2015年 04月 17日
感想_セッション
b0130850_19225236.gif9分間のドラムマスター!!! 『セッション』4月17日公開。音楽名門校1年のドラム奏者、ニーマン。偉大な音楽家を夢見る彼に声をかけてきたのは、校内の評判も高い教師フレッチャー。しかしそれは地獄の始まりだった。フレッチャーの練習に参加したニーマンは、恐怖でクラスを支配するフレッチャーと、その異常なまでに緊張感を目の当たりにし、衝撃を受ける。差別用語まじりにバンドを罵倒し続けるフレッチャーに認められるべく、ニーマンは取り憑かれたようにドラムを叩き続ける。その先に待っていたのは、狂気の世界だった。
映画『セッション』公式サイト

アカデミー賞を騒がせ、鬼教師役のJKシモンズが助演男優賞を受賞。その中身は、強烈に魂を削り合い罵り合いぶつけ合う、ジャズ界のリトルスターウォーズ! 最初は音楽版スポ根くらいに見ていたけどとんでもない。完全にそこは戦場だったよ。フレッチャーが見ているのはただただ最高の高みで、そのためにはいかなる手段も辞さず、そして一切の妥協や甘えを許さない。今の時代、絶対に許されないほどの強烈すぎるやり方が半端じゃないぜ。でもニーマンもただの甘ちゃんじゃなく、真っ向からその勝負に挑み続けるからすごい。そして心を失くしていくのはまさに戦地帰りの兵士と同じ。もはや彼の生きる場所は戦場しかないという。。

シモンズの怪演は確かに半端じゃなかったよ。完全に鬼軍曹つーか、鬼神と化してました。ただでさえ顔が怖いうえになんかマッチョだったし、黒のピタTがハマりすぎ。動きのすべてに怒りのようなものがにじんでいて、指先からも視線からもそれをほとばしらせていたわ。でも、主演のマイルズ・テラー君だって負けちゃいなかったよ。ジョン・キューザックに似てると思いつつ、優男のようでありながら文字通り血を流しながら叩き続ける姿。フレッチャーと渡り合う目つき。ドラムは初心者だったそうだけど、よくここまで叩けたなー! もちろん音はあててるんだろうけど、鬼気迫る感じも、病的な感じも伝わったわ。学生らしい高揚感や、恋人への横柄な態度もすべてよかった。

それらを煽り続ける映像もお見事。冒頭から緊張感フルマックスで、ドラムソロ、バンドシーン、そしてフレッチャーの独壇場を、巧みなカット割りで魅せる魅せる。一秒もだれることないそのストーリーテリング能力すごいわ。監督、若干28歳とは恐れ入る。デイミアン・チャゼルの名前を覚えておこう。ついでにニーマンの彼女役のメリッサ・ブノワちゃんもかわいこちゃんだったから覚えておかないとな。

で、中盤以降の展開もぶっ飛びですが、それすらも軽々飛び越えちゃう驚愕のラスト。『4分間のピアニスト』を時間的にも内容的にも超えちまったスーパープレイ!!! 史上最高のドラムソロであり、セッションでした。頭ん中でドラムビートが鳴り止まないよ!!

異常なまでの緊張感、卓越した演技とシナリオ、そして高みに上るためならどこまでが許されるのか。倫理や道徳を超えた、神の領域を目指す人間の所業、今年ベスト級の完璧な作品でした!

<追記>
なにやら論争が起きてるってヤフートップに出てて、菊地成孔さんと町山さんのブログを読んで、おかしなことになってるなーと。でも菊地さんの意見はわりと納得のいく専門家の意見という気がしたわ。そしてこれを読んで、フレッチャーは確かにただのイカれたおっさんだったと気づいたわ。最後の騙し討ちとかひどい話だしね。町山さんのフォローはそれに比べるとちょっと弱かったなーと思いつつ、でもとりあえずすげー面白かったことだけは保証しますよ。今年必見の1本!
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by april_cinema | 2015-04-17 00:00 | MVP


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