2015年 02月 20日
感想_きっと、星のせいじゃない。
b0130850_11131357.gif超絶胸に、しみた。『きっと、星のせいじゃない。』2月20日公開。ガンに冒されながら、抗がん剤治療の効果で普通の日常を過ごせているヘイゼル。酸素ボンベは片時も手放せないけれど。で、両親の指示でしぶしぶいったサポートの会で出会ったのは、骨肉種で右足を切断しながらも明るくユーモアいっぱいのガス。ふたりはすぐに意気投合。ヘイゼルはお気に入りの小説をガスに貸すと、気に入ったガスはオランダに暮らす作者に感想をメール。すると、返事がかえってきた。ふたりはさらに距離を縮めるが…。
映画「きっと、星のせいじゃない。」公式サイト

ああ、とても胸に迫るもののある、良い映画でした。本当に良い映画と胸を張って言える。ガンと戦うふたりのティーンの恋物語、にも見えるし、確かにそういう入口だけど、それ以上の感動をくれる物語。永遠とか無限とか、そういうものが存在することを、これだけ説得力を持って描いてみせたこの監督、新鋭らしいけど素晴らしい仕事だと思います。

前半はとにかく、ガスのイケメンぶりが際立ち、ヘイゼルのタフガールっぷりも好感度大。くすぐったくも親気分で見守りつつ、後半、オランダ行から少しずつこの映画の意味が頭をもたげてくる。ろくでなしだったピーター・ヴァン・ホーヘンが口にした、大小の無限とはなにか。それが頭に残りながら見守り、そこに解を与える"生前葬"はかなりグッときたなー。いつも僕たちは、大きな無限のことばかり考えてしまう。100の、1000の、10000の、ミリオンの、億万のもっと先を。でも無限はそれだけじゃない。ゼロと、イチの間にも無限は確かに存在するのだった。亀の競争の話も、まさにこれ。ピーターが示唆したのは、未来ではなく目の前の無限を見ろということだった。それに、気づく聡明なヘイゼルよ!

最後の結末は厳しいけれど、でもその展開もまた永遠を信じさせるに足るもの。再び現れたピーターが口にしかけた「トロッコ問題」ってなんだろ?ってあとからウィキってしまいました。あの場で彼が何を語ろうとしたのかは知りえないけれど、自分を責めるなと言いたかったのかな。それとも、すべての人を救うことはできないということなのかな。それもまたメタファーなんだろうな。思えば、ガスの登場から、この物語はメタファーに埋め尽くされていたのかもしれない。ガスのたばこ、アンネの家。それは、希望の。忍耐の。生と死の。無限の。永遠の。

アムステルダムの光景はベタに美しかったし、シャイリーン・ウッドリーンちゃん、カワイイとはあまり思わないけどすばらしい演技でした。それよりもガスを演じた彼にぞっこんラブになっちゃったけどね。ウィレム・デフォーのろくでなしっぷりもものすごく格好よかったわ。パジャマからスーツへの華麗なる転身もね。あーあと、サングラスの友人の彼もすっごいよかったなー。卵投げたいーーーー!

涙が落ちるような強い衝動はなかったけど、反芻すればするほど胸に沁みて広がる感動があります。タイトルとメインビジュアルがチープにも見えるけど、本格的なヒューマンドラマ。安易な難病ものと侮るなかれ。『17歳のエンディングノート』『永遠の僕たち』に勝る、『私の中のあなた』に匹敵する1本だと思います。
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by april_cinema | 2015-02-20 00:00 | MVP


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