2010年 12月 25日
感想_デザートフラワー
b0130850_16241590.jpgうげ〜ヘコム…。『デザートフラワー』12月25日公開。ソマリアを亡命しロンドンで不法滞在する少女、ワリス。英語にも不自由し、住むところもない彼女は、ダンサーを目指すマリリンの世話になり、ファストフード店の掃除係を世話してもらう。そこで彼女は著名ファッションフォトグラファーに"発見"される。困難に見舞われながらもトップモデルへと道を駆け上がったワリス。しかし、彼女の運命を変えたのは、ロンドンでも写真家でもなく、3歳のあの日だった。
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実話ベース。観る前は、普通にアフリカからの不法移民がトップモデルになっていくサクセスストーリーなのかと思っていたけど、実際そうではあるものの、そのプロセスはあくまでサブの話。何度もフラッシュバックするソマリアでの少女時代の映像。ラクダ5頭と引き換えになされる結婚、そこからの逃亡、レイプ未遂。砂漠の中で色鮮やかなアフリカの衣装は、あまりにもまぶしい。しかしそれは彼女にとっては大した苦痛ではなかったのかもしれない。3歳にして行われた(実際は5歳らしい)あの悲劇を前にしては。

ネタバレしたものかどうか迷うけれど、それは女性器切除という、信じられない行為。アフリカのある範囲ではスタンダードに行われているそうで、特にソマリアではそれが伝統として何千年も続けられて来たとか。処女性の維持とか、結婚の条件とか、通過儀礼とかいろいろ言われはあるらしいけれど、それが20世紀はおろか、今もまだ行われているだなんて。廃絶運動もありながら、根絶にはほど遠い状態らしく、今も多くの女性が幼くして苦痛の中に放り込まれているという。

あまりにもショッキング過ぎて、語る言葉を持てないよ。まったく知らなかった事実だし、ワリスがどれだけ成功しても幸福感をほとんど見せなかったのはすべてこのあまりにも深い傷(傷という表現のレベルを超えている)があるゆえだったのか。今ではワリスが先頭に立って廃絶運動の大使にもなっているようだけれど…、はあ、あまりにも重い。女性はこれを目にして耐えられるんだろうか。とても見せられないよ、オレのチキンハートじゃ。

メッセージ映画として意義深く、2時間しっかり惹き付けたのは構成のチカラか、それともワリス自身のカリスマ性なのか。いずれにしてもこれは記憶から消し去ることのできない、トラウマ級の作品でした。
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by april_cinema | 2010-12-25 00:00 | Starter | Comments(0)


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