2011年 05月 11日
ダーク・スワンでしょこれ! 『ブラック・スワン』5月11日公開。NYのバレエ団に所属する優秀なダンサーのニナ。彼女は次の『白鳥の湖』の主役に抜擢されるが、完璧を求める彼女の演技は白鳥は演じられても、黒鳥になりきれない。芸術監督ルロイはそんなニナを挑発し、叱責する。プレッシャーにさらされるニナ。自分にはないものを持つライバルの出現、過剰な愛情を注ぐ母親の存在、肉体的にも精神的にも限界に立ちながら、ニナは踊り続ける。 映画『ブラック・スワン』公式サイト オスカー受賞&結婚/妊娠おめナタリーが、まるでナタリーじゃないかのような鬼気迫る演技! オスカーに疑問なしな一世一代の芝居だったなー。これでもう完璧に『レオン』のナタリーじゃないね。激やせした身体的変化や、特訓しまくったというバレエの演技もさることながら(一部吹き替えてるとはいえ)、とにかくその崩壊寸前の精神を宿した表情がすごかったよ。見た目の変身だけではない、魂の演技。本物のプロの仕事ってのはこういうのを言うんだなぁ! さてその中身。バレエだし、ブラックとはいえもう少し美しいのを想像してたけど、むちゃくちゃ過激。異端! ダークファンタジーのようでいて、サイコスリラーであり、半分以上ホラーです。血だって飛び出すしね。とにかくカメラワークが緊張感ありすぎてありすぎて、本当に観客に緊張を強いるんですよ。ニナの視点の後ろからいきなり飛び込んで来る人物がいたり、鏡や、ガラスに映った向こうに不穏な影があったり、そもそもそれが現実なのか虚構なのかの境目がまったくはっきりしない。そして手持ちの揺れまくるカメラがまたそれを煽るわけ。限られた視覚に突如飛び込む異物ってのが本当にビビらせるんだよ。ニナじゃなくても心臓に悪いほどに! ナタリーだけじゃなく、ルロイを演じたヴァンサン・カッセルはこれまた無駄にエロで嫌らしい芸術監督になり切ってたし、ナタリーを刺激する官能ダンサーになったミラ・クニスも相当にセクシー。あんな背中にタトゥーでバレリーナってアリなのか!? クールすぎるぜ。そしてお母さん役なんてホラーそのものだしね。なんだよあの爪切りシーン! とか。てかね、ストーリーはけっこう単純というか、マンガちっくなので、そこには特別な面白みがあるわけではなく、やっぱり全体的な見せ方の異常性と、役者の世界観への没入ぷりがなによりも評価対象でしょう。 クライマックス〜結末にかけての展開は、好みかどうかと言われればちょっと違ったりもしたけど、とにかく最初から最後まで体を拘束されて締め付けられるような1本。これは必見だわ。
by april_cinema
| 2011-05-11 00:00
| All-Star
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