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2009年 03月 14日
感想_映画は映画だ
感想_映画は映画だ_b0130850_923775.jpgヤクザなバディに萌えました。『映画は映画だ』3月14日公開。かつて俳優になりたいという夢を持っていたヤクザのガンペ。ある映画撮影クルーと偶然に出会い、主演のスタとひと悶着。その後スタは撮影中に共演者を殴り、怪我を負わせてしまう。代役が見つからなく、ふとガンペのことを思い出し早速オファー。ファイトシーンを演技なしのガチで撮ることで、ガンペは出演をオーケーする。俳優を夢見たヤクザ。リアルなヤクザを演じたい俳優。つかの間交差した世界でそれぞれは、今まで知らなかった世界を夢想する。
「映画は映画だ」公式サイト -ソ・ジソブ×カン・ジファン主演 2009年3月公開-

原案/製作がキム・ギドクで、監督のチャン・フンはギドク組からのデビューってことで、どんなものかと期待半分不安半分だったけど、楽しかったわー。半端もん2人が別世界を覗き見るっていう、やりようではギドク色全開になりそうなとんがったアイデアが、ほどよいエンターテインメントに消化されてて、飽きることなく最後まで。ヤクザをキャスティングして映画を撮っちゃうってのはさすがに非現実的と言わざるを得ないけど(途中の展開もね、無茶だろー)、細かいことはおいといて素直に楽しめたなー。

主演のお二人がイイ味出しててカッコいいし、女優さんもカワイイしのキャスト勝ちな部分も強い。ソ・ジンブは大森南朋的な佇まいで、終止下がり眉の黒づくめヤクザにぴったんこ。独特の憂いをまとった無駄のない動きが、兄貴って感じでよかったです。対するカン・ジファンは甘めフェイスと意外な肉体美でこれまた良い男。やってることはかなり腹立つ甘ちゃんなのに、なんとなく嫌いになれないのはこのルックスに助けられてるところも大きいのかも。

ガチで撮ってることになっているファイトシーンも迫力あったし、細かいところまで説明せずとも2人の感情は見てとれたし、久しぶりの良作韓国映画。映画が魅せてくれるつかの間の世界とは。作られた「リアル」と正真正銘のリアルの違い。そしてその中でもがく男たちの生き様。作品の端々にちりばめられた映画愛。基本はバディムービーとして楽しめばいいけど、映画というものに対するサブテーマ(こっちが主題か)がきらりと光っててよかったです。ま、彼らが撮った映画はお蔵入り間違いなしだけどね。

by april_cinema | 2009-03-14 00:00 | All-Star


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