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2015年 02月 28日
感想_さいはてにて-やさしい香りと待ちながら-
感想_さいはてにて-やさしい香りと待ちながら-_b0130850_919354.gif能登が好きだー! 『さいはてにて-やさしい香りと待ちながら-』2月28日公開。故郷である海辺の町で、焙煎コーヒーのお店を始めた岬。その向かいには、二人の子供を育てるために水商売をするシングルマザーの絵里子がいた。岬を快く思わない絵里子だったが、ある事件がきっかけに二人は距離を縮め、子供達とともに家族のような交流が始まる。そして、岬がここに帰ってきた理由が明らかになるが…。
さいはてにて-やさしい香りと待ちながら-| 2015年2月28日公開

石川県能登半島に、二三味珈琲という焙煎所が実際にあるのだけど、そこは「さいはての珈琲屋」として知られています(名付けたのはおそらく雑誌クウネル)。で、そこのすぐそばにセット組んでつくられた物語。ただ、映画のストーリーと二三味さんに直接の因果関係はなくてあくまで舞台装置としてお借りした感じだそうです(コーヒーの焙煎やドリップの技術指導は二三味さんがやったそうで)。てのは余談だけど、実際に訪れたことのある二三味珈琲さんだし、能登も本当に素敵なところなので、この映画も気になってました。

ふたりの女性の物語つーことで、でもなんか妙に現実味のない話になってたらどうしようかと思ったけど、台湾人女性のチアン・ショウチョン監督の力量か、透明感あり、いい感じのストーリーに仕上がってました。岬さんの過去はそんなには語られず、幼き頃に別れたままの父の面影を追ってここにきたこと。珈琲一杯で、周りの人を少し幸せにすること。絵里子が岬に救われること。二組の親子の姿が描かれてきます。まあ、絵里子のヒモとしてでてくる永瀬さんがあまりにもステレオタイプなろくでなしなことには閉口したし、ギャル感満載だった絵里子があっという間にリンネル女子に路線変更してたのも唐突だったけどね。

それぞれに大切にしたいものや、忘れられない思い出があって、それは静かに密やかに受け継がれていくということ。船小屋の幼き記憶は、珈琲焙煎所に形を変えて、また誰かにバトンを渡していく。その様子は、押し付けがましくなく気持ち良く見ることができました。形はなくなっても、失われないものってあるよね。能登というロケーションはそれを伝えるにもいい場所だったと思います。静かな海。自然の安らぎ。隣人の温かさ。大げさなものはないけど、小さなやさしさを伝える小さな良品でした。

二三味さんとこの珈琲は本当に美味しいのでオススメです。通販やってますのでご興味ある方はぜひ! できれば能登を訪ねてほしいけれど!!

by april_cinema | 2015-02-28 00:00 | Starter


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