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2007年 06月 26日
感想_リトル・チルドレン
感想_リトル・チルドレン_b0130850_16524832.jpg大人になれない大人たち。は愚かですか? 『リトル・チルドレン』7月28日公開。夫と娘と、不自由のない暮しをするサラ。美人妻と愛息を持つブラッド。子供を連れて公園で出逢った2人は、やがて惹かれあう。成熟した大人でありながらも、子供のように何かを求めてしまう彼らが進むべき道とは。
映画[リトル・チルドレン]公式サイト

あ、決して不倫の話じゃないのよ。人間、どんなに歳を取って良識を身につけても、子供っぽさが完璧に抜けるわけないじゃない? ワガママ通してみたり、イケナイとわかっててやっちゃったり、自己正当化のために他人を責めたり。そんな不完全なうちら大人を通して、時に犯しちゃうミステイクと、間違えっぱなしってわけでもないってこと、だからこそ大人にも成長の余地がある、ってことを教えるヒューマンドラマ。未完だから欲しくなるし、もがいちゃうんだよねぇ。うん、うん。よいテーマです。

いささか群像チックで、ナレーションが登場人物の心情を語ったりする作りには監督(そして原作者)のメッセージがしっかり込められてる。この語り部が全体を俯瞰してるから、最終的にどんなゴールを用意してくれるのか興味深く観れたのだな。けど、不倫のなりゆきに時間かけすぎてスローダウン。そのあたりのプロットの完成度がもう少しあがるとなおよかったのになー。あと一息か。

と細かいところケチつけたけど、基本的におもしろかったのよ。いくつかの親子関係や、男と女の生き方の対比、さらには家族の在り方に対しても一石投じてたりして、けっこういろんな味わい方ができそう。「チルドレン」は幼児性という意味じゃなく、発展途上ってこと。子供たちの振る舞いや小物にもメタファー感じたりして、なかなかに観どころある一作でしたワ。

by april_cinema | 2007-06-26 00:00 | All-Star


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