2015年 08月 08日
感想_彼は秘密の女ともだち
b0130850_1143228.jpgスイッチはどこで入るかわからねーな。『彼は秘密の女ともだち』8月8日公開。7歳からの親友ローラを亡くしたクレール。遺されたローラの夫デヴィッドと、娘リュシーを心配して家を訪ねると、現れたのは女装したデヴィッド。密かに女装趣味を持っていた彼は、ローラの死を機に再び女装に走ったのだった。以来、ふたりは女ともだちとしてショッピングや映画に繰り出すようになるが、クレールの夫ジルはそれを不審に思い…。
彼は秘密の女ともだち -2015年8月8日(土)シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館他 全国順次公開!

いやーなんともヘンなテンションだったけど、すっごく面白かったわ。デヴィッドは女装スイッチが入ったら止まらなくなり、それがクレールに飛び火して、さらにはジルを巻き込んで、おかしなことになりつつ、これは一体男なのか女なのか何なのかと思いつつ、最後はまた大胆なフィニッシュですこと。さすがフランスというのか、オゾン監督ならではというべきか、性の多様性もここまでくるとなんだかすごすぎる。いったい、クレールとデヴィッドの関係はなんと呼んでいいのやら。型にハメるのは諦めたほうがいいですね。必要もないんでしょう。

でも、よくよく考えると、これは性の多様性をモチーフにはしているけれど、人間誰しも気づいていないスイッチを持っているってことでもあるなーって思ったは。デヴィッドは女装だったし、クレールはレズビアンだったけど、ジルは父性を目醒めさせはじめていたし、ほかにもそういう自分でも知らない自分てたくさんあるんだと思うんだよね。もっと普通の趣味の話かもしれないし、さらにエキセントリックな趣向の話かもしれないし。そういう人間の秘めた欲望とか、無意識の面白さを描いてたようにも感じました。にしても、ジルはかわいそうだし、ローラは出汁にされた感が半端ないけど。

それにしても、ボーダーレスだよな〜。個人の価値観とか尊厳は守られてしかるべきだけど、それだけを尊重していくともう秩序は保てなくなるんじゃないかな、って思うほど。だってあまりにも個々のケースごと環境も方向性も違いすぎるもの。LGBTだけじゃくくれないでしょこれ。本当の自分を偽れないってのはそうなんだろうけど、とはいえすべてを叶えるってのも無理があるわけだし、どこかに何かしらのストッパーはないといけないような気もする。もちろん、他人に迷惑をかけなければいいとは思うけど、でも迷惑さえかけなければなんでもいいのかっていうとそうでもないような。特に具体例思いつかないから単に自分が保守に走ってるだけかもしんないけど。電車で電話とかって、まあ海外じゃ普通だけど日本じゃマナー違反で、それを迷惑というのかいわないのかって微妙なラインだよな、とかね。全然例えになってないけど。

いやーしかしロマン・デュリスの女装、普通に気持ち悪いんだけどなんかアリな気もするから不思議。アナイス・ドゥムースティエさんは地味かわいかったしね。あとけっこうエロい映画でもありました。それから、成長したリュシーが超美少女。はたして彼女が大人になるくらいの未来はどんな世界なんでしょーね。
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by april_cinema | 2015-08-08 00:00 | All-Star


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