まあその中身を全然わかってないけど、いい音楽聞いてるだけで楽しいのですよね。

ストーリーはてんで大したことはない。変な子たちが集まってくるけど、主人公のベッカでさえ大して掘り下げられない。でも、そのライトさのままテンポよく話は進むので退屈はしない。でも細かいギャグはけっこうおもしろい。冒頭のアメリカお得意のゲロネタにはじまり、おでぶや、おたくを適度にいじるいかにも学園ものという感じ。もちろん、ベッカとナイスガイなジェシーのちょいラブも挟みつつね。お約束通りの集まってプチ成功して混乱からの離脱、仲直りしてのクライマックスで大団円です。

でもそのクライマックスは、ライバルのトレブルメーカーズとあわせてしっかり魅了してくれるのでオッケー! ばらばらなメンバーの個性をそのまま生かしたミックスで歌も踊りも素敵でした。思うに、アメリカ人なんて歌うまくて踊れる人なんで吐いて捨てるほどいそうだから、こういう大会で勝つってものすごく大変そうだだよね。ショーアップ力も半端じゃなさそうに思うのですが。

ところで、この映画きっかけで大流行したというCUPS。本編ではほんとにちょっとしか出てこないけどよくあれで流行ったね。アナ・ケンドリックがやってるPVかっこいいので是非見てください。アナ・ケンドリック、かわいいと思うけど、アイメイク濃すぎるんだよな〜。もうちょいナチュラルなの観てみたい。
Anna Kendrick - Cups (Pitch Perfect's "When I'm Gone") - YouTube
てことで続編は劇場で観たいよね!
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# by april_cinema | 2015-10-11 00:00 | All-Star
2015年 10月 10日
感想_マイ・インターン
b0130850_23594795.jpg完全無欠のデ・ニーロ師匠! 『マイ・インターン』10月10日公開。3年前に妻に先立たれた70歳のベンは、新たな生きがいを探してシニアインターンに応募する。採用されたその会社は、ブルックリンに構える気鋭のアパレルのECサイト運営会社。やり手の女社長ジュールズ専属となったベンは右も左もわからないながら、若者ばかりの社員たちに好かれていく。最初は難色をしめしていたジュールズも、やがてベンを信頼し始めるが、公私共にピンチが訪れる。
映画『マイ・インターン』オフィシャルサイト

恋愛じゃない、男女の信頼関係をきれいにまとめた秀作。とにもかくにも、ロバート・デ・ニーロ扮するベンが紳士すぎて泣けるわ。カジュアルなアパレル会社勤務でも毎日ビシッとスーツ。年季の入ったブリーフケースは超クールで(本気でほしいと思った)、きちんと持ち歩くハンカチは女性の涙を拭うため。仕事もデキて、マッサージ師にもモテてしまい、若造たちへの恋の指南もお手の物ときたもんです。これは『キングスマン』とあわせて、紳士のたしなみを学ぶための映画でしたわ。

それと相対するのがアン・ハサウェイ。若干年をとったなとは思わせるものの、美人社長がどハマりしてて、表情の喜怒哀楽の豊かなことといったら! さらには『プラダを着た悪魔』の続編と間違えそうな、シャレオツ衣装もまた似合うこと。ハイファッション一辺倒じゃなさそうだから、好感度も高いのね。メインふたりのウィットあり、情感ありの円熟のやりとりは、安いラブコメには出せない大人の味わいがありましたわ。いろいろつらいとき、こんな風になんでも話せるパイセンいたらたまらないよね。尊敬すべき大人に出会えるって貴重すぎる。

次なる主役はブルックリンか。元工場をリノベーションした設定のオフィスは、まさにブルックリンの世界観そのもので、シンプルかつ機能的でインダストリアルなインテリアはネット系ベンチャーにぴったりのクールさ。ベンのクラシカルな装いとのハーモニーも美しかったね。ベンとジュールズの自宅も、ダンボとか、パークスロープとかあの辺て設定なんでしょうな。そしてサポートキャストの若者たちもほどよいアクセント。

ママの家に侵入とか、デイビス居候とか、そのあたりの細かいエピソードはなくてもよかったレベルなのがちょっともったいないし、マットの浮気話もなんか残念なだけって感じもしなくはないし、あとちょっとベンのイケメンぷりにトドメをさすクライマックスがほしかったような気もするけど、それは欲張りすぎですかね。個人的にはベッキー役のクリスティーナ・シェラーちゃんが好みでしたよ。

てことで、カップルとかにも安心しておすすめできるデート映画。デニーロ世代の大人にも刺さるんじゃないですかね。
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# by april_cinema | 2015-10-10 00:00 | All-Star
2015年 10月 03日
感想_バクマン。
b0130850_12592399.jpgジャンプを読んだすべての人に。『バクマン。』10月3日公開。高校3年のサイコーは、シュウジンに誘われ漫画家を目指すことに。そして二人は初めての漫画を描き上げ、ジャンプ編集部へ持ち込む。担当した編集者の服部は、ふたりの漫画に光るものを見つけ…。
映画『バクマン。』公式サイト

コミックス1巻だけ読んで、糸井重里の絶賛評を聞いての鑑賞でございましたが、楽しく拝見いたしました! 僕はもっと深〜い感動みたいなものを期待してたのでそれには至らなかったけど、エンタメとしてはかなり面白かったと思います。とにかく見せ方がセンス抜群! セリフや動きはあえて漫画っぽさをふんだんに残し、その節々にジャンプ愛をちりばめて(北斗の拳ごっこのハートが最高に好き)、そしてCGを活かしきったビジュアライズは完璧。それからサカナクションの音もものすごくハマってたわ。あのコマ割りが次々流れていく様とか、ペンでガリガリやる効果音とか、うまいよな〜! 冒頭の集英社をジャンプ表紙で埋め尽くすとかも、軽いジャブだろうけど引き込まれるに十分だったというか、オープニングの作り方も秀逸すぎると思うわ。このビジュアル作りとスピード感が大根監督の真骨頂なのかしら(モテキみてない)。

そしてキャラと役者のハマり具合もお見事。原作ファンに逆と言われてたらしい主演ふたりは、演技の質を考えるとこの配役でオッケーと思います。亜豆が小松菜奈ちゃんてのはちとイメージ違うかもと思ったけど実際には可愛かったので全然オッケー! 山田くんは久しぶりにアウトローじゃない役で好感度をあげ、染谷くんはいちばん演技がお上手だったね。新妻エイジのイヤらしさが素敵でした! 桐谷くん、新井くん、皆川さんは、イメージ通りの漫画家に扮して、新井くんは笑いをだいぶ持ってってました! リリーさんも美味しい役で、クドカンは川口たろうにクリソツすぎでしょ。原作はじゃんじゃん他のキャラもいるみたいだし、続編や連ドラ化してもいいのではって思いますけれども。

全体として、あらためてジャンプの残してきた功績と、マンガが僕たちの日常にどれだけ浸透しているかを痛感しましたよね。ここを通ってない30代以下って皆無なんじゃないかと思うし、だからこそのマンガあるある、ジャンプあるあるに心掴まれる。そしてその裏では、マンガらしい絵、ストーリー、構図、ネームをみんな死に物狂いで考えて作ってるんだよね。そんなこと考えもせずにさくさくページめくっちゃってたけど。そしてジャンプはジャンプで、ジャンプらしさを考えながら作り続ける苦しさを、垣間見せてもらいました。もちろん、この映画の1億倍くらいいろんな大変さがあるはずだしね。サイコーとシュウジンはそれでも成功した部類だからいいけれど、そこまで至らなかった人たちがどれだけいるのかと思うと、苦い思いでこの作品を見る人ももちろんいるんだろうなー。お仕事裏側作品はなんでも面白いけど、マンガはやっぱりアウトプットがわかりやすく身近な先入観があるからこそ効きますね。夢もあるし。

原作の展開を知らないのでストーリーは語れないのだけど、2時間の尺の中ではかなり初歩の部分しか描けてないのは確か。マンガ業界の実情についても原作のほうがはるかにリアルに描いてありそうだし。サイコーとシュウジンは大きな挫折や葛藤もないままに(肉体的にはハードだったろうけど)成功をつかむわけで、そのストーリー部分にはあまり見るべき部分はなかったと思うけど、それを抜きにしてやはりエンタメとしての完成度の高さを褒めるべきか。ラストのスラムダンクまんまな終わり方は、あの終わり方がマンガ至上最高のエンディングとしてリスペクトしてることを感じたわ。あと、病院での亜豆の去り際のカーテン見え隠れは、「おおかみこども」のオマージュ感じましたよ(今検索した限りそれに言及してる人いないけど)。マンガじゃないけどね。

にしても極め付けはエンドロール。単行本型スタッフクレジットはうらやましいです。僕のクレジット入れてもらうなら…「ひかる!チャチャチャ!」ですかね。
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# by april_cinema | 2015-10-03 00:00 | All-Star
2015年 10月 01日
感想_岸辺の旅
b0130850_23214952.jpg愛情は、目には見えないけれど。『岸辺の旅』10月1日公開。3年間姿を消していた夫、優介がある日突然帰宅した。彼は「俺、死んだよ」と告げ、見せたい景色があると妻の瑞希を連れ出す。ふたりの旅は、これまでの溝を埋めるように優しく流れていくが、終わりの日も近づいているのだった。
映画『岸辺の旅』公式サイト

カンヌある視点部門監督賞受賞ということで期待高めの鑑賞。予想とは少し違ったけれど、じわりじわりとくるいい話でした。言葉にするのがなかなか難しいけれど、目には見えないものの価値、についての映画だったように思います。瑞希が優介を待ち続けた日々、もう帰らないことを覚悟しながらも探し続けた時間、後悔もたくさんあっただろうことは、直接描かれないけれど予想に難くない。そしてこの映画はその価値を問いかけるものだったんだろう。

優介と同じ、死者でありながらこの世に残る人が3人出てくる。みんな、この世に何かを思い残している。それは残された人にも同じように思いを残している。肉体が消滅したから、それで終わりではない。光という物質に質量がないように、人の想いにも実態はないけれど、でも確かにそこに存在する。そしてその見えないものが人をつなぎとめる。ときには、死者さえも。優介が村の人たちに教える光の話、宇宙の話はその直接的な比喩であり、そして同時にいかに今の私たちが小さなことにとらわれて大事なことを見失っているか教えてくれている。宇宙から見たら始まったばかりの私たちの歴史で、私たちはすべてをわかったかのようにあまりにも効率にとらわれすぎているのかもしれない。

オカルティックな設定は、よくわからないこともいくつかあったんだけど、きっと未練に区切りがつくと成仏してしまうっていう基本的なフォームだったのかなと思います。優介は、瑞希の求めを一度拒否しておきながら、最後受け入れたのはそういうことなのかなと。食堂の娘も最後にピアノを弾けて満たされた。新聞屋のおっちゃんも、自分の罪を認め最後はお酒で忘れて未練を断ち切ったんじゃないかと。最後のダメそうな彼は、悔いを最後まで残していたようだけれども。

浅野さんは感じはいいけど、ぶっきらぼうないつものやつがハマってて、特に先生になったときはすごく良かったです。深っちゃんもいつもの感じで悪くないんだけど、そろそろこの大人かわいい路線はワンパターンすぎる気がするわ。リトル吉永小百合みたいになってきた気がする。もっと毒々しい女とか、イメージ違う役やってほしいなーって思います。今回の役なら永作がやったほうが良かったんじゃないかともちょっと思う。そして、見るとき忘れてたけど、我らが蒼井優たんも短いけど出てましたー! 珍しいOLルックに萌えつつ、ちょっと感じ悪い女を好演しててファン的には満足です。

ものすごく感動するわけではなく、淡々と紡がれる愛の詩。でも、目には見えない人の想いや愛情の重さという、大事なことが描かれていると思いました。ところでこれ見たの10.25なんだけど、上映3週すぎただけで一気に上映館数減ってて、ますます映画業界シビアって思ったわ。黒澤清×浅野忠信×深津絵里だよ???
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# by april_cinema | 2015-10-01 00:00 | Starter
2015年 09月 19日
感想_進撃の巨人 エンド・オブ・ザ・ワールド
b0130850_22131180.jpgよくわかんねー。『進撃の巨人 エンド・オブ・ザ・ワールド』9月19日公開。突如巨人化し、人類の窮地を救ったエレンは拘束され軍法会議にかけられる。指揮官は、エレンを敵視し、抹殺しようとするが、そのとき突如鎧の巨人が現れ、エレンを救出する。目を覚ましたエレンは、そこにいたシキシマから、この世界の成り立ちを聞き…。
映画『進撃の巨人』公式サイト

とにかく前編にも増して勢いよく酷評されているようですが、でも前編見た以上後編見ないと、前編だけ見てるほうが損じゃん!という貧乏性と、あまりに酷評されてるとそこまで悪くないよ!って言いたくて見に行きました。平日の夜、やはりこういう作品の客層は、こういう作品の感じでした。

とりあえず話の薄さにまずはマイッタかな。前編も薄かったし、1本で足りるものを制作費回収のために2本に分けているのだろうとはわかっていたけど、それにしても薄かった。90分かけて謎はロクに解かず、戦闘もちょろちょろっと2〜3回で終わりだもんね。間にドラマがあるわけでもなく。そして、結局原作もまだまだ謎が多い話なところをちょこっとイジって映画にしたところで、よくわからないものは、よくわからないままだったわ。むしろ、説明も足りない分、もっとよくわからなかったよ、という感じ。エレンが何したいのかも、ミカサが何したいのかも、いろいろワケわからず、シキシマも指揮官もなんだかなぁ。仲間の怪力で自爆塔ぶっ壊しとかも意味あったんだろうか。。

そしてバトル。巨人対巨人というだけで、やってることは人間とまったく同レベルのケンカという、見どころのなさにびっくりし、しかも人間時代はまるで相手にならなかったのがなぜか普通に勝ってしまう不思議さ。最後の超大型巨人とのバトルになると、エレンひとり握り潰せないってどういうことやねん! と、それぞれの強さのアンバランスさに困惑を隠せず。これはさすがに工夫がなさすぎてつまらんわ。お前ら、普通の巨人にも四苦八苦してたはずじゃんかよー。あと、一度気を失ったエレンの目の覚まし方よくわからんし、人間に戻って体力ゼロのままラスボスに挑むの無謀すぎるーーー!

エレンは絶叫し続けるだけだし、エレンとシキシマ兄弟フラグも特に回収されることはないし、壁の外は都合よく海で、彼らはなに、ふたりだけでこの世界からオサラバしちゃうってこと? 仲間を置いてっちゃまずいでしょうよ。エンドロール後の余計なあれは、脚本の町山さんがアメコミの真似でもしちゃったんですかね。微妙すぎましたわ。いちばん面白かったのは、エレンの塔ちゃんを草彅くんが演じてたことくらいでしょうか。

ということで、噂通り全然面白くありませんでした。でもね、そもそもこの映画に何も期待しないよね、初めっから。だから、特にがっかりとかもしなかったよ僕は。なんか今回、みんなが酷評してるからって、それに乗っかるように批判しまくるのはなんだか健全じゃない気がしたよ。いや確かに面白くはないんだけど、オリンピックエンブレムと同じ匂いを感じた気がしましたわ。てことで、このパート2は公開1ヶ月ちょいにして、急速に上映館が減っております。まあそれも当然だろうけれども。

中島哲也監督だったらどうなっていたんだろうなーと思う人はきっと多いでしょうね。

>>>前編の感想
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# by april_cinema | 2015-09-19 00:00 | 6th-man
2015年 09月 12日
感想_私たちのハァハァ
b0130850_2355583.jpg青春との距離、感じちゃったぜ。『私たちのハァハァ』9月12日公開。クリープハイプの大ファンである北九州の女子高生4人組、さっつん、イチノセ、ちえ、文子。福岡のライブで、東京にも来てねと言われたことを真に受けて、4人はチャリで東京のライブへと向かう! 彼女たちの青春の1000kmの先に待っているのは!?
映画『私たちのハァハァ』オフィシャルサイト

なんとなく好きそうな匂いを感じ取って行ってきましたテアトル新宿。いやー青春だったね。最初は、いわゆるイマドキの女子高生ノリと手持ちカメラにややついていきづらさを感じつつも、でもじわじわとそのノリに引っ張られて楽しくなってくる。勢いで夜の街を飛び出して、カメラ片手にフツーのちゃりで関門海峡越えちゃったりして。

でも、明らかに4日で東京辿りつけるわけないし、いろいろ無理あるなんてこと、いまどきすぐわかるよね?とか、なんかリアル風に撮ってるけど本当にリアリティあるのかこれ?とか、余計なことが頭をめぐりはじめる。でもそんなふうに考える自分こそ、大人に毒されてしまっているなーとも気づく。効率とか、そういうんじゃないんだよな、青春て。無鉄砲さって。なんか、自分と青春にずいぶん隔たりができてしまったことを突きつけられた気がしてちょっとショック。そして妬ける。こういう衝動がほしい! そしてその衝動はいくつになっても必ず手に入れられるはずなのだ!

チャリは断念してヒッチハイクに、夜のバイト、SNSで炎上して、仲間割れ。彼女たちがたどる軌跡はわりと青春もののステレオタイプだけど、やっぱりそこにあるの煌きの尊さは普遍的。彼女たちは行動することで知る。世界の広さと、世界の近さを。憧れの芸能人は、目の前に存在する人間だった。遠いと思っていた東京は、その気になれば行ける場所だった。きっとイタリアも、まだ見ぬ未来も、手の届くところにある。現実は、悲観すべきものだけじゃなくて、いつだってそれと同時に可能性をもって待っていてくれる。彼女たちは自分たちの足で立ち、歩き、そして文字通り「ハァハァ」の奇跡を、知る。

自分で動くことが、すべてであり、青春てすなわち、生きること。ハァハァは、待っていてもやってこなくて、自分で獲得すべきもの。彼女たちが手にした可能性は、僕たちの周りにも転がっているはず!と、少しはっぱかけられた気分になりました。

しかしこれ、どこまで台本があるんだ?ってくらい自然な感じだったね。4人のキャラも現実にいそうな感じでよかったです。傑作とは言わないけど、『ゴーストワールド』や『ジュノ』あたりと並べてもいい女子の青春を切り取った1ページ。青春好きには愛される1本ではないかと思います。
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# by april_cinema | 2015-09-12 00:00 | All-Star
2015年 09月 11日
感想_キングスマン
b0130850_18292519.jpgスーパークール&ウルトラクレイジー!!! 『キングスマン』9月11日公開。ロンドンの高級テイラーに勤めるハリー。しかし本当の顔はどの国にも属さない世界的最強諜報員集団キングスマンのメンバー。彼は、かつて自分の命を救った元キングスマンの息子・エグジーをスカウトし、エグジーは選考試験に臨む。その頃、IT長者のヴァレンタインは地球保護のための人類滅亡計画を進めていた。はたしてキングスマンはこの計画を止められるのか!?
映画『キングスマン』オフィシャルサイト

『キック・アス』ノリのスーパースパイアクション炸裂! とにかく全方位カッコエエーーーーー! まずは衣装。英国紳士100%のスーツ&メガネ姿でキレまくりのアクションを披露するコリン・ファースが格好いいのは言うまでもなく、くすぶりエグジーの若者ストリートファッションからの、訓練に臨む際のブリットチェックなつなぎとかシャレオツすぎで、そして敵キャラを演じるサミュエルLジャクソンは英国トラッドと対局をいく最先端モードなセレブファッション。もうこれ見てるだけでもお腹いっぱいです。スパイ用の小物たちも傘、靴、メガネとハイパースペックかつ恰好よすぎね。はーほれぼれ。

それ以上に最高なのはアクションのビジュアル全般ね。初っ端の中東からアルゼンチンまでのオープニングは見事すぎるよ。ランスロットも十分格好良かったのにその上をいくガゼル登場の超絶インパクト! オスカー・ピストリウス真っ青。からの、ハリーがエグジーを守るところの映像感覚はたまらなすぎる! エグジーが身体能力生かして自宅から脱出も素敵。さらに教会での大乱闘から、最後はまさかの脳天大爆発連打! あれ、なんか現代アート作品であんなの見たような気がするけど、思わず笑っちゃうほどのスパークっぷり。とにかく動き、映像感覚、そしてそれを数倍効果高める音楽も非の打ち所なしね。R15指定になるくらいには残虐シーンもあるけれど、そこはあえての非現実的ご愛嬌。あんまり真に受けずに笑って流しちゃうのが正解ですな。

「マナーが人を作る」ほか、名言もじゃじゃ漏れだし、キャストがみんな格好いいし、この興奮はもう止められません! 130分弱、スクリーンかぶりつき確実。さすがはマシュー・ヴォーン監督というしかないっすわ。合間に挟んだイギリス流のインテリジョークもたまらないし、ラストのスウェーデン王妃のエロテロリストっぷりも完璧でしたわ。あとから知ったけど、これもコミック原作なんだね。続編絶対やるだろうと思ったら、やっぱりやるみたいで、日本も舞台になるとかなんとか。それは楽しみすぎるじゃないの。

これは数あるスパイ映画の中でも金字塔レベルでは。いやはや格好良すぎてたまりません。クロエ・モレッツはいないけど、タロン・エガートン君がいる! 今年のベスト10入り確実、必見の1本です。
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# by april_cinema | 2015-09-11 00:00 | MVP
2015年 08月 29日
感想_ロマンス
b0130850_1294361.jpg大島優子かわええ。『ロマンス』8月29日公開。ロマンスカーの車内販売をする鉢子は、乗客の万引きを目撃し、駅に突き出す。しかし映画プロデューサーを名乗るその男は、鉢子の持っていた母親からの手紙を盗み見、母親を探しに行こうと提案。わけもわからないままその男に連れられて、子供の頃の思い出の地である箱根をめぐることになった鉢子。父と離婚してからというもの、自分を見失ったような母への嫌悪と、今の自分への苛立ちを抱えながら、1日の小さな小さな冒険がはじまる。
映画『ロマンス』公式サイト

タナダユキ監督らしい、女の子の等身大目線が詰め込まれた、フツーの哀愁漂わせた1本。大きな世界じゃなく、ひとりの存在にフォーカスしながら、その小ささの中に普遍とリアルをのぞきこむような感じです。てゆーか、ほんとかなり普通ですね。普通の中のあるあるを、「私のことかも」って思わせる雰囲気。僕個人にはあまり刺さらないのですが、昨今多いゆるふわな女子の自分探しモノとは一線を画していて、地に足はついてると思います。

大島優子ってかわいいよね、って思ってたけどやっぱりかわいかったですわ。車内販売ガールの制服萌えもあったし、万引き追っかけダッシュもおっさん的にはかわいいし、桜庭のやることを冷ややかに見るツン顔もよかったわ。できの悪い久保ちゃんにしっかり突っ込むシーンはファニーでよかったです。

本当は、死ぬつもりだったのは桜庭だったんだろーなーと思います。借金で首が回らず、思いつきで飛び出して、もうどうにでもなれって思っての小さな万引き。その小さな死の匂いが、鉢子の抱える小さなほころびと共鳴してのプチトリップにつながったんだと思います。この小さなほころびは、誰にだって必ずあるもので、普段は口に出すようなものじゃないけれど、どこかで吐き出さないといけないときもある。旅立ちの日は、そんなに大袈裟なものじゃなくて、普通の毎日のどこかにも潜んでいるし、出会いと別れはいつだって繰り返されている。

見終わっても大して何かが変わるわけでもないし、ガンバロウって背中を押されるほどのこともない。だけど、まあそんなこともあるよね、って今の自分を軽く受け流させてくれるくらいのゆるやかな風は吹くような気がします。1600km歩くのに比べたら断然小さな冒険です。箱根、火山の影響大変そうだけど、まともに観光したことないから今度行ってみたいなーとも思いました。もちろん、ロマンスカーに乗ってね! ちなみにスチールのフォトグラファーは川島小鳥さんです。
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# by april_cinema | 2015-08-29 00:00 | Starter