2009年 07月 04日
ニャンとも不思議な心地よさ。『私は猫ストーカー』7月4日公開。いつも猫を追いかけ、写真を撮り、ときには地面に這いつくばって猫マップとか作っちゃっている"猫ストーカー"なハル。は、イラストの仕事をしながら古本屋中。時々、田舎にいる元カレを思い出したり。ある日、古本屋のチビトムがいなくなった。奥さんもチビトムを探していなくなってしまう。ハルの日常に吹いたつむじ風。猫を探して歩き回るが…。 私は猫ストーカー すっごくスローでミニマルなのに、いやー不思議な魅力のある映画でしたわ。筋はあるようでないというか、↑で書いたのがほとんど全部。ここにハルのことを好きな常連さんがいて、猫仙人がいて、古本屋夫妻のちょっとしたいさかいと、同僚がいたりするけれど、そのへんのドラマは本当に小さく小さくまとめられている。どこにでもある平凡、まったくもってなにげな〜い日常、猫があくびするくらいの平凡。毛繕いするくらいの平穏。でも、そんななにげない日々がちょっと愛しくなれるのがイイトコロ。 猫たちは奔放にその辺をうろうろ、うろうろ。警戒して逃げ去ったり、近寄って来てゴロゴロしてみたり、まさにこれぞ猫!ってくらい気まま。それを、そのまんま撮ってる感じ。どこまでがキャストで、どこまでが野良猫なんだろう? チビトム以外は全部、リアルその辺の猫って気がするなー。あ、やっぱりそうでした。役者猫は一匹だけ。どうりで自然なわけだわ。別に、いまどきのニャンコブームに乗っかってただただニャンコかわいがりって感じではないのがいいよね。 そこにあるのは、人も猫も共存している町という単位の姿。ロケ地はどうやら谷根千で(古本屋は中野新橋の古書 猫額洞さん)、いい感じの路地とか民家とかと人とか猫とかが絶妙に溶け合っているのですよ。星野真里ちゃんも、間違いなくこういう子いそうだよね、っていう存在感でとっても魅力的でした。その他のキャストもほんと自然。たまたま『ねじまき鳥』なんて読んじゃってるもんだから、妙にワタヤ・ノボルとシンクロして、不思議な気分になりましたわ。 ストーリーや感動や名物ニャンコを期待すると肩すかしだけれど、ぼんやりと時間を委ねることのできる映画。頭からっぽにしたいときとかにはとってもいいかもー。あと下町好き、古本好きさんに。
by april_cinema
| 2009-07-04 00:00
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