2012年 06月 23日
ツラすぎる現実だろ。『それでも、愛してる』6月23日公開。幸せだった家庭は、夫ウォルターが鬱病を発症したことで終わりを告げた。子供たちへの影響を考え別居を決断した妻のメレディス。ウォルターは自殺を計るが失敗、その日からビーバの人形を左手にはめるようになる。彼は、ビーバーをはめる限り今まで通り、いやそれ以上の男となって帰ってきた。 映画『それでも、愛してる』公式サイト テーマは鬱病と家族愛。とても扱いが難しい題材だと思います。この作品の中でもその苦しさが充満していて、簡単に答えも出せないし、遣る瀬なさばかりが募ってしまった。ウォルターがなぜ鬱になったのかは特に詳しく書かれない。おそらく書いても意味がないからだろう。仮にその原因らしきものを取り除いたとしても、それでウォルターが元通りになるわけではないだろうから。 家族はそれぞれに思い悩む。長男は、父のようにはなりたくないと思う。まだ幼い次男は、ビーバーと父を無邪気に慕う。妻は、どうやったら元に戻れるのかばかりを考える。そして本人は、コントロールできない自分の心に苦しむ。鬱の蝕むところ、こういう葛藤がどこにでもあるんだろう、きっと。 一度狂ってしまった歯車は最後まで元に戻らず、それどころかウォルターに悲劇をもたらしてしまう。しかしそれを受け入れて家族は前を向こうとする。一歩踏み出そうとする。僕は、これを見て何を受け取っていいかわからなかった。だって、彼らは決して改善されていないどころか、悪くなってしまっているように見えたから。きっとこの先もトラブルが起きるんじゃないかと思う。 でも、多分感じるべきところは、それでも家族は家族として歩いていくということかもしれない。それは、邦題にある通りで。たとえ鬱とう病気ではなかったとしても、どんな変化も受け入れて、手を取り合って進んでいくのが家族のあるべき姿なのかもしれないと、思ったのです。
by april_cinema
| 2012-06-23 00:00
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