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2014年 02月 22日
感想_ドストエフスキーと愛に生きる
感想_ドストエフスキーと愛に生きる_b0130850_12181295.gifあんまりドストエフスキー関係ない。『ドストエフスキーと愛に生きる』2月25日公開。ドイツ在住のスヴェトラーナは84歳にして現役の翻訳家。古い家に暮らしながら、文学を翻訳し続ける。彼女は戦中にウクライナからやってきた移民だったが、今回60年ぶりにキエフを訪ねることに。孫のアンナと、過去をめぐる旅。彼女の数奇な運命をとらえたドキュメンタリー作品。
映画『ドストエフスキーと愛に生きる』公式サイト

うむ、タイトルほどドストエフスキーに重きがあるわけではなく、あくまでスヴェトラーナさんの半生に迫ったドキュメンタリーでした。序盤は、彼女の今の暮らしぶりが描かれ、中盤からはキエフを訪ね、過去を掘り起こしながら彼女に何が起こったのかが語られるというスタイル。そのあたり、先入観とギャップがあったけれど、なかなか知り得ない歴史だったな。

戦中、まだ15歳とかの少女だったスヴェトラーナさん。父親はスターリンの粛正で捉えられたり、キエフがドイツ軍に占領されユダヤ人の大虐殺を目の当たりにしたり、相当な悲劇を経験している。さらにドイツ語ができたため、上官の通訳を務めたり、母親はそこで家政婦になったり。それがあったからこそ生き残れたというなんともつらい運命。

戦争の影にはそんなこともあったんだな、という人生。でもさすが文学と向き合って来た人だけあって、ぽろりぽろりと宝石のような言葉が飛び出したり。テキストとテキスタイルは同じ語源。どちらも糸を正しく編むことが必要だとかね。ああ、ドストエフスキーをちゃんと読まないとなぁ。

by april_cinema | 2014-02-22 00:00 | Starter


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