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  • 感想_麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜
    [ 2012-01-28 00:00 ]
  • 感想_J・エドガー
    [ 2012-01-28 00:00 ]
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    [ 2012-01-28 00:00 ]
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    [ 2012-01-21 00:00 ]
  • 感想_アニマル・キングダム
    [ 2012-01-21 00:00 ]
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    [ 2012-01-21 00:00 ]
  • 感想_ロボジー
    [ 2012-01-14 00:00 ]
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    [ 2012-01-14 00:00 ]
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    [ 2012-01-07 00:00 ]
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2012年 01月 28日
感想_麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜
原作をきっちりと。『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』1月28日公開。日本橋の中央にある翼のある麒麟の像の前で、ひとりの男が死亡した。何者かに刃物で刺された彼は最期の力を振り絞って麒麟像の前までやってきたらしい。容疑者として浮かび上がったのは、男が勤める会社の元工場員だったが、職務質問から逃げようとして事故にあい意識不明に陥ってしまう。捜査についた加賀は、なぜ殺された男が助けも呼ばずに日本橋へやってきたのか、疑問を抱く。
映画『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』公式サイト

連ドラ、スペシャルドラマと着実なステップを踏んでの(見てないけど)、満を持して加賀恭一郎・最新作をスピード映画化。原作を実にスマートに映像化していて、あらためて東野圭吾の原作の持っている映像的ポテンシャルの高さの証明だったんじゃないかと思います。それにしても加賀=阿部ちゃんはハマリ役過ぎるなー。いちばん最初はちょっと歳行き過ぎでは?って思ってたんだけど、気づいたら彫りの深さ、がたいの良さ、そのあたり完全に原作イメージとシンクロしてしまったわ。

謎解きとあわせながら、容疑者の事情、被害者の周辺を巧みに折り込んでミスリードしつつも本質的テーマへと結びつけ、罪を償うことの意味や、父と子&先生と生徒の関係性に教育とはどういうことなのかを訴えてくる。その周辺には派遣切りや労災隠しといった現代的問題を潜ませているのも巧みだよねー。強くはフォーカスされてないんだけど、加賀と父親の関係性というのも大きな意味を持っているよね。原作を読み直すような感じで観れましたわ。三浦貴大君はいい感じに育ってきてるなー。どことなく桐谷君風だけど、シリアスが似合う感じで。ガッキーの垢抜けなさカワイイにもヤラれたぜ。日本橋でバンザイしている純朴さには思わず笑顔がこぼれてしまった!

さて、加賀シリーズはドル箱となったわけで、今後も新作のたびに映像化という流れは想像できるんだけど、オレとしてはエピソードゼロ的な加賀恭一郎ができるまで、にも振って行ってほしいのです。『卒業』まで戻らなくてもいいかもしれないけど、『悪意』あたりはやるべきじゃなかろうか。さすがに若い頃を阿部ちゃんてわけにはいかんので、誰か別の役者で。『悪意』は伊勢谷君を推薦しておきます。


by april_cinema | 2012-01-28 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 28日
感想_J・エドガー
オレらとは距離があるかな。『J・エドガー』1月28日公開。FBI初代長官として8人の大統領に仕えた男、ジョン・エドガー・フーヴァー。秘密を握り、圧倒的な権力を持つことで、国民とアメリカを守るために戦い続けた男。徹底した秘密主義のその裏に、果たしてどんな人間像があったのか。レオナルド・ディカプリオ主演、クリント・イーストウッド最新作。
J・エドガー

イーストウッド×ディカプリオで、レオのオスカー主演男優賞大本命みたいな触れ込みもあったから超期待してったけど、ぬ~これはシブイ、シブすぎるぜ。題材がFBI長官ともなれば、FBIの成立過程とか、いろんなドラマがふんだんにあるはず!って思ったけど、そういう伝記ものでも、歴史ものでもなく、あくまでエドガーのパーソナルな部分に光を当てた(というか影を浮きぼった)人間ドラマだった。いかんせん、こちとらJ・エドガーって名前が初耳だからさ、いきなり深みに入られても…ぐぅ、わからんかったな。。まずはその説明がもう少し欲しかった。アメリカの若者でも知っている名前なのかな、エドガーって。

いや、最後にはおぼろげながらわかるのですよ。なぜ彼があそこまで厳格に秘密を握ることに執念を持ち、虚勢ともいえる威厳を作り上げたのか。それは自分自身が誰よりも秘密を抱える身であり、コンプレックスの裏返しがあの強烈な個性になったってことなんだろう。そしてそれは時代の流れに乗り、あそこまでの人物足りえたんじゃないかと。は、想像するけど、やっぱりもうちょっと上辺の説明ストーリーも入れてほしかったというのがアジアの純真てなもんでしょう。

しっかし、FBI長官がマザコンでゲイだなんて、すごいスキャンダラスだな。レオ様、『アビエイター』のハワード・ヒューズは力み過ぎって思ったけど、今回はなかなかいい感じだったと思う。晩年の老けメイクはフィリップ・シーモア・ホフマンにも見えつつその心は竜雷太だったな。ナオミ・ワッツは意外と見せ場少なかったな。ジュディ・デンチも。

なんにしても重厚なドラマ。かなり淡々としてると思うけど、エドガーの独白を追う体をなしながら最後にその構図を暴くスタイルなどなど、イーストウッド先生らしい濃密さは楽しめると思います。ツウ好み。


by april_cinema | 2012-01-28 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 28日
感想_しあわせのパン
なんとも既視感あるな。『しあわせのパン』1月28日公開。北海道月浦の湖のほとりにある一軒のパンとコーヒーのお店「マーニ」。水縞くんがパンを焼き、そしてりえさんがコーヒーを入れたり美味しい料理を作ったり。愉快な常連さんとともに穏やかな日々が流れている。季節ごとにやってくるお客さんは、それぞれ違った事情を抱えながらも、やきたてのパンをほおばって、それぞれの中のしあわせを見つけていく。春がすぎ、夏と秋がきて、冬も終わる頃、水縞くんとりえさんにも、しあわせがやってくる。
映画『しあわせのパン』公式サイト

ふんわりやさしい映画でした。が、なんか難しいよねーこういうのは。一軒の素敵なパンカフェと、そこにやってくる人たちの交流を通して、しあわせの形を考える。とこう書くといい雰囲気だし、実際に言っていることも悪くはないんだ。焼きたてのパンを手で割って、誰かとわけあって食べる。手を強調する描き方はぬくもりがあって良かったし、それが、幸せを見つめ直すことや、その幸せを分け合うことを象徴しているんだよね。シェアするという発想は今っぽくもあるし。だけど、それをリアリティをもって観客に伝えるのって本当に難しい。

つまりリアルとファンタジーの間をどうやって埋めるのか。マーニってある種のファンタジーだと思うの。美人の奥さんと気のいいご主人が、大自然の中でのんびりとパンカフェを営む。物語のハブとしてファンタジーに徹してくれればよかったのかもしれないけど、なんか中途半端にりえさんの背景がぼんやりとだけ語られ、最後のオマケ的プレゼントは読めちゃううえに急に現実的幸福を出すのもヌルく感じる。さらに客としてやってくる人物たちのリアリティが足りない。それぞれが抱えてるものが弱いし、どうしてここに辿り着いたのかもあんまり必然性ないし、感情移入させるには全般かなり物足りなかったなー。淡々とした描写も手伝って退屈したところも大いにあった。

さらに言うと、こういう雰囲気もの、すでにけっこう観てきた気がするんだよね。『食堂かたつむり』『東京オアシス』『スープ・オペラ』とかとか、それぞれテーマは違うけど共通する点があるよね。なんだか邦画ばっかりだな。こういうプチファンタジーに必要なのは、圧倒的なリアリティ。木皿泉がそういうのは抜群にうまいよな。ああいうの、観たいんだよな。

ほかほかパンは間違いなく美味しそうだったけどね。キャストはまあまあのところを揃えてるんだけど、森カンナ×平岡君は悪いけど大根だと思ったよ。


by april_cinema | 2012-01-28 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 21日
感想_ALWAYS 三丁目の夕日'64
相変わらずの安定感。『ALWAYS 三丁目の夕日'64』1月21日公開。昭和39年、東京オリンピックが行われるその年、日本中が沸いていた。鈴木オートは順調に成長し、六子の下にはケンジという後輩が。茶川家にはもうすぐ新しい家族が増える。あいかわらずの夕日町。おや、なにやら六子は毎朝おめかしをして、菊地という医師に会いに行っているようだ。だけど、菊地にはよくない噂が。そして茶川は新人作家の登場により、またまたまたスランプに陥って…。
ALWAYS 三丁目の夕日'64

前2作といい意味でなんら変わらない、だけど飽きさせない鉄板の作りだわー。はいはい、って気もありつつ、なんだかんだ楽しんでしまった。オープニングは第一作へのセルフオマージュっぽく、長回しの飛行機追っかけだけど、そこから見える東京の景色が高度成長期を感じさせて、勢いあるんだよな~。タイトルバックは東京タワー飛び出しまくりで、3Dを最大限活かしていたのはこのオープニングのみ(後は別に3Dじゃなくてもいいだろ)。序盤はそんなこんなで、キャラの顔見せでおさらいをしながら、前作の5年後という時間の流れの紹介。茶川家が増築されてたりね、一平は生意気にギター抱えてたりね。

で毎度おなじみ群像的なドラマ+新キャラ登場的展開、今回の軸その1は六子の恋。お相手はなんと森山未來ときましたか! 昭和の髪型×みゆき族ルックで最初誰かと思ったわ! これがまたベタな展開なんだけど、ついグッときてしまうのですよね~。六ちゃんの後輩には目下の最注目男子・染谷君てツボをおさえたキャスティングでニクイぜ。大した出番なくてもニクメナイぜ。鈴木オート激昂シーンも第一作へのセルフオマージュだったね。わかっていても笑っちゃったよ、堤さん! で、軸その2は、茶川と淳之介。てか、だいたい泣かせのエピソードは毎度茶川で押してくるな~。こちらは編集者として大森南朋がニューキャラ。らしさがあり、昭和風味も出版社風情もハマってましたな。そして須賀くんはさらに大きくなっていたっす。

2時間20分越えの長尺で、最初はちょっと長いかなーと思っていたはずなのに、結局最後には引き込まれて時間を忘れてたパターン。幸せの形は人それぞれ。やりたいことを見つけて夢を追うこと。家族の温かさ。毎度同じテーマながら、現代が置いていきがちな価値観にグッと来てしまいますよね。前2作同様にヒットするんじゃないかな〜。


by april_cinema | 2012-01-21 00:00 | All-Star | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 21日
感想_アニマル・キングダム
ラストが鮮烈〜。『アニマル・キングダム』1月21日公開。母が死に独り残されたジョシュアは、祖母の家へとやってくる。そこにいる男たちは犯罪に手を染め、警察に追われていた。やがてジョシュアはガールフレンドとともにその渦に巻き込まれてしまう。叔父たちのために嘘をつくのか。それとも…。
映画『アニマル・キングダム』公式サイト

オーストラリアからやってきた犯罪ドラマ。緊張感はあったけど、ちょっと説明不足だったような気がする。見終わってからサイトのストーリーを観るとあれそうだったの?みたいなところも。ばあちゃん家の面々が一体何をやっているのかって全然わからなかったもの。ドラッグディーラー以外の犯罪歴ってよくわからなかったぜ? 確かに報復で警官撃ち殺してたけど、その前段階の前提はもうちっと説明してほしかったっす。まあ、あんなに軽々と銃を持ち出すってことでワルいのは伝わるけど。でもそのわりにあたふたもしていたような。

それを差し引けば、不穏な空気に終始支配され、派手な"コト"を起こしていないのになにかヤバイんじゃないの?って思わせる空気の作り方は巧かったなー。ただゲームして、目を光らせて、吠えたりしているだけなのに、ジリジリするような焦らしテクったら。やたらと息子を偏愛するばあちゃんの後半にきてグイグイ来る感じもコワ〜。あいつがいちばん悪いわね。ねじれた過保護。歪んだ母性。

主人公も状況をつかめないまま巻き込まれて、でもずっと距離を置いてなんとかやり過ごしてきての最後のアレだもんね。強烈な一撃だったわ。そしてこの家族の業の深さとでもいうのか、負のスパイラルの終わらなさが何ともいえない後味に。派手さはないけど技巧で見せ切る技ありの1本。でも好きじゃないっす。うーむ。


by april_cinema | 2012-01-21 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 21日
感想_グッド・ドクター 禁断のカルテ
なんか雑〜。『グッド・ドクター 禁断のカルテ』1月21日公開。研修医マーティンは、よき医者たろうと懸命に働くが、思い通りにならないことも多い。ベテラン看護師にはどういうわけかいちゃもんをつけられるし。しかし担当した美少女ダイアンが無事に回復し、彼女から絶対的信頼を受けることで彼は自信を取り戻す。が、彼女が退院してしまうことで彼の心には穴が空きまた物足りなさが芽生え…。
映画『グッド・ドクター 禁断のカルテ』公式サイト

オーランド・ブルームがアホなヤングドクターに扮した医療サスペンス。オーリー、作品選び間違えてるな〜、という感想が出てしまうわ。どこに行きたいのよオーリー! でも役者志す以上は、いつまでも坊ちゃんキャラじゃ嫌なんでしょうね、と斜め上からコメントしたくもなる駄作。

上昇志向を持った青年医師が、善き医者とは?を悩んで悶々していくのかと思ったら全然違ったよ。若さゆえ功を焦り、勝手にストレス抱えた落ちこぼれ君が、勘違いをいろいろしまくった挙げ句、犯罪行為に走ってしまうという共感できないわ、目も当てられないわのお話。しかしねぇ、そのやり方が短絡的過ぎる上、それが完全犯罪として成り立ってしまうというところが意味不明。だってー、薬をパクるわ、カルテ書き換えるわ、点滴を入れ替えるわ、のやりたい放題。いくら夜だからって病院内誰にも見つからずにそれができるとは到底思えないし、さらには使った注射器を紙にくるんでそのままポイ捨てだもんね。てか、医者になれるくらいの知能持っててその杜撰さはないだろうがー!

そんなのすぐ露見するだろうよと思いきや、死人まで出てるってのになぜかスルーされて、マーティンは肯定されるというね。まったくよくわからない世界だぜ。そんなことになっちゃうマーティンの背景を、実家の期待とか、友人へのコンプレックスとか、いろんなオプション使って描いてるけど、特に説得力と呼べるほどのもんはなし。

てことで三流サスペンスでした。残念。


by april_cinema | 2012-01-21 00:00 | 6th-man | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 14日
感想_ロボジー
けっこうベタだけどね。『ロボジー』1月14日公開。家電メーカーの木村電機社員の3人は社長の無理な要求で、作ったこともないロボット「ニュー潮風」を開発中。しかしロボット博覧会直前にトラブルで壊れてしまう。1回限りの窮余の策としてロボットの中に人間を入れてお茶を濁すことを思いつき、バイトのオーディションを実施。条件にあったのは、孫にも相手にされない寂しい老人・鈴木だった。とにかく博覧会だけをやり過ごすはずだったが、鈴木の勝手な暴走によって「ニュー潮風」は大人気ロボットとなってしまう。
映画『ロボジー』公式サイト

矢口監督最新作はロボット×じじい! 超漫画っぽい設定で、まるきりファンタジーではあるけど、その中でちゃんとワールド作り上げちゃうのはさすが。いつも通りのきっちりリサーチでロボット開発の企業や大学の研究室をたずねてエピソードを拾いながらオリジナル脚本を仕上げたそう。実際に大学生たちが登場するし、まんまとそのあたりが反映されてます。で、人が入っているからこその予測不能な動きとか、人が入っているなんて思わない人たちの勘違いとか、秘密を知られちゃいけない社員たちの奮闘とかで、いろんな笑いをちりばめながらお話全体を動かしていく技術は熟練ですな。安心して見てられます。

鈴木を演じたのは五十嵐信次郎。って誰それ?と思ったらミッキー・カーチスだったよ。心機一転憧れの日本芸名に変えたそうです。まあこの言うこと聞かないじいちゃんが、ほんとリアルで笑わせてくれるのよね。そしてヒロインのロボヲタガールに吉高由里子なんだけど、もうキャリアベスト級のかわいさ。ニュー潮風に本気で恋して、猛進しまくって、そしてあのぶち切れシーンが超絶品!(なんかホクロ増えてた?) 吉高のいいとこ全部出し切ってたな〜。で、木村電機の3人組もまたグッド。濱田ガックンは、小市民の雰囲気がやっぱり最高だし、それと組んだWエンジンの川合と舞台俳優長井さんがいい案配の凸凹コントラスト。お見事です。過去の矢口作品に出てる竹中直人に田辺誠一もカメオってますよ。

とはいえ、おもしろかったんだけど、テーマ的にはちょっとシニカルだったような気がするんだよな。老人の孤独はロボットという虚像になることでしか解消できず、孫とのコミュニケーションも着ぐるみごしというのはあまりに寂しい。けど、それが現実なの? 迫っている超高齢化社会を予感させて切なくなるわ。だから結局、この映画に夢があるのかないのかわからなくなってしまったんだよね。『ハッピーフライト』も今作も楽しいけれど、やっぱり矢口監督には若者たちを生き生きと描いてもらうほうが好き。次回作は青春劇をぜひよろしくお願いします!


by april_cinema | 2012-01-14 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 14日
感想_月光ノ仮面
ラストぶっとんだわ。『月光ノ仮面』1月14日公開。戦後日本、戦死したと思われていた男が戻ってきた。男は、戦前に将来を嘱望され真打ち間近だった落語家・森乃家うさぎ。しかし男は一切の記憶を失っていた。森乃家一門は、なんとかうさぎの記憶を呼び戻そうと小さな小屋の高座にあげるが、うさぎはおかしな行動をとるばかり。そこにまた別の男が帰って来る。彼こそが、本当の森乃家うさぎだった。ここは、ずっと満月の町。板尾創路監督第二作!
2012年1月14日全国ロードショー 映画『月光ノ仮面』公式サイト

淡々と、というよりは、飄々と進んで行く物語で、『脱獄王』に続いて主人公は喋らない男。演じるのは板尾さん自ら。戦後の混沌とした世界で、なぜか月が欠けない磁場の狂ったような場所で起きる不可思議なできごとたち。そもそも、似ても似つかない板尾さんと浅野忠信を間違える元許嫁があるか!というツッコミなのですが、それは月の魔力に狂わされているからという解釈らしい。そういうものか。ファンタジーなのか、ミステリーなのか。

なんだかワケはわからないのに不思議と退屈はしなくて、シュールなエピソードが続くからなのかな。奇行に走る高座があったかと思えば、揚屋の女と穴を掘るシーンもあれば、月夜の晩に現れるのはドクター中松だもんな。タイムスリッパーってそれどゆこと!? かと思いきや戦場の悲惨なシーンも挿入されることでシリアスに引き戻されたりして、いったいこの世界はなんなんだ!と。ひっくるめるとダークファンタジー。ブラックユーモアのほうにくくられそうなところ。

とか思っていたところに、信じられない衝撃のクライマックス。びっくりしてオレは相当目を見開いたに違いない。あまりに強烈インパクトで、これ、人によっては気分を悪くしたりもするんじゃないだろうか。さらに畳み掛けるラストはまた解釈を揺さぶってきますねぇ。

見終わって考えたのは、岡本太郎はやっぱり死んでいるんじゃないだろうかってこと。そんな岡本が死の間際に見た夢が、こういうシーンだったんじゃなかろうかな。穴を掘るのは未来への渇望か、それとも早く楽になりたかったのか。ラストのアレも戦場のそれとリンクするしなー。岡本太郎って名前もなんかいわくありげ〜。とか、とにかく相当シュールな投げっぱなし。解釈自由であり解釈不能。オチてるのかオチてないのかそれすら不明。人にはなんとも薦めづらいところもあるけど、好きな人はけっこうハマるんじゃなかろうか。そんな怪作ですわ。


by april_cinema | 2012-01-14 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 07日
感想_パーフェクト・センス
希望と言っていいのか? 『パーフェクト・センス』1月7日公開。それは突然やってきた。急に孤独を感じ涙を流した後、嗅覚を失う。感染症の疑いは低いが、イギリスだけではなくフランス、ベルギー、イタリアなど各地で発症者の報告が。次のステージは突然の飢え、そして味覚の喪失。原因も対処法もわからない世界で出会った、感染症学者のスーザンと、レストランシェフのマイケル。ふたりは少しずつ崩壊していく世界の中で惹かれ合うが、ほどなくしてふたりも発症してしまう。
「パーフェクト・センス」オフィシャルサイト │ 2012年1月7日(土)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

『コンテイジョン』の記憶も鮮明な中でのパンデミックもの。ただしこちらはパンデミックそのものは舞台装置でしかないけれど、原因不明で広まる恐怖という意味では同種のインパクト。しかも内容が恐ろしいのよ。五感が少しずつ損なわれていくというね。嗅覚なしでもまだ生活は守られる。しかし味覚が失われたらどうなる? そして聴覚もなくなってしまうのか? まさかその先も…。という恐ろしさ。徐々に徐々に何も分らないまま進行し、なす術なくあっさりと追いつめられる人類。でもそういう社会的、全体的な枠組みが焦点ではない。

その中で人々、個人はどんな風に行動するのか。婚約者を亡くして以来、決まった恋人を作らなかったマイケル。ろくでもない男ばかりつかまされてきたスーザン。それぞれに孤独を持っていたふたりが奇妙なシチュエーションの中で出会い、特殊な状況ゆえに惹かれ合うラブストーリー。ラブ要素は限定的ではあるけど、描き方がうまいから自然。ユアン・マクレガーとエヴァ・グリーンの演技のよさも大いにあると言えるだろうな。ユアンはこういう良い男but孤独、影あり、という繊細な感じがよく似合う。

それにしても、この世界は希望があると思っていいんだろうか。映画はSFではあるけれど、人類にこの先どんな危機があるかはわからない。この映画と同じにはならないでも、こういう予期せぬ事態にならないとは言い切れない。五感か、なにか別の物を失ったときに、残された感覚を研ぎすませて生きていけるのか。世界は終わると絶望するのか、それとも人生は続くと希望をつなぐのか。後者を映画は示唆しておきながらも、しかし容赦なくシャットダウンされるラスト。うーん、難しいな。

新感覚というべきか。解釈の難しさは残るけど、観客を惹き付ける映画だったな。


by april_cinema | 2012-01-07 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)
2012年 01月 07日
感想_哀しき獣
またも弩級バイオレンス。『哀しき獣』1月7日公開。中国国境に暮らすグナムは、韓国へと出稼ぎにいった妻の帰りを待っていた。しかし妻のビザ取得のために負った借金の片に、韓国での殺人を請け負う。期間は2週間。ターゲット自宅の下見をしつつも妻の行方を探すグナム。いよいよタイムリミット前日、決行のため深夜に現場に向かうと別の不審者たちがターゲットを殺害していた。後に引くことも出来ずその犯人を殺したグナムは逃亡し、警察とブローカーとに追われながらも国へ帰るルートと妻の行方を探す。
映画『哀しき獣』公式サイト

『チェイサー』もとんでもなく強烈な映画だったよね。でもね、これもね、その上を行くんじゃないかというさらなる問題作。とにかく苛烈なバイオレンスなんだけど…、惹き付けられてしまった。やっばい雰囲気ムンムンのオープニングから始まって無駄がないけどしっかり描き込まれた映像世界にどっぷり。140分の長尺を感じさせない緊張感、展開、構成力はホンモノだわな。カーチェイスのスケールもずいぶんデカイな、と思ったらハリウッドが出資しててリメイクもすでに決定しているそうだ。だからかー! すげーぞー!

主演のハ・ジョンウがよすぎるんだよな! 『チェイサー』同様、優しそうというか害のなさそうな顔してるのに、不遇の男になりきり、しがないタクシー運転手からあれよあれよというまに殺人者へとなりきっている。決して悪ではないのに、運命に翻弄されただただ必死に現状を打破しようとする姿が強烈すぎるぜ。狂気ではないけどなにかが狂っている感じ、すごいな。日本だと大森南朋的なムードだけど、もっと上手い気がする。

とにかく中盤以降はバイオレンスにつぐバイオレンスでちょっと直視がしんどくなってくるのは『チェイサー』と一緒。にしてもラストのあれはなんだよー! まさか戻ってきたとでもいうのか? それはグナンへのあまりにも過酷過ぎる仕打ちじゃないっすか!? なんにしてもとんでもない映画だ。夜見ると眠れなくなるぜ!


by april_cinema | 2012-01-07 00:00 | Starter | Trackback | Comments(0)