2009年 03月 14日
完全にヤラれた! 『ダイアナの選択』3月14日公開。ハイスクールの問題児、ダイアナ。タバコにドラッグ、小さな町の中で未来を描けず自分をもてあます。そんな彼女と気の合う友人モーリーンと、トイレでガールズトークをしていると、外から悲鳴と銃声が聴こえてきた。同級生のマイケルが、クラス全員を殺そうとしていた。そして2人の前に表れたマイケル。「お前たちのうちどちらか1人を殺す。どっちにする?」。そして15年後の追悼の日、ダイアナは…。 映画「ダイアナの選択」公式サイト 蜷川写真のように抜き出された数々のビビッドなカット。実は監督が以前来日したときに彼女の写真を見てファンになったんだそうで、つまりは確信犯。ってパクリじゃ~ん!て突っ込みはしませんが、ちょっと萎えたのはホント。まあそれはおいといて。抽象的にも見えるそれらのカットが意味していたのが、まさかまさかそんな答えだったなんて〜、と完璧にハメられました。17歳のダイアナと、15年後のダイアナ。時制をズラしながら行きつ戻りつ積み重なっていくエピソードは、おぼろげな輪郭を作りながらもやがて明らかに揺らぎ始め、一度ぼやけた焦点が再び像を結ぶラストの衝撃ったらこりゃ並じゃありませんて〜! やめて~~!! 私たちを殺さないで〜〜〜!!! 『エレファント』のような、銃乱射事件という強烈なモチーフをフックにしてミステリ調に進む展開ながら、謎解きや種明かしを主とはせずに、深~い余韻をたっぷりと突きつけてくれる。本編は90分だけど、この余韻だけでもうプラス30分くらい上積みして味わえるんじゃないの?と思うほどに巧みなプロットと演出。いやーこうはなかなか撮れないんじゃないかな。おまけにエヴァン・レイチェル・ウッドはやっぱカワイイし、15年後のユマ・サーマンも似てはいないけど違和感なかったよ。さらにその娘っ子もキュートなおしゃまさんでしたな。 さて、個人的には『ヴァージン・スーサイズ』にも通じるのではと思える、ハイティーンの青春の揺らぎがなによりも刺さるわけで。最も強いとされる心臓の筋肉や、物怖じしないと言われる性格をメタファーに、スレたギャルのダイアナが秘めていた弱さや未来への不安=まさに思春期であり青春そのもの。刻一刻と変化を続け、友人教師家族などなど他人の価値観がダイレクトに影響する日々。そして皮肉な運命の出会いと、そこから生まれた可能性&想像力。それがこの映画のすべての根源なんだなぁと思うと、うん、これはズバリ青春映画って言えそうだわ。そうです、それはもろオレ様の好みのど真ん中! 老若男女問わず普遍的に響くテーマです。 友情、恋愛、未来、希望、可能性。ハッピーなエンディングだとは言えないものの、長く記憶に残りそうなすばらしい作品でした。パチパチ。
by april_cinema
| 2009-03-14 00:00
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