2014年 08月 22日
感想_プロミスト・ランド
b0130850_13333763.gif正義はぶつかり合うよね。『プロミスト・ランド』8月22日公開。シェールガス開発会社のスティーヴは、田舎町マッキンリーにやってきた。目的は、ガス掘削のための用地買収。不景気にあえぐ住民たちは、スティーヴが提示する買収額に目を輝かす。しかし、もと科学者の高校教師がその安全性に疑問をつきつけ、さらには環境保護団体があらわれスティーヴのネガティブキャンペーンを開始。住民たちはしだいにガス開発に反対の意志を見せ始める。
映画「プロミスト・ランド」公式サイト

あれ、既視感ある。これってリメイクだっけ?と思ったら、どうやら飛行機の中で観てますね、僕。2012年に全米公開らしいから。すっかり忘れてたわ。ということで期せずして2度目の鑑賞となったけど、しっとりした良い話。そして現代的なテーマのヒューマンストーリーです。マット・デイモンらしさが120%出てたな。優秀だけど朴訥で、決して悪人にはなれない若造って感じのあれ。もうそんな年じゃないのにね、マット。

しかし話は一筋縄じゃぁいかない。クリーンエネルギーとして注目され、実際に世界中でその存在がもてはやされているシェールガス。だけど、その開発には土壌をかなりひっくり返さねばならず、そこで環境汚染や生態系破壊などの問題が発生するらしい。2014年現在、そのあたりの開発事情がどうなっているのかわからないけど、そのリスクをどう考えるのか、映画はテーマとして投げかける。環境汚染がなかったとしても、代々続いた農地はなくなり、田舎の景観も変わっていくんだろう。

日本だって似たり寄ったりかもしれない。都会暮らしは、実は下請けみたいな地方の産業によって成り立っている。もちろん、それで需給関係は成り立っているんだけど、はたしてそれでいいのかという疑問は付いて回る。映画のテーマとは外れるけど、都会で何世代も生きていくことって健全なのかは、最近すごく疑問に思うところだ。一定の若い時期をのぞいたら、人は田舎で生まれて田舎に帰っていくほうが、もしかしたら豊かなものかもしれない。教育的にもそんなこと思ったりもする。

それはさておき、最終的に映画は明確な結論や善悪は突きつけずに終わる。この小さな田舎町にもいろんな考えがある。お金が欲しい人。土地を守りたい人。異種交配で、小さな馬だって生まれているんだから、決して美談だけで語られる街じゃない。そして誰にもそれぞれの正義があるから、これという正解はない。最終的に住民たちは、やっぱり目先のお金を選ぶような気もするし。

根源的に、豊かさって何かを考えないといけないんだろうな。だって、原発はもう懲り懲りだけど、化石燃料による環境汚染や経済的負担だってやっぱり半端じゃないのは事実。何を捨てるのか。何を残すのか。どっちにしたって痛みやリスクは伴うんだ。その未来を、みんなで考えないといけないよね。大事なのは意見をひとつにすることではなくて、みんなが死ぬほど考えることなんだろうなって最近は思います。
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by april_cinema | 2014-08-22 00:00 | All-Star


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