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2009年 02月 14日
感想_ディファイアンス
感想_ディファイアンス_b0130850_8272635.jpg今これをどう受け止めるべきか。『ディファイアンス』2月14日公開。1941年、ドイツ軍の侵略はベラルーシにまで及ぶ。ユダヤ人の虐殺が広がる中、ビエルスキ3兄弟も迫害を逃れるユダヤ人。森の中に逃げ込んだ彼らは長男トゥヴィアを中心にコミュニティを形成するが、次男ズシュは方針の違いから離脱。三男アザエルとトゥヴィアは、膨れ上がる同胞たちを連れ、ドイツ軍への復讐よりも1人でも多くのユダヤ人の命を救うことを誓う。1200人もの命を救った歴史の裏に隠れた実在の人物を描いた実話。
『ディファイアンス』〜2月14日(土)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

実話の重みと、戦争の重みが、ズシリとのしかかる大作。この手のネタは、知られざる歴史としての興味はそそるものの、ときどきどう受け止めていいかわかんなくなるんです。『戦場のピアニスト』でもまったく同じことを思ったもんですが、実際に起きたことなのだから、もちろん目の逸らしようもなく、そのつもりで観てはいる。けど、起きてしまった事実に対して、安易な感動を抱くわけにもいかず、かといって今の時代への教訓があるのかと言われれば、直接そういうわけでもなく。もちろん、知るってことが重要なんだろうけれど。

間違いなくトゥヴィアの功績は賞賛に値するもので、実際に1200人そしてその子孫を含め数万人規模の命を救ったってのは素晴らしいこと。ただの英雄ではなく、人間味をもった3人の兄弟の描き方もなるほど体温があって、よく理解できる。復讐よりも命をつなぐという選択は、胸を打つものがあるし、危険を顧みず、決して諦めなかった精神は見習わなくちゃなんないね。

ただ、どうもズウィック監督の手法だと、銃撃戦やロマンスの部分が、リアリティを損なうとは思わないまでも、なんか「演出」に見えてしまって、微妙に興がそがれる部分がある。かなり穿った見方なのかもしれないけど。ただ、この作品の場合、そういうのは二の次だろね。それによってビエルスキ・パルチザンの成し遂げた歴史的事実が翳るわけでもなし。いずれにしても、相当にシリアスな一作。つくづくホロコーストの恐ろしさを感じます。心してご鑑賞あれ。

蛇足ついでに、ダニエル・クレイグは『007』のせいもあってか、極限状態にあってガタイ良すぎ?

by april_cinema | 2009-02-14 00:00 | Starter


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