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2012年 06月 30日
感想_少年は残酷な弓を射る
b0130850_15262682.gifすんげーコワ面白い! 『少年は残酷な弓を射る』6月30日公開。朽ち果てた一軒家にひとり住むエヴァ。彼女の家は、赤いペンキがぶちまけられていた。それは、彼女の息子が起こした事件のせい。エヴァの幸せな生活を破壊したのは、彼女が生んだ子供、ケヴィンだった。
映画『少年は残酷な弓を射る』公式サイト|主演:ティルダ・スウィントン

恐ろしい、恐ろしい、恐ろしい、だけど、超然面白い! これはすごい作品だな〜。まさか邦題通り、少年が残酷な弓を射るとは思わなかったぜ。『エレファント』の空気感と悲劇炸裂感を、母子の関係に載せて描き出した衝撃の一作! 『人間・失格』みたいな理解を超えた恐怖、ホラーのように神経が張りつめる恐怖、全部合わさってこんなの初めてだわ〜。

時制をシャッフルしながら、幸せだったエヴァ、恐怖に蝕まれ始めるエヴァ、そしてすべてが崩壊した後のエヴァを描き分ける。この明らかに重大な何かが壊れてしまったことを知りながら、崩壊までのカウントダウンをたどるのが、恐ろしいけど目を逸らせないという確かな演出力。ティルダ・スウィントンの演技力もそうだし、ケヴィンを演じたエズラ・ミラーのルックス、表情、何もかもが完璧にフィットしていたな、この世界観の中に。

しかしこのテーマの深遠さよ。ケヴィンは果たして何を思っていたのか。何を恨み、どうしてこんな悲劇を引き起こしたのか。母と息子は分り合えぬものなのか。事件を防ぐ手だてはあったのか。ただのサスペンスとして終わらせるわけにもいかないような深遠さ。小説の『マザーズ』を読んだ後だったから、余計に親子の関係性みたいなところについてまで考えてしまったよ。

いやほんとマジでヤバイ。音楽、映像、キャスト、演出、非の打ち所のない脅威の作品! 上半期最大のサプライズ!!
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by april_cinema | 2012-06-30 00:00 | MVP | Comments(0)
2012年 06月 30日
感想_ラム・ダイアリー
b0130850_15365525.gifジョニーはかっこいい。『ラム・ダイアリー』6月30日公開。1960年、プレルトリコへとやってきたジャーナリストのケンプ。地元新聞社に勤め出すが、日々仲間とラム酒をあおって酔っぱらう日々。そんな中で美しい女性シュノーと出会うが、彼女の婚約者であるサンダーソンの悪事に巻き込まれていく。
映画『ラム・ダイアリー』公式サイト

コミカルなヴァンパイアのジョニー・デップが気に入らなければ、こっちのクールめジョニーをどうぞって感じで、普通のジョニー・デップとして役を演じているのを久しぶりに観たような気がするよ。60年代の南米の雰囲気満点で、レトロかつ熱気が渦巻いてて、その中に収まるジョニーを観ているだけでもなかなか眼福な感じ。

でもストーリーはあんまり盛り上がらない。別世界の話だから感情移入するようなリアリティもないし、そもそもがはみ出しものジャーナリストのハンター・S・トンプソンの半自伝なわけで、現代人についていけるような話でもなく、かといってエンターテインメントとしてすごく見栄えがいいかっていうとそうでもなく。恋も事件もいまいち中途半端なんだよな。

新聞社仲間もキャラが立っているように見えて、意外と誰が誰だか忘れちゃったりするくらいの存在感。なんかよくわからないまま話が進んでいって、あれよあれよの間に終わっていったという感じで、あまり印象に残らなかったっす。せっかくのロケーション×ジョニー・デップが、あんまり活きてなかったような気がしちゃったな。もったいない!
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by april_cinema | 2012-06-30 00:00 | Starter | Comments(0)
2012年 06月 30日
感想_きっと ここが帰る場所
b0130850_15452865.gifクセがあるし、クセになる。『きっと ここが帰る場所』6月30日公開。かつての人気ロックスター、シャイアンは、あるとき表舞台から姿を消し、以来ダブリンで静かに妻と暮らしていた。そんな彼の元に、ニューヨークから父危篤の報せが届く。久々に降り立ったニューヨークで、彼は父の最期には間に合わなかったが、父が探していた男を探す旅に出ることにした。
映画『きっと ここが帰る場所』公式サイト

これはかなり変わったタイプの映画だったな〜。ワケアリなロックスターをショーン・ペンが超入り込んで熱演。いい歳してゴスロリファッション、変な声で話す姿はクレイジーそのもの。これをショーン・ペンがやり過ぎな感じの演技でやるもんだから、僕はなんとなく引いてしまいましたよ。いくらなんでもそれは過剰演技ではないかと。

でもそれが不思議なロードムービーを通して段々とそれでよく見えてくるのは、ショーン・ペンの力か、監督の力か。説明を挟まずに、ひたすら美しい景色と、クールな音楽、最小限の台詞で物語を織り成していく。簡単に何かを手に入れるわけでもないし、今更シャイアンが成長するというものでもない。でもその旅路の中で、なんだか観客もひとついいものに触れられるような気がするのだ。具体的にそれが何かと言われるとまた言葉にしにくいんだけどね…。

多分観るたびに印象の変わる映画。わかりやすい映画じゃない、本当にクセが強いけれど、それだけに味わい深さも相当なもの。すごくいい映画!とは言い難いけど、観終わった後に、もう一度観たいなって思ったことは確かです。
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by april_cinema | 2012-06-30 00:00 | Starter | Comments(0)
2012年 06月 30日
感想_プレイ—獲物—
b0130850_15592877.gifこれ半端なくオモロ! 『プレイ—獲物—』6月30日公開。銀行強盗犯として服役中のフランクは、出所まであと数ヶ月、愛する妻のためその日を待ちわびていた。同じ独房に入っていた穏やかな男モレルは、冤罪の訴えが認められ出所することに。彼を信用したフランクは、隠していた金のありかをモレルに託し、妻のもとへと向かわせる。それが悲劇の引き金を引くことになるとも知らずに。
「プレイー獲物ー」オフィシャルサイト

まったくノーマークだったけどとんでもなく面白い! ずば抜けた緊張感と映像の迫力、そして息をつかせぬ展開! 100分間を失踪するフランスから届いた全部のせアクションエンターテインメント! これは是非と多くの人に見てほしいよ(若干、血は流されるのでそれが苦手な人のぞく)。

素晴らしい演出だったと思う! 導入部分は、フランクの置かれている状況を少しずつ観客に知らせる。どうやら大金を隠しもっているらしい。良いヤツかどうかはわからないけれど妻と娘は愛しているようだ。そしてなんかすごく強いみたいだけど、敵もスゲー多い。同部屋のモレルは、変わり者だけど味方なのかな、と思いきやこいつがとんでもない食わせ物!とわかるのはもう少し後。と、このあたりの出し入れが絶妙なんですよ。その後も、モレルを追いかけてきた元憲兵に、フランクを追うことになる刑事たち、さらには連続殺人事件の被害者まで絡んでくるんだけど、そのあたりの扱いも最高にスマートです! 情報を喋りすぎず、最小限の映像と演出で理解を促してくれるんだよね。シナリオも秀逸!

そこにきてカメラとアクションもスゲーのね。ハリウッドでド派手なアクションは見慣れているはずなのに、それより規模は小さかろうはずなのに、逃亡劇の面白いこと! 車道逆走から電車へのダイブ、さらにそこから電車を止めたあとの大草原を悠然と歩く姿の格好いいことといったら! さらにさらに潜伏地点のおどろおどろしさ、次には南仏の事件とは無縁そうなのどかさと続いてラストは断崖絶壁ときましたよ。ここまできてもまだ簡単な予定調和では終わらせないというね。最後は息もできなくなるかと思ったけど、なんとか最後の最後に良心が見れてよかったわ。

全部のせか!ってくらい色々盛り込んであるのに、それを破綻なくおさめるとは恐れ入った。いやこれぞ超一級のプロのお仕事。目の覚める大興奮の代物ですぜ!
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by april_cinema | 2012-06-30 00:00 | MVP | Comments(0)
2012年 06月 30日
感想_アメイジング・スパイダーマン
b0130850_1623339.gif安心のリブート! 『アメイジング・スパイダーマン』6月30日公開。高校生のピーター・パーカーは、幼い頃に姿を消した父を探し、研究仲間であったコナーズ博士のもとを訪ねる。そこで遺伝子操作されたクモに噛まれたピーターは、不思議な能力が備わった。ウェブシューターによって蜘蛛の糸を操り、超人的な運動能力を手に入れるピーター。しかし、見逃した強盗犯によって育ての親である叔父のベンが殺され、激しい自己嫌悪に陥る。
アメイジング・スパイダーマン - オフィシャルサイト

ご存知スパイダーマンのリブート作品、面白かったな〜。あらためてスパイダーマン誕生の物語を、ばりばりの3Dで描き切って、アクションあり、ロマンスありの王道エンターテインメント。いやー楽しいっす。前3作と何が違うかというと、基本ラインは同じにしながら、敵を別のエピソードのものにしたり、メリージェーンが出て来なくてグウェイン・ステイシーとだけラブラブしたりという設定替え。それだけでも全然別の映画に見えるわな。技術もだいぶ進んでるしね〜。3Dにぴったりでしょ、スパイダーマン。これIMAXシアターで見たらヤバそうだなー。

ピーターを演じるのはアンドリュー・ガーフィールド。格好いいんだな〜、これが。実年齢はなにげにもうすぐ30歳だけど、まあ高校生でもなんとかアリ。孤高な感じのする佇まいとナイーブさの漂うルックスが弱さも抱えるヒーロー像によくお似合い。そしてヒロインになったエマ・ストーンも可愛いのぉ。どっちかっていうとオテンバなイメージのほうが強かったけど、パツキンのお嬢さんっぷりも似合ってたわ。

そして、変な褒め方だけど、とてもコミックっぽかったんだよね。バトルの常人離れしたスピード感とか、シリアスの中に差し込まれる絶妙なコメディとか(学校バトルでのヘッドフォン先生のとこ)、そういうのがとても良い意味でアニメっぽいのね。リアリティを損なうものではなく、エンターテインメントとしてのこの緩急のバランスは、監督がゲームとかデジタル世代のマーク・ウェブならではなんじゃないかと思ったしだい。いやこれは本当に良い意味でね。

テーマ性もあり、続編への布石もあり、で十二分に楽しめましたよ。来月はダークナイト、8月はアベンジャーズと、今年はハリウッドのコミック実写大作目白押しで楽しい〜!
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by april_cinema | 2012-06-30 00:00 | All-Star | Comments(0)
2012年 06月 30日
感想_クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち
b0130850_1644938.gifこれが官能美か。『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』公開。パリのヌードショー劇場、クレイジーホースの舞台裏に、フレデリック・ワイズマン監督が入り込む。1951年に生まれ、多くの人を魅了してきたクレイジーホース、その幻想的な美しさはいかにして生まれているのか。
映画『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』公式サイト

ヌードショーと聞いて、猥雑なエロエロを想像していたんだけど、全然そんなことなくって、おっぱい出まくりなんだけど、全然エレクトしなかったわ。官能と色欲って全然別ものなんですね。クレイジーホースのショーは、エロスが題材にあるものの、見せているのは女性の美しさ。もはやアートです。これっぽっちも卑猥さはなくて、たまたまベースの衣装がヌードってだけのショー。なんか女性のおっぱいって全然エッチなものじゃないんだな、って不思議な発見をしてしまいましたわ。

そんなショーの様子と舞台裏を見せてくれはするんだけど、オレとしてはもっとバックストーリーを知りたかったなー。芸術監督や衣装さんのミーティング風景なんかもちらちら出るんだけど、仕事に対する想いとかはあまり語られない。あくまで普段の風景をそのまま切り取るのみ。ダンサーたちの控え室にもカメラは入るけど、彼女達がどういう人間でどういう想いを抱えて踊っているのかには触れられない。なので、劇場のストーリーというのはいまいち立ち上がってこないのだ。うーん、できればボクは裏側の文脈を知りたかったというか、単純にそっちのほうが興味あるんだけどな。

というわけで、へーこういう場所があるんですね、っていう知識の足しにはなったけれど、観光客目線以上の深い知見が増えるってことはなさそう。ヌードという芸術、っていう視点はもらえたけどね。それにしちゃ134分はちと長いよなぁ。とりあえず、いつか現地でこの目で見てみたいものがひとつ増えました、ということで。
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by april_cinema | 2012-06-30 00:00 | Starter | Comments(0)
2012年 06月 23日
感想_ワン・デイ 23年のラブストーリー
b0130850_1412261.gifさすがに細切れ感が。『ワン・デイ 23年のラブストーリー』6月23日公開。7月15日、大学卒業式の日、かねてより憧れていたデクスターと言葉を交わしたエマ。ふたりは一夜を共にはしたものの事はいたしそこねたが、誰より気になる存在として意識する。近づいたり離れたり、さまざまな出会いと別れを繰り返しながら月日は流れ、ついにふたりが結ばれる日がきた。
映画『ワン・デイ 23年のラブストーリー』公式サイト │6月23日(土)全国ロードショー

23年にわたるラブストーリーを描いた本作。長い年月をまたぐ大恋愛を描いた映画はこれまでにもあったと思うけど、それはだいたい、ある時期の話、またある時期の話、とあるていどまとまった時代のいくつかを描くだけだった。ところが今作は、7月15日という1日だけを23年分描いたのである。1980年代の終わりから、2011年まで。1995年にはこんなことがあった。翌年にはふたりはこんなふうに変わっていた。そしてまた次の年には…、ってね。

おもしろい試みではあるんだろうけど、どうしても細切れになり過ぎていて、エピソードのひとつひとつが浅くなってしまったよ。パラパラ漫画状態。それぞれに仕事があって恋があって、近づいたりすれ違ったりするわけだけど、それに対する余韻とか考察みたいなのは描かれることなく進んでしまう。たまに振り返ることはあっても、あのときはああだったよね、っていう軽い感じだから、感情移入を誘う隙がなかったんだよな。アン・ハサウェイとジム・スタージェス、ふたりの服装や髪型、ひげとかの見た目が変わっていくのは盛りだくさんで楽しいんだけれども。

そして、実はストーリー自体もありきたりな恋愛もの。誰よりもお互いを理解していながら、タイミングを逃した感じでくっつかなくて、それぞれ他の恋人作っちゃったりして、だけど最終的には落ち着くべきところに落ち着くというね。なーんだ、やっぱりそうなるのね、という意外性のない感じも減点ポイントじゃなかろうか。描き方は新しかったけど、中身が特にないので、それ以上でも以下でもなし。ちょっともったいないっすね。オチもわりと読めちゃう感じだったしねー。

デクスターの娘のジャスミンちゃんがなんか凄く可愛かったことは備忘録として記して付け加えておくことにしよう。
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by april_cinema | 2012-06-23 00:00 | Starter | Comments(0)
2012年 06月 23日
感想_ブラック・ブレッド
b0130850_1574327.gifいやはや難しい世界だ。『ブラック・ブレッド』6月23日公開。1940年代のスペイン、森の中で殺された親子を見つけたアンドレウ。最後に残した「ピトルリウア」とは、子供たちの間で噂される怪物の名前だった。事件の容疑者になったのはアンドレウの父、ファリオル。父はしばらく身を隠すことに也、アンドレウは祖母の家に預けられるが、そこで思いもよらぬ世界を見ることになる。
映画「ブラック・ブレッド」6月23日(土)、銀座テアトルシネマ、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー

スペイン内戦後を描いた作品で、いやー重かったな。時代背景に対しての知識が乏しいこともあってなかなかうまく入り込めなくもあった(カタルーニャ語だからかスペイン人の名前、憶えづらいな)。話の筋は、アンドレウが子供の目線を通して大人たちの事情を少しずつ垣間みていくというもので、事情というか汚い部分を見ることで、段々とその瞳に影を宿し始めるような感じ。冒頭の殺人もそうだし、政治、貧困、不貞、などなど、できれば目を逸らしたいものたち。

それをサスペンス的に見せていくのだけど、最終的に事実が明らかになっても残るのはやりきれなさばかり。いかに大人たちの世界が腐っているかを見せられるのは、いい大人でもしんどいものがありました。もちろんそういう部分は子供たちには隠されている部分なんだけど、子供は子供なりにそれを感じ、吸収して大人になっていってしまうという、負のスパイラル。

タイトルは、当時貧しい人たちは黒パンというものを食べていたことから(富裕層は白パン)。内戦で疲弊した世界が貧困を生み、そして人々と子供たちを捩じ曲げていく。現代とは離れた世界とはいえ、空恐ろしいことだと思いました。いや、こういうの、今も絶対どこかにあるんだろうな。
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by april_cinema | 2012-06-23 00:00 | Starter | Comments(0)
2012年 06月 23日
感想_それでも、愛してる
b0130850_15153424.gifツラすぎる現実だろ。『それでも、愛してる』6月23日公開。幸せだった家庭は、夫ウォルターが鬱病を発症したことで終わりを告げた。子供たちへの影響を考え別居を決断した妻のメレディス。ウォルターは自殺を計るが失敗、その日からビーバの人形を左手にはめるようになる。彼は、ビーバーをはめる限り今まで通り、いやそれ以上の男となって帰ってきた。
映画『それでも、愛してる』公式サイト

テーマは鬱病と家族愛。とても扱いが難しい題材だと思います。この作品の中でもその苦しさが充満していて、簡単に答えも出せないし、遣る瀬なさばかりが募ってしまった。ウォルターがなぜ鬱になったのかは特に詳しく書かれない。おそらく書いても意味がないからだろう。仮にその原因らしきものを取り除いたとしても、それでウォルターが元通りになるわけではないだろうから。

家族はそれぞれに思い悩む。長男は、父のようにはなりたくないと思う。まだ幼い次男は、ビーバーと父を無邪気に慕う。妻は、どうやったら元に戻れるのかばかりを考える。そして本人は、コントロールできない自分の心に苦しむ。鬱の蝕むところ、こういう葛藤がどこにでもあるんだろう、きっと。

一度狂ってしまった歯車は最後まで元に戻らず、それどころかウォルターに悲劇をもたらしてしまう。しかしそれを受け入れて家族は前を向こうとする。一歩踏み出そうとする。僕は、これを見て何を受け取っていいかわからなかった。だって、彼らは決して改善されていないどころか、悪くなってしまっているように見えたから。きっとこの先もトラブルが起きるんじゃないかと思う。

でも、多分感じるべきところは、それでも家族は家族として歩いていくということかもしれない。それは、邦題にある通りで。たとえ鬱とう病気ではなかったとしても、どんな変化も受け入れて、手を取り合って進んでいくのが家族のあるべき姿なのかもしれないと、思ったのです。
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by april_cinema | 2012-06-23 00:00 | Starter | Comments(0)
2012年 06月 16日
感想_愛と誠
b0130850_14954100.gifおもしろいのは最初だけ。『愛と誠』6月16日公開。1972年、新宿で喧嘩を始めた男がいた。札付きのワルであるその太賀誠こそ、早乙女財閥の令嬢である愛が、白馬の王子と信じて疑わないその人。愛は、父の力で誠を少年院から出し、みずからが通うブルジョア高校に編入させる。誠はわけがわからないうえ、愛にかまわれるのが鬱陶しくて仕方ない。さらにすぐに問題を起こして退学になると、不良の巣窟である花園高校へと編入してしまう。そして愛もまた誠を追いかけていくが…。
映画『愛と誠』

ブッキー×武井咲ちゃん+三池監督=まさかの昭和歌謡ミュージカル!? まさかミュージカルだったとは!と序盤は衝撃の面白さ。『あの素晴らしい愛をもう一度』『空に太陽がある限り』など、懐かしの(というかテレビでしか知らないけど)ヒット曲がこんな形で再現されるなんて! しかも振り付けはパパイヤ鈴木。ミュージカル独特の唐突感がギャグとして昇華されて楽しいじゃんか! 最高に良かったのは市村正親さんですね。格好よすぎるし、スマイルが素敵すぎる! これはどんだけ面白くなるんだ〜!

と思えたのは最初だけ。あとは惰性で終わってしまったわ。もったいないのはせっかく楽しいミュージカル仕様が、ひとキャスト1曲だけで終わっちゃってるところ。しかもソロがほとんど。ブッキーと咲ちゃんのデュエットもないし、他のコラボもないもんだから、せっかくの最大級の武器を使わないという残念さ。安藤サクラとか、斉藤工くんとか、せっかく濃いキャラなんだからミュージカルあわせをもっともっと見たかったよ。

それがないとなると、あとはただの濃いめ学園ラブコメ ver.昭和ってだけ。ブッキーの秘密とか、裏番長とか、全然刺さりませんし、咲ちゃんの出番も意外と少ないし、なんか盛り上がらないまま尻つぼんで終わってしまった。もっとハイテンションで歌って踊ってほしかったなー。そんなもんだから、ギャグのテンションもだんだん年長者向けにしかならなくなってしまったよ。テンポも悪くなる一方で残念すぎ。

そうすると不思議と粗がいろいろ見えてきて、妻夫木君てやっぱりすごく上手なわけじゃないから、"剛"のキャラにハマんない。安藤サクラちゃんも雰囲気があるのはわかるけど、もっと上手な人はいそうな気がする(でもパンツ丸見え逆さ吊りは良かったなー)。そして大野いとちゃんは、妻夫木君とのホリプロバーターな気配がムンムンするし、一青窈がなぜか出演しているのも音楽を担った小林武史の強権発動にも見えてしまって興醒め(実際がどうかは知らないけど)。

最初のアニメーションとかゆるめテンションがちょうど良かったのになー。あと咲ちゃんて声にまで透明感があってたまりませんよね。なんか猛烈に惜しいことしている気がする1本。中島哲也がやってたら(という発想も安直だけど)歴史に残る1本になったかもしれない、なんて思いました。
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by april_cinema | 2012-06-16 00:00 | Starter | Comments(0)