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2015年 04月 25日
感想_Mommy/マミー
b0130850_1921453.gif恐るべきインスタ映画! 『Mommy/マミー』4月25日公開。ダイアンは、施設から出たばかりの息子スティーヴを連れ帰り、2人で新しい生活を始める。しかし、純粋すぎるスティーヴの暴走は止められなくなる。向かいに越してきた、彼女自身も問題を抱えるカレンを巻き込んで、3人の戦いの日々が始まる。愛ゆえに、平穏を求めるがゆえに、同じではいられない3人。ついに、ダイアンは決断する。つい最近認められたばかりの、障害を持った子供の養育を放棄する権利の行使を。
グザヴィエ・ドラン監督 映画『Mommy/マミー』4.25公開 オフィシャルサイト

新作が次々とセンセーションを起こす、カナダの新鋭グサヴィエ・ドラン。本作もカンヌで賞賛をもって迎えられ、審査員特別賞を若干25歳にして受賞したという一作。いやー、かなりエッジの効いた、それでいて力のある作品でした。絶対万人ウケじゃないだろうし、映画リテラシーが求めらる作品である。でもその一線を越えさせるだけのパワーがあることも確か。

ストーリーはかなり強烈。なんせスティーヴの暴走っぷりは半端じゃなく、母親にも、周りにも触るものみな噛みつきまくり。でも決して反抗や自分探しじゃなくて、母への愛情であり、いなくなってしまった父への飢えであり、自分自身でもコントロールできないんだよね。それを受け止め続けるタフな戦いを強いられる母ダイアンの葛藤もすさまじい。このバトル、直視するのがけっこうきついレベルだけど、でもなぜか目を離せなくもある。ここまで極端な経験を持つ人はあんまりいないだろうけど、そういうやさしい共感とかではなく、もっと強いパワーがあるんだなー。

それを、なんと1:1のスクエアな画面で見せるところがまたすごい。つまりこれ、インスタ画角。なんて現代的なコミュニケーションなんだろう。それはものすごくパーソナルな印象を与えるし、実際そこに写し出されるものに奥行きはあんまりなく、ひたすら人物にフォーカスする感じ。普段のヨコイチに慣れすぎてるから、正方形つーよりタテイチにも感じられるけど。で、そのスクエアな中に、きちんと作り込まれ計算されたショットが次々やってくる。シンメトリーあり、ロングショットあり、後ろ姿や、廊下やら、なんやかや。ウェスの『グランドブダペストホテル』も画角で時代を表していたけど、ドランのこのスタイルはそれを凌駕するセンスかもしれない! そして、一瞬の画角の解放が、「あったかもしれない未来」を映し出すそのワザにもヤラれました。あれはいいシークエンスだったなー!

ひと組の強烈な母と子(+隣人)を描きながら、普遍的な母子の関係性を見せるこのセンスよ。あらためて決してわかりやすい映画じゃないけれど、それゆえにサブカル好きにはたまらない、エポックメイキングな作品だったと思います。そしてあらためて、ドラン自身がイケメンすぎるわ。シーンから遅れたくなけれべ見逃しちゃならない1本です。
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by april_cinema | 2015-04-25 00:00 | All-Star | Comments(0)
2015年 04月 25日
感想_ラスト5イヤーズ
b0130850_1922326.gifよくある話では。『ラスト5イヤーズ』4月25日公開。出会ってすぐに惹かれあったジェイミーとキャシー。小説家を目指していたジェイミーはトントン拍子にその才能を認められ、瞬く間に売れっ子作家に。舞台女優を夢見るキャシーは、オーディションでも落選ばかり。お互いを支え合いながら結ばれ、幸せな結婚をしたふたりだったが、いつしか溝は深まっていた。2人の過ごした5年間を、ジェイミーは出会いから別れまで、キャシーは別れから出会いへと、双方の視点で描いたブロードウェイミュージカルの映画化!
映画「ラスト5イヤーズ」公式サイト 4月25日(土)全国順次公開

全編ミュージカルでした。僕はなにを勘違いしたか、余命5年の女性との愛の話かと思っていましたが、普通の出会いと別れの恋愛ものでした。それを歌い上げていることと、ふたつの視点を分け、さらに時間軸も順回しと逆回しに分けたというのが珍しいポイント。でも、普通にやったら、どこにでもある普通の恋愛ドラマだったかな。最初盛り上がって、ふたりに格差がついて、すれ違って、崩壊、って話としてはあまりにありふれてるよね。時制シャッフルって意味でも、夫婦の崩壊なら『ブルーバレンタイン』のほうがメッセージ性あったと思うし、『(500)日のサマー』のほうが恋のドキドキがあったし、『ラブストーリーズ』のほうが情緒が出てたよね。と、なんかいろんな過去作品と比べてしまいました。ごめんご。

たぶん、出会いから別れの変化は、よくわかるけど、点以上の共感性がなかったんだよな。できごととしては確かにシンクロ感あるけど、その心情に感情移入する接点が見出せなかったのです。ジェイミーは成功をつかみながらもキャシーの何を愛していたのか。キャシーが愛以上に求めたものはなんだったのか。確かにキャシーは中2病っぽいキャラだったし、ジェイミーも自己有能感強いタイプなんだろうけど、それ以上の心理の掘り下げがなかったからなー。

主演ふたりの実力はさすがだったけどね。アナ・ケンドリックってブロードウェイ出身なんですね。『マイレージ、マイライフ』のときはかわいいお嬢さんて感じだったけど、だいぶ大人の顔立ちになってきたね(その分、好みじゃなくなっちゃった)。歌えるキャラでこないだの『イントゥ・ザ・ウッズ』に『ピッチパーフェクト』とぐいぐい押してきてますねー。お相手のジョーダン君は、濃いめのお顔と歌唱力で、今後も出番いろいろありそうな感じがするけどどうなんでしょうか。

ということで、変化球の設定がさほど効果的にも感じられず、ごく普通のラブストーリーでしたよ、と。ライトな恋愛もの好きさん向けですかね。
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by april_cinema | 2015-04-25 00:00 | Starter | Comments(0)
2015年 04月 17日
感想_グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜
b0130850_1921257.gif勇気の物語。『グッド・ライ〜いちばん優しい嘘〜』4月17日公開。1983年、内戦に揺れるスーダンで、マメールは両親を殺される。兄のテオに率いられ兄弟たちと難民キャンプを目指すが、道中で兄は囚われの身に。13年後、難民キャンプで育ったマメールら4人はアメリカに引き取られる。キャンプとはギャップがありすぎる、すべてが見た事のない初めての世界で、彼らが歩んだ人生とは。
映画「グッド・ライ~いちばん優しい嘘~」公式サイト

実話をベースにしたハートフルな物語。いい話でした。まずはスーダンの内戦から始まり、30年前のできごとだけど、今も似たようなことが起きていると思うと胸が痛む。ここをしっかり描いているのはこの映画にとって大事なことだったように思うわ。そして舞台はアメリカへ。英語こそ話せるものの、あまりにも大きなカルチャーギャップを面白おかしく描き出す。ナイフやストローの使い方もわからない。ペットフードの存在や、賞味期限切れの食料を捨てることへの抵抗。その他さまざまな普通じゃないできごと。彼らの視点で語る都会の異常性みたいなものもあらためて少し感じてしまったり。

そんな世界において、マメールらが失わない部族の誇りがまぶしくて。あんなにひどい目にあいながらも、祖国を思い、兄弟を愛し、ともに暮らすことをなによりも大事にすること。内側に刻まれ、血に流れるルーツへの誇りを失わないこと。そのあまりにもピュアな生き様に、自分を省みるわ。周囲への感謝とか、恵まれているとは一応思っているけれど、祖先や神への感謝という気持ちは、ほとんど持ち合わせていないもんな。それをただ環境のせいにしてはいけないような気がする。

そして、クライマックスに訪れる「嘘」。伏線はとってつけた感じだったかもしれないけど、正しい嘘もあるということを、マメールの勇気が示す。真の勇気とはなんなのか。命をかけて兵士の前に出たテオ。そして時が流れ、テオの勇敢さに応えるマメール。その優しい嘘と勇気の裏側にあるのも、家族の絆であり、部族の誇りなんだろうな。

彼らの誇りが、キャリーはじめアメリカの人の心を動かすのもよくわかる。僕の心も、静かに温かく揺さぶられたもの。良作です。
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by april_cinema | 2015-04-17 00:00 | All-Star | Comments(0)
2015年 04月 17日
感想_セッション
b0130850_19225236.gif9分間のドラムマスター!!! 『セッション』4月17日公開。音楽名門校1年のドラム奏者、ニーマン。偉大な音楽家を夢見る彼に声をかけてきたのは、校内の評判も高い教師フレッチャー。しかしそれは地獄の始まりだった。フレッチャーの練習に参加したニーマンは、恐怖でクラスを支配するフレッチャーと、その異常なまでに緊張感を目の当たりにし、衝撃を受ける。差別用語まじりにバンドを罵倒し続けるフレッチャーに認められるべく、ニーマンは取り憑かれたようにドラムを叩き続ける。その先に待っていたのは、狂気の世界だった。
映画『セッション』公式サイト

アカデミー賞を騒がせ、鬼教師役のJKシモンズが助演男優賞を受賞。その中身は、強烈に魂を削り合い罵り合いぶつけ合う、ジャズ界のリトルスターウォーズ! 最初は音楽版スポ根くらいに見ていたけどとんでもない。完全にそこは戦場だったよ。フレッチャーが見ているのはただただ最高の高みで、そのためにはいかなる手段も辞さず、そして一切の妥協や甘えを許さない。今の時代、絶対に許されないほどの強烈すぎるやり方が半端じゃないぜ。でもニーマンもただの甘ちゃんじゃなく、真っ向からその勝負に挑み続けるからすごい。そして心を失くしていくのはまさに戦地帰りの兵士と同じ。もはや彼の生きる場所は戦場しかないという。。

シモンズの怪演は確かに半端じゃなかったよ。完全に鬼軍曹つーか、鬼神と化してました。ただでさえ顔が怖いうえになんかマッチョだったし、黒のピタTがハマりすぎ。動きのすべてに怒りのようなものがにじんでいて、指先からも視線からもそれをほとばしらせていたわ。でも、主演のマイルズ・テラー君だって負けちゃいなかったよ。ジョン・キューザックに似てると思いつつ、優男のようでありながら文字通り血を流しながら叩き続ける姿。フレッチャーと渡り合う目つき。ドラムは初心者だったそうだけど、よくここまで叩けたなー! もちろん音はあててるんだろうけど、鬼気迫る感じも、病的な感じも伝わったわ。学生らしい高揚感や、恋人への横柄な態度もすべてよかった。

それらを煽り続ける映像もお見事。冒頭から緊張感フルマックスで、ドラムソロ、バンドシーン、そしてフレッチャーの独壇場を、巧みなカット割りで魅せる魅せる。一秒もだれることないそのストーリーテリング能力すごいわ。監督、若干28歳とは恐れ入る。デイミアン・チャゼルの名前を覚えておこう。ついでにニーマンの彼女役のメリッサ・ブノワちゃんもかわいこちゃんだったから覚えておかないとな。

で、中盤以降の展開もぶっ飛びですが、それすらも軽々飛び越えちゃう驚愕のラスト。『4分間のピアニスト』を時間的にも内容的にも超えちまったスーパープレイ!!! 史上最高のドラムソロであり、セッションでした。頭ん中でドラムビートが鳴り止まないよ!!

異常なまでの緊張感、卓越した演技とシナリオ、そして高みに上るためならどこまでが許されるのか。倫理や道徳を超えた、神の領域を目指す人間の所業、今年ベスト級の完璧な作品でした!

<追記>
なにやら論争が起きてるってヤフートップに出てて、菊地成孔さんと町山さんのブログを読んで、おかしなことになってるなーと。でも菊地さんの意見はわりと納得のいく専門家の意見という気がしたわ。そしてこれを読んで、フレッチャーは確かにただのイカれたおっさんだったと気づいたわ。最後の騙し討ちとかひどい話だしね。町山さんのフォローはそれに比べるとちょっと弱かったなーと思いつつ、でもとりあえずすげー面白かったことだけは保証しますよ。今年必見の1本!
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by april_cinema | 2015-04-17 00:00 | MVP | Comments(0)
2015年 04月 17日
感想_ワイルド・スピード SKY MISSION
b0130850_11241980.gifマ・ジ・で・飛びまくり〜〜〜! 『ワイルド・スピード SKY MISSION』4月17日公開。ドミニクたちが倒したオーウェン・ショウの兄、デッカード・ショウが復讐に燃えて現れる。LAでホッブス警部が襲われ、東京ではハンが殺され、そして幸せな生活を送っていたブライアンの家は爆破されてしまう。ドミニクらは再び集結し、最強の敵ショウを倒す戦いへ。舞台はアゼルバイジャン、アブダビ、そして、LAヘ!
映画『ワイルド・スピード』 OFFICIAL SITE

前作を初めて見てハマったワイルドスピード! シリーズラストってことと、去年ポール・ウォーカーが亡くなってしまったこととあわせて、複雑な感情も持ちつつ、ぶっ飛んだカーアクション、楽しませてもらいましたよー!

今回はタイトルにあるとおり、空がキーワード。予告にも入ってた飛行機から車を落とすあれが、わりと早々に出てきてウケたわ。しかしパラシュート付きで車を落とすって、作戦としてむちゃくちゃすぎるだろう!という当たり前のツッコミは無用ですね。しかしこれどうやって撮ってるの? ほとんどCGなの? それにしてもかなり迫力あったけれど。からの、山道でのカーアクションはさすがの面白さ。ラムジー救出後の強引な飛び移りも笑えるし、あのトラック落ちるか落ちないかも笑えるほどすごかったし、ラムジー乗せて崖の下に飛び降りちゃうのもハチャメチャすぎるわ。しかもほぼ無傷!!!

しかしこれはまだ序盤戦。中盤のアブダビ戦がこれまたウケる!! ドム、再び飛ぶ! なんとアブダビタワーをぶち抜いてタワーからタワーへのダイブ! しかも2連発!! これまたどうなっちゃってんのーーーー! のメガ盛りですげー笑えたわ。笑えるほどに面白い! そしてわざわざ極限状態のときに現れるショウ! いかん、またいらないツッコミをしてしまったぜ。てかジェイソン・ステイサム、世界一のハゲだよな〜(もちろん絶大なリスペクトを込めて)。もっとシリアスな映画とかに起用されても面白いのではないでしょうか。マッチョすぎる? あ、あと、何回か出てきたけど、カメラをぐるんぐるん回転させる画作りは効果的だったなー。監督はジェームズ・ワンです。SAWみてないけど。

てことで、ラストの舞台はLA! シリーズ最後ってことでホームタウンに帰ってきたってことだよね。この2作しか観てないからわかんないけど、過去シリーズへの目配せもあるっぽいので(ラストライドの車とか多分そうだよね)、ファンにはきっとたまらないんだろう。意味わかんないといえば、ドムとショウの車で正面衝突対決ね。あれも多分過去に出てきてるんだろうなー。ラムジーはまたも飛び移りをするし、ブライアンもいつ死ぬんじゃないかってヒヤヒヤ。そしてドムは三たび飛んだ〜〜〜! 最後息してなかったはずなのに吹き替えしちゃうしねwww 忘れちゃいけないのは、ホッブスの北斗の拳オマージュなギプスかちわりね。めちゃくちゃ笑ったわ。つーことで、笑っちゃうほどのスーパーアクションをたっぷり堪能した2時間強。いやはやこんなに面白シリーズだったとはな〜。

ラストは、ドム率いる仲間あらためファミリー揃っての大団円。ラスト、「さよならも言わないのか」は泣けるなー。さよならも言わなかったのはポールだろ、と思うと涙が出るけど、でもいつか別々の道を行く時がきても、記憶の中で生き続けるってメッセージが感じ取れて胸熱ですわ。このシーンだけ、あ、ポールウォーカーと顔が違う気がすると思って、ボディダブルかな?と検索したら、ここもそうだし他にも何箇所か吹き替えだったみたいですね。ポールの弟さんとCGだそうで。

とにもかくにも、キャストのみなさんお疲れ様でした。楽しい作品でした。そしてポール・ウォーカーにも最大の感謝と敬意を。
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by april_cinema | 2015-04-17 00:00 | All-Star | Comments(0)
2015年 04月 11日
感想_カイト/KITE
b0130850_1921447.gifヒットガールになれないけれど。『カイト/KITE』4月11日公開。金融破綻の末に無法地帯と化した世界。両親を殺された少女サワは、復讐のために人身売買組織にみずから飛び込み、犯人たちを殺していく。ついに黒幕にたどりつくが、予想しなかった真実が明らかになり…。日本のアニメを原作にアメリカで映画化された逆輸入作品!
【公式サイト】映画『カイト/KITE』│4月11日(土)全国ロードショー

去年の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と同じ、日本アニメ原作パターン。こちらはビジュアルからも分かる通りカルトな匂いに惹かれて拝見。少女の復讐譚つーことで、なんとなく狙いは『キック・アス』のヒットガール方向だったのかなーという気がするけど、なかなかそこまではいけなかったかな。

主演のインディア・アイズリーたんは、クロエたんに通じるロリ顔美少女でいい感じ。赤髪、金髪、セクシー路線とコスしまくってるのはロリコンおじさん心をくすぐりつつ、エロ要素はあんまりないかな。そんな美少女が、銃をバンバン撃って、殺しまくるのだけど、ヒットガールほどの残虐さやアクションの激しさはないので、それと比べると見劣りしちゃうんだよね。

ストーリーにも深みはそれほどなく、世界観はよくあるデストピア、サミュエルLジャクソンのポジションも予想どおりだし、オブリ君とのからみも少ないし、特になにもないまま一本調子で進んでしまいましたね。もうちょっとサワの内面に入り込むような何かがあったりするとよかったのかなーと思うけど。

ま、90分だし、そもそもカルトムービーだし、サクっと美少女を拝む映画ということでいいんじゃないかと思います。 原作アニメもちらっと拝見しましたが、エロはほんのちょっとでした。内容は映画とだいたい一緒だった感じなので、忠実な映画化だったようで。
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by april_cinema | 2015-04-11 00:00 | 6th-man | Comments(0)
2015年 04月 11日
感想_マジック・イン・ムーンライト
b0130850_19204346.gifウディの恋の魔法! 『マジック・イン・ムーンライト』4月11日公開。マジシャンとして名声を集めるスタンリーは、手品仲間で幼馴染のハワードから相談を持ちかけられる。それは、ハワードの友人である大富豪御曹司が、謎の女霊能師ソフィの予言に翻弄されて困っているというもの。非科学的なものを一切信じない現実主義者のスタンリーは、占いの謎を暴くために南仏へと出向くが、ソフィの交霊会に疑う余地はなかった。スタンリーは混乱するものの、ソフィの能力を信じるしかなく、そして…。
映画『マジック・イン・ムーンライト』公式サイト

コントみたいなロマンチックコメディ! ウディ作品、合わないものも多いので期待しすぎないようにしてたけど、楽しめましたー! コリン・ファース、ウディの分身みたいで笑えるわ。とにかく口をつくのは皮肉に侮辱、自分を天才と言ってはばからず、周りのものを全員見下すその態度がハマりすぎ。名優だからなんでも上手なのは当たり前だけど、面倒なインテリ役がここまでハマるとはね。さすがは英国王!

でもって、エマ・ストーン、超かわいいぜ! 1920年代というクラシックスタイルでもイケちゃうこのエキゾチックフィスに、全ギャルが憧れそうなデカ目に、おっさん心をくすぐるハスキーボイス。『バードマン』のスレた現代っ子も、こちらの怪しい占い師も、キュートすぎるぜ。次のウディ作品もエマが主演だそうで。ウディ・アレンよ、次々と美人女優とばかり仕事して羨ましいぜ!

てことで、お話はほんとライト。騙し騙されの展開を、南仏のグッドロケーション&美しいクラシカルな衣装に、軽快な台詞回しで味付けしてできあがり。だけど、どんな現実主義者にも恋や幻ってのは必要だし、信じられないできごとってのはこの世にたくさんあるっていう、重すぎないメッセージも感じられてよかったわ。悲観して終わりじゃつまらないものね。いつまでも恋に恋して、それもまたひとつの幸せってものですよね。

愉快なセリフ、バカバカしいお話、そしてハッピーエンド。ウディにしちゃ珍しくみんなが楽しめる1本だと思います。わーい!(なんとなく浮かれてみた)
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by april_cinema | 2015-04-11 00:00 | All-Star | Comments(0)
2015年 04月 10日
感想_バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
b0130850_19202169.gif『インターステラー』級の2度見映画。『バードマン あるいわ(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』4月10日公開。かつてヒーロー映画『バードマン』の主演俳優として一世を風靡したリーガンだったが、今は落ちぶれ、結婚生活も破綻。再起をかけて、レイモンド・カーヴァーの『愛について語るときに、我々の語ること』を自ら脚色、演出、主演を務めブロードウェイの舞台に立とうとする。しかし、娘のサムからの信頼は得られず、俳優のマイクには脅され、リーガンの頭の中では、バードマンの幻想が責め立ててくる。お前の望みは果たせたのか? お前の人生はこんなものなのか? 今年度アカデミー賞作品賞&監督賞&脚本賞&撮影賞、受賞作!
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』公式サイト

超絶期待を持って拝見したアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ最新作にしてアカデミー賞作品! 感想は、げ、ついていけなかった! です、率直に言うと。ついていけなかったのは、映画力高過ぎるから。いろいろ予習復習した知識を含めて、確かにすごいとは思ったからもう一度見させてほしいわー。

とりあえず、さんざん出尽くしてるけど、ポイントとなる要素をまとめます。主人公はかつてバードマンというヒーロー役を演じた。主演のマイケル・キートン自身、かつてバットマンを演じていて役柄と実人生がリンクしてる。撮影が、全編ワンカットの長回しと思わせる一度も途切れないスタイル。実際は長回しとCGのつなぎでそう見せているだけどこれは確かに神業。セリフに実際の役者名とかばんばん出てきてハリウッドの裏舞台っぽい感じ。キャストのエドワード・ノートン、エマ・ストーンもヒーロー映画出演経験あり、芽が出ない女優役のナオミ・ワッツは自身の人生とダブる要素あり。あとはSNSと現実における承認欲求についてとか。それから音楽か。ドラムだけで感情を刺戟するスーパークールな感じ。

あたりの予備知識を持っておいたほうが楽しめると思うんだけれど、つまりこのあたりのリアルとフィクション、リアルとバーチャルの間を巧みに行ったり来たりする超マジックリアリズム映画なんですよね(南米で盛んなスタイル。イニャリトゥはメキシコ出身)。映像の中でも、鏡やガラスの写り込みってのを効果的に使っていて、細かい意図まで汲み取りきれなかったけど多分それもメタファーだと思われ。すべてを俯瞰するメタ視点的なところもあるし、入れ子構造とパラレルワールドが複雑に交差している感じが、なんか『インターステラー』的な多次元世界。イニャリトゥお得意の群像劇でもあるのでもう完全に360度型の映画ですわ。

簡単に言っちゃえば落ちぶれた元ヒーローの再生ってことなんだけど、けっこうダークな描かれ方なの。笑いも挟んでいるからとことん落とすわけでもないけど、役に飲み込まれて現実と妄想の境目がなくなっていく感じは『ブラックスワン』に通じてけっこう引いちゃうレベル。たぶん役者さんとか映画人からすると他人事じゃないんだろうね。万人がハマる映画じゃないと思うのは、そういう内輪ウケ感もあるから。ただ、誰もが何かの役を演じているし、その演じている役が本当の自分なのか、偽りの自分なのかわからなくなっていくという意味では普遍性もあるかもしれない。そして、リーガンよろしく「俺はこんなもんじゃない」っていう思いは、すべての人が抱えていく思いだろうし、特におっさんになればなるほど強くなるだろうし、それを客観したときの滑稽さもまた誰にでもあてはまるヒューマニズムとも言えそう。ある種のもの哀しさを伴うけどね。バードマンのように飛びたい、けど現実には人間は飛べない。その葛藤を描きます。一度飛んでしまうと戻れない哀しさも。

でまあ、最後のオチは結局どこからどこまでが現実だったのか、っていう話で、もう最初から夢オチな気もすれば、やはり舞台に銃声が響いたところでジ・エンドという気もするし、最後の最後はサムちゃんの夢というような気もするけど救急車のサイレンが鳴ってたからやっぱり落ちちゃったのかなという気もするしで、ここは議論されているみたい。オープニングが臭いの話で、エンディングも臭いの話ってのもなんかいわくありげだし、包帯ぐるぐるまきのリーガンはバードマンそのものだし、そもそもタイトルの「バードマンあるいは」っつーのも、バードマンorユー、みたいな気がするし、オープニングの「望みは果たせたか、YES I DIDみたいなのってリーガンの最期のセリフって気もしてくるしな。

と、知れば知るほどグルグルと回り続ける映画でした。とにかくすべてが緻密に計算されている感じは半端じゃなくて、そうなるとやっぱもう一回観たいわ。けっこう会話劇なので単調といえば単調なんだけどね。パンツ一丁でタイムズスクエア闊歩とかは笑えるんだけど。

<2015/05/24追記>
イタリア行きの飛行機の中で、字幕なし英語で鑑賞。細かいセリフはもちろんついてけないけど、意外に初見と似たような感想を抱いたなー。でもちゃんと日本語でもう一度観たひ。

<2015/11/23追記>
iTunesレンタル鑑賞してみたけど、大きな印象は変わらなかったな。すごくよくできていて面白いけど、虚々実々な映画スキルこそが最大の面白さで、その中身は捕らえどころないままだったな。一言で言うと、「いつだっておかしいほど誰もが誰か愛し愛されたいと思って生きるのさ」、って感じ。すごい作品だけど、この映画が人生のベスト10に入る!っていう人はあんまりいなそう。なんとなく。
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by april_cinema | 2015-04-10 00:00 | Starter | Comments(0)
2015年 04月 04日
感想_パレードへようこそ
b0130850_19195942.gif偏見を乗り越えよ! 『パレードへようこそ』4月4日公開。1984年、サッチャー首相は炭坑閉鎖案を取り合え、炭鉱夫たちはこれに反抗してストライキを起こす。それを見たマークは、権力と戦う炭鉱夫は、マイノリティで社会の片隅に追いやられている自分たちゲイの仲間だと直感し、彼らのサポートを決意。まずは寄付を募ることに。ゲイ、レズの仲間と組織されたサポートグループはその寄付を届けようと炭坑組合に連絡を取るが、ゲイのグループであることを言うだけで門前払い。ようやく寄付を受け入れてもらえたのは、ウェールズの小さな炭坑の町だったが、そこでも偏見にさらされることになり…。
映画「パレードへようこそ」オフィシャルウェブサイト

実話ベースのお話だそうで、気持ちよく最後まで見られる映画でした。差別と偏見にさらされていた80年代のゲイやレズビアンたちと、時代の変化の中で苦境に立たされていた炭鉱夫たち。全然違うクラスタが、全然違う目的を持ちながらも、互いを理解し合う様子が爽やかに描かれております。今でこそLGBTへの理解が進んでいるように感じるけど、ほんの30年前まではこんなにも露骨な偏見があったのですな。かくいう僕も、LGBTの題材が映画でさんざん取り上げられているから知ったような気になったいるけど、どのくらい現実的に理解しているかといわれると自信ないところもあるかな。特に差別を持つ気はないけれども、女装する男性や男装する女性のことは奇異の目で見ちゃうんだろうな。

さて、展開自体はわりと予想通りというか、炭坑の町でも仲間になってくれる人と、受け入れてくれない人とにわかれ、すったもんだの末に徐々にわかり合っていくというパターン。この手の話の映画、わりと続いている気がするので、そこまで目新しさがないのはもったいないけど、ビル・ナイとか、イメルダ・スタウントンとか、ジョージ・マッケイとか、イギリスの名優たちが集まっていい感じに仕上げてます。80'sなビジュアルや音楽もナイスで、見どころのひとつ。

あらためて、世界ってのは多様性に満ちていて、性的趣向も、育った環境も、ひとつで括るのは土台無理な話で、どれだけ自分と違う立場やものの考え方に対してオープンでいられるかってことだよな。それを拒んだときに、今のイスラム国のような争いも生まれてしまうのだろうし、寛容性の考え方ってほんと難しいわ。受け入れるものを間違えるとまた争いになったり、無秩序が生まれたりもするわけで。なるべくニュートラルな自分でいたいものだな、と思います。
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by april_cinema | 2015-04-04 00:00 | Starter | Comments(0)