2005年 05月 29日
映画『ミリオンダラー・ベイビー』を鑑賞。言わずと知れたアカデミー賞4部門受賞の超話題作。劇場はほぼ満員。やっぱ注目度高し。 女性ボクサーのマギー(ヒラリー・スワンク)とそのトレーナーであるフランキー(クリント・イーストウッド)、そしてトレーナーの友人で元ボクサーの"スクラップアイアン"(モーガン・フリーマン)を軸に、女性ボクサーの栄光と挫折、そしてあまりにも壮絶な運命を描いた物語。 ミリオンダラー・ベイビー 早起きがたたって、導入部でウトウトしてしまったけど、ファイトシーンからは完全覚醒。前半の『ファイトクラブ』並のスピード感と疾走感はかなり爽快。軽いユーモアと、マギーのサクセスは観てて素直に気持ちイイ。 が、後半からラストに向かってストーリーは急展開。前半のテンポのよさが、逆にボディブローのように重くのしかかってくる。頂点を目前にしながら、いたずらな運命がマギーを奈落の底へ突き落とし、マギーとフランキーに突き付けられる無情な現実と究極の選択。ギリギリのところで問われる、絆の深さと生命の重さ。人間にとって普遍的なテーマがストレートに描き出され、それが本能的、直接的に心を揺さぶる。 スクラップはフランキーに、自分を責めることはないと言った。マギーに悔いはなかったはずだ、と。その言葉がフランキーの迷いを消して、引き金を引かせたっていう皮肉な運命も痛い。 なんか観てて不思議な感覚に 支配された。どこがどう面白かった、とかじゃなくて、映画全体からズシリと圧力がかかってるような感じ。栄光と挫折、命の価値、ってあたりのテーマは特に目新しくもないのに、こんだけ胸に響くってのは、細かいエピソードがうまく効いてるのと、役者たちの演技がよかったからかも。 とにかく、かなり余韻の残る映画だったなー。泣きこそしなかったけど、ラストは目が離せなく、かなり目頭熱くなった。見終わっても胸がいっぱいでしばらく立ち上がれなかったし。DVD出たらもっかい観てしまいそうな、期待どおりのイイ作品。オススメですわ。
by april_cinema
| 2005-05-29 00:00
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