2009年 02月 21日
ラブストーリーの神様はもういない。『ハルフウェイ』2月21日公開。同級生のシュウへの恋心を募らせていたヒロは、奇跡のような偶然によって結ばれる。たわいもないけれど幸福な高校3年生の日々。地元の大学進学を考えていたヒロは、シュウが東京の大学を志望していたことを知り、激しく動揺。卒業したらどうすんの? 離ればなれになるってわかってて告白したの? どういうつもりですかそれって? 私どうしたらいいんですか??? ねえ、シュウ、なんとか言ってよ。なんで隠してたのよ、そんな大事なこと! ハルフウェイ 北川悦吏子脚本・監督、岩井俊二プロデュース(小林武史もプロデュースに参加)ってことでどんな青春ラブストーリーが展開されるんだ〜と思って期待していた本作。しかし、オレが求めているものとは随分違って、心激しく揺さぶられることはほとんどなかった…。ドラマ『たったひとつの恋』『オレンジデイズ』とか観てて北川悦吏子は終わったなあ、なんて正直思っていた訳で、だけど映画となればまた違うのでは、と期待してたんだけどね。残念。 完全に好みの問題です。北川さんはずっとこういうことがしたかったんだな、ってことはわかりました。ドラマでは絶対にできないであろう、演出から作為をなるべく排除したような、ただただ純粋さのみを濾過したような恋物語。きっと北川理想的恋愛スピリッツはこんなんなんでしょね。画面に映るヒロとシュウは、たまたまそこにカメラがあっただけのような、まるでドキュメンタリーかと思うほどに自然体風。実際にかなりアドリブ的なものが多かったというし、手持ちカメラで360度置追い続けるのが、それを後押ししてるのは伝わります。高校生の恋愛風景を純度100%にすると確かにこんな感じかも。 でもね、それはあくまで理想の姿ですよ。独りよがりすぎやしませんかね、と思ってしまったの。どれだけ自然に見えても、それはあくまで監督の妄想上を演じているナチュラル。どうしても言葉や仕草のひとつひとつにパワーが足りなかったと思う。本当の本当に恋をしていて、血迷ってスベって居ても立ってもいられなくて、やべーワケわかんね…ってなって支離滅裂でまったく先が見えてない思春期の青臭さは出てなかったな。いや、表面的には出してる風だし、よさげな言葉も表情もあるにはあった。でも、その奥にあるべき情熱の源みたいなのは感じられなかった。あまりにも青春の優等生なんだもん。本当に恋をしている同士はもっともっと嫌らしくて泥臭くてヘタクソなはずなのに! つまるところ、ナチュラル風ではあるけど、全然リアルに思えなかったのです。 きいちゃん&岡田君は本当にキラキラしてて、2人とも2009年はますます飛躍の年になりそうだし、これからも楽しみだわー。岩井映画っぽい光を存分に使った撮影や、小樽近郊のロケーションもまた緑にあふれて素敵。salyuの主題歌も良かったと思う。素材はよかっただけに、拍子抜け感は否めず。でも、最後の最後のきいちゃんだけは最高だったと思う。あの正直さをもっと早く前に出してほしかった。だって高校生はあんなにずっと感情を抑えたりしないと思うもの〜〜〜〜!
by april_cinema
| 2009-02-21 00:00
| 6th-man
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