2011年 08月 12日
一人じゃ太刀打ちできないよ…。『ツリー・オブ・ライフ』8月12日公開。ジャックは過去を思い出していた。自分が子供だった頃。厳格だった父、穏やかな母。そして弟は19歳で死んだ。テキサスで暮らしたその日々が今の自分を形作っている。きっと誰もが同じ。 ツリー オブ ライフ 公式サイト。2011年8月12日(金)全国ロードショー! ブラピ×ショーン・ペン=カンヌでパルムドール!の看板ぶら下げられりゃ、期待せずにはいられなかったけど…けど……、絶対絶対一般ウケしないわ。いやーなにこの観念メタファー炸裂しまくりユニバースはさ。映画に筋らしい筋はない。大人のジャックはショーン・ペンが演じているけど、出演時間はごくわずか。あの皺の全部を総動員して、ただただ憂うかのような様子だけを演じてる。から、彼が何を思っているかは語られていない。想像するのみ。 ショーン・ペンの子供時代の父親役がブラッド・ピット。アメリカで語られがちな父親像。強く、なによりも父こそが一家の正義でありルール。してその正体は、なにものにもなれなかった男でありながら、家長として男として子供たちを厳しく締め付ける。それはあの頃どの家でも当たり前の光景だったのかもしれない。ジャックは反発の心を隠せない。思春期に向かう少年特有の残酷さと傷つきやすさはしめやかに暴走する。が、そこにもなんの説明もない。ただただ日々と瞬間瞬間が切り取られてスクロールされていく。父子の摩擦や軋轢ってのも普遍的テーマではあるんだろうけど、あまりに想像に委ねられ過ぎていて…。 そんな世界の前後に差し込まれる超宇宙的映像郡。そうこれは形而上学的!(メタフィジカル!!) 宇宙規模(という言葉も不正確か)にふくらみ生命の起源を思わせるようなネイチャー映像、そして進化、そして現在。それは古来よりずっと繰り返されてきた連鎖、営みだといわんばかりに。一組の、あまり良好ではない父子の確執をこのレヴェルまで広げていいのか? てか、いったい何を受け取っていいかわからないまでに超宇宙的だったんですけど。。 レクイエムのようなユニバースのような、つかみどころないポエティック世界は、退屈だけど長くは感じなくて、なんとも不思議な世界だわ。これ、一人じゃとても消化できない。誰かと語り合わないことには…。伝説的映像作家と評されるテレンス・マリック監督、これはチェックしてみなくては。。あと、Ziggy filmsで『天国の日々』やるからそれも観なくては!
by april_cinema
| 2011-08-12 00:00
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