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2007年 08月 14日
感想_題名のない子守唄
感想_題名のない子守唄_b0130850_21595370.jpgこの愛は刺さったよ! 『題名のない子守唄』9月15日公開。トリエステへとやってきたイレーナは、ある家を狙うかのように使用人として潜り込む。隙をみて家捜しをし、幼いお嬢さんに執拗なしつけをする。やがて明らかになるイレーナの目的と真実とは。
題名のない子守唄:ジュゼッペ・トルナトーレ監督 最新作

序盤からいわくありげなフラッシュバックが次々と差し込まれ、なにやら壮絶そうな過去が強烈に焼き付けられる。病的に何かに衝き動かされているイレーナの、その何かが気になって最後まで気を許せない展開。後からわかる1つ1つの行動の必然性もあって、絵的にも音的にもその緊張感はおみごとだ〜。

演出の妙もあってイレーナにどっぷり感情移入してしまったけど、しかしまーけっこうイタイ話だわ。人としての尊厳を奪われてもなお残る、女として、そして母としての本能。黙することで過去を抹殺するのではなく、イレーナは過去の中にただ1つの証を求めて行動していたってことだよね。哀し過ぎるその愛!

ありがちに見えるラストシーンは、その境遇を思うと複雑な余韻をドロップ。親子愛とははたしてなんなんだろう。トーンは暗いけれど、よくできた作品でたっぷり堪能できました。

by april_cinema | 2007-08-14 00:00 | All-Star


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