2009年 06月 06日
一冊でも読んでたほうがよかったのかも。『サガン —悲しみよ こんにちは—』6月6日公開。18歳、初めての小説が大ベストセラーとなったフランソワーズ・サガン。一躍時の人となった彼女の、その奔放で気ままな性格は公私にわたってさまざまな波乱をもたらした。一夜で大金を手にしたカジノ。2度ずつの結婚と離婚。心を通わせることのなかった一人息子。彼女が求めた愛と自由の軌跡に残されたものは。 『サガン —悲しみよ こんにちは—』公式サイト あ〜、一冊でもいいからサガンの小説を読んでおくべきだった気がするなー。多分まったく知らないゼロの人を紹介する伝記映画ではなく、サガンという人物がどんな人となりでどんなパブリックイメージを持っていたのか、それを知っている人に向けられた映画だったと思う。てかきっと、フランスではサガンと言えば知られた人なんだろうな。その予備知識があるかないかで、受け止め方は大きく違うような気がする。 サガンを知らなかったオレとしては、彼女のパーソナリティーの説明不足だなーと思ってしまったわけ。なんとなく歩んだ人生を駆け足でなぞってはいるし、性格のアウトラインは伝わるには伝わる。けれど、そこから中に入り込めなかったんだよね。これがもし、サガンを知っていたらそのアウトラインに思えるところや、ひとつひとつのセリフにも何かしらの意味を感じ取れたんじゃなかろーか、と思う訳。特徴的な仕草とか振る舞いは、きっとオリジナルを忠実に演じてたんじゃないかと思わせるふう。 ただ逆に言えば、何も知らない人をも惹き付けるほどの映画力があったかと言われたら、それは後少し足りなかったんじゃないかとも思う。いつも不機嫌に見えて、身勝手で、それでもあれだけの著名人に愛されたサガン。ならばそこには、時代も国も超越した圧倒的な魅力と魔力が備わっていたんじゃないの、って思うんだけど、そういう方向には描かれてなかったなー。 これを撮った監督はサガンの遠縁にあたるそう。となるとやっぱり、サガンを正面から描くんではなく、こんな一面も持った人でしたとか、あのイメージの裏でこんなものを抱えてましたとか、そういう観点だったような気がします。邪推かもしんないけどね。
by april_cinema
| 2009-06-06 00:00
| 6th-man
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