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2015年 06月 27日
感想_天の茶助
b0130850_13465370.gifどたばたコメディ。『天の茶助』6月27日公開。すべての人間の運命は、天界の脚本家によって描かれている。あるとき、茶助のひとことで、人間界の美少女ユリが命を落とすことに。ユリに密かに惹かれていた茶助は、彼女を助けるため下界に降りる。天界で作られたシナリオを変えるべく茶助の冒険が始まる!
映画「天の茶助」公式サイト

沖縄が舞台の、スラップスティックといっていいのかな、なんともドタバタコメディ。天使さまこと茶助な松ケンが走ってゲロはいて血を流してがんばってましたー! 定められたシナリオに抗う主人公という設定は今までにもあった気がするけど、天使とヤクザ、リアルとファンタジーを織り交ぜて、沖縄を舞台にしたというチャンプルーさが楽しいといえば楽しい。

松ケン見るのなんか久しぶりだったけど、相変わらず何やっても上手だよねー。ヒロインは大野いとちゃん。ホリプロバーターですかね、って感じだけど少し大人のお顔になられてまして。伊勢谷くんはボクサー崩れという、明日のジョー活かしのキャスティングで、大杉さんがダメおじさん、寺島さんが安定のヤクザと、まあ適材適所なキャスティングです。極め付けは玉城ティナが超絶かわいすぎね。土佐弁とか萌えすぎるだろうと。これのためだけに観てもいいかもしれないかわいさです。いや本当にかわいいよ。

てことで、シナリオはもうなんかヒッチャカメッチャカなので、あんまりついていけませんでした。結局なにがなんだかわからないけど、定められた運命を変えるのは強い思いなんだ、という着地で、その通りだよね、と。僕も、すべての物事は運命によって決定されていると思っているのですが、だけどそれを証明する方法はないから、自分自身最善と思う方へと向かっていくのみなのです。右手を出したいから出す。食べたいものを食べる。決定された運命だとしても、それは本当は自分の意思じゃないとしても、そんなのは別にどうだっていいのだ。僕が生きたい方に生きるのみ。それでいいじゃない。

思ったより沖縄ロケーションが前に出てなかったのはちょっと残念かも。まあ気楽に楽しむエンタメってことでよろしくどうぞ。
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by april_cinema | 2015-06-27 00:00 | 6th-man
2015年 06月 27日
感想_アリスのままで
b0130850_1355040.gif世界の一部であり続けたいということ。『アリスのままで』6月27日公開。言語学者として名声を博し、愛する夫、3人の子供達に恵まれるアリス。幸福な50歳の誕生日を迎えたが、ここのところ単語が抜け落ちるような感覚がある。ランニング中になじみのキャンパスで迷子になった。診察を受けると、若年性アルツハイマーと診断される。少しずつ、でも確実に、失われ始めるすべてのこと。アリスと、家族の物語。
映画「アリスのままで STILL ALICE」公式サイト

主演のジュリアン・ムーアがついにオスカーをとったことで知られる本作。それも納得の演技でした。華やかに美しい母であり教授であったところから、すっぴんで自分の名前さえも言えなくなっていくまで、短期間での変化を、そして心の葛藤を、過剰になることなく演じるのはさすがの一言。取り乱すのは最初だけ、すぐにみずからを受け入れる知性の高さと、それゆえに損なわれていくものの大きさも、家族のショックも丁寧に描き出しています。

これ、監督自身もALSに冒されながらも撮影をしたそうで、自身の体験、感情が込められているのだそう。自分が自分でなくなっていく感覚、でもそれに屈することなく最期まで自分であり続けたいと願う気持ち、どちらも痛いほど伝わってきて、目が離せませんでした。監督は、つい先日お亡くなりになったそうで、でも最期の仕事でこれだけの作品を残したのだから、もう本当に素晴らしいとしか言いようがないですね。不思議な現実とのリンクです。こういうのを、奇跡っていうんだろうな。

さて。テーマとしては、決して目新しいものではないと思うけど、それでも心をとらえるのは、アリスが世界とつながっていたいという気持ちがよくわかるからだろう。彼女は最初、ガンと違って恥ずかしい、という。単純な質問に答えられないこと。同じことを何度も聞いてしまうこと。ひいてはそれすら自覚できていないこと。周りの怪訝な様子を見てはじめて、自分の異変に気付く恐ろしさを、この映画では端的ながら効果的に伝えてきます。でも、変に病状の変化とか家族のショックとかには重点を置いてないんだよね。あくまで、アリスがアリスであろうと戦う姿にフォーカスしているからこそ響くものがあるんだろう。

ハイライトはやはり彼女のスピーチ。病に冒されながらも、彼女自身の誇りを持って、そして機知をもって、言葉を紡ぎ、蛍光ペンで線を引きながら放った言葉は、確実に心をとらえる。私はどんどん忘れる。もっとも大切な記憶さえも。それでも私は世界の一部でありたいと願う。もっとも怖いことは、失っていくこと以上に、世界の誰からも相手にされなくなることなんだろう。僕は、リディアが言うような個人的感情を交えずに話そうとするアリスが失敗をするんじゃないかと思ったけどそうじゃなかった。あくまで彼女のファイティングポーズを、最期まで戦う意思と、その気高さを伝えたかったんだね。僕が変に上から目線で見ていたんだと思って恥ずかしくなりました。

あと、テクノロジーを大事にするのは、監督自身の体験なんだろうな。テクノロジーは確実に私たちの助けになっていること。これは忘れないほうがいいと思う。五体満足だと気付けないことかもしれない。
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by april_cinema | 2015-06-27 00:00 | All-Star
2015年 06月 19日
感想_グローリー -明日への行進-
b0130850_13122462.gif勉強になるね。『グローリー -明日への行進-』6月19日公開。ノーベル平和賞を受賞したキング牧師。しかし、公民権運動の高まりの中、まだまだ黒人差別は根強く、1965年アラバマ州セルマで血の日曜日事件が起こる。警官隊の黒人への暴力は周知の事実となり、キング牧師はその不正を世に訴えるべく、セルマから州都モンゴメリーまでのデモ行進を決行。事件を知る人々によってその人数は2万5000人にも膨れ上がり、ついには大統領までも動かすことになる。
映画「グローリー -明日への行進-」公式サイト

キング牧師に公民権運動。名前は知っていれど、その中身をよくわかっていない僕にはとても勉強になる作品でした。アカデミー賞もにぎわせ、アメリカの批評家には激賞されたという本作、とても真面目な作りで、エンタメ性は高くないけれど、正しくキング牧師という人物と、歴史の一部を知る重要な一本な気がします。てか、キング牧師って名前はたくさん出てくるけど、牧師そのものを描いた作品てあるのかな? 重要すぎてアンタッチャブルなのかな。と思いました。

ぼくには馴染みのなかった血の日曜日事件だけど、選挙権を持ちながら、黒人の登録を拒み続ける南部地域の差別が発端。非暴力の平和的デモに対して、警官隊が暴力によって弾圧、死者も出るほど残忍で恐ろしいシーンでした。実際にニュース映像が当時出回ったらしいけど、これは本当にひどすぎる。人間のこの差別意識ってなんなんだろう。僕にそれがないかって言われると、確かにあるんだよな。あいつは頭が悪いとか、デブだとか、おもしろくないとか、そういうの。意識の中だけど、そういう醜い部分が確かにある。これは他人事じゃないと言い聞かせたい。

クライマックスは、最後の行進と、牧師のスピーチ。主演のデビッド・オイェロウォは何年もかけてこの役に賭けてきたそうで、その役作りが感じられる力感あるスピーチでした。もちろん内容も素晴らしいし、話しぶりとか見た目含めて、かなり似せてきてるんじゃないかなーって思いました。実際のところを知らないんだけど。

牧師は今もこうして生きているということ。正しいものは、正しい形で受け継がれていくということ。こういう作品があるということが、世界の美しさであり希望だよなって思います。
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by april_cinema | 2015-06-19 00:00 | All-Star
2015年 06月 13日
感想_海街diary
b0130850_135580.gif物語はつづいてく。『海街diary』6月13日公開。鎌倉の古い家に暮らす3姉妹の元に、家を捨てた父の訃報が入る。複雑な想いを抱えながら葬儀のため山形に向かった3人が出会ったのは、父が残した腹違いの妹、すず。すずの実母もすでに亡くなっていたため、3人はすずに、鎌倉で暮らさないかと誘う。4姉妹になった彼女たちの物語。
映画『海街diary』公式サイト | 6.13(土)全国公開

原作が好きすぎて、それを是枝さんが撮ると聞いて相当に期待していた作品。あー、なんか感想が難しいのだけど、原作以上でも以下でもなくて、原作そのものだったような気がする。マンガを読まずに観たらどう思うんだろう。ちょっとうまく想像ができないや。そのくらい是枝さんが原作世界を大事にしていたとも言えるし、そもそも描きたいことが近かったのかもしれない。強いて言えばちょっと展開に性急さを感じたような気はするけれど。

4姉妹のキャストがとにもかくにも豪華すぎてね。しっかり長女は綾瀬はるか。彼女が両親を赦し、自分自身にもけじめをつける姿がストーリーの軸になってます。綾瀬はるか、天然イメージだけどこういうしっかりキャラもいいんだね。奔放次女は長澤まさみ。サービスショットもありつつ、健康的な感じがいいね。三女に夏帆たん。アフロにはならなかったけど、よくよく原作見返したら登場シーンはお団子だったからこれはこれでいいのか。でもアフロも見たかったぜ。そして4女には奇跡の役名かぶりの広瀬すず。広瀬アリスの妹ってことも初めて知ったし、声が少女の甘いかわいい系だったことに驚きつつ、でもかわいかったわ。やたらサッカー上手かったけど、あれって本人やってんの?

4姉妹は、リアルに仲よさそうで、特に年の離れるすずちゃんが、3姉妹にことさら可愛がられている感じが伝わってきたなーーー! 確かにあんなかわいくてよくできた妹ができたら嬉しいかもしれない。だけど僕は再確認。夏帆たんの顔がいちばん好きだぜ!

鎌倉の風景は実写によってさらに威力を増し、四季の美しさも見事。そして堤真一、樹木希林、大竹しのぶ、加瀬亮、リリー・フランキーなどなど、サポートキャストが全員主役級という贅沢さは、是枝組ならではですね。贅沢すぎておつゆでそうだわ。

さて。あらためてこの物語は、出会いと別れ、命とお金を描いていることがわかりました。父を亡くし、すずと出会う。食堂のおばちゃんを亡くし、山猫亭のおっちゃんと出会う。人は必ず死に、時は確実に流れる中で、だけど残るもの、守られるもの、新たに得るものがある。それは記憶だし、味だし、変わらない四季だし、柱の傷だし。ずっと前から繰り返されて、これから先もずっと繰り返されるだろうこと。その当たり前の美しさに、見入ってしまうんだよな。

原作も終わっていないけれど、そういう意味を超えて、4姉妹の物語はつづいていく。その希望をほのかに感じさせてくれる映画です。当然ながら描けてないエピソードもたくさんあるし、続編もやってほしいなー。
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by april_cinema | 2015-06-13 00:00 | All-Star
2015年 06月 13日
感想_ハイネケン誘拐の代償
b0130850_1352842.gifなんかが足りん。『ハイネケン誘拐の代償』6月13日公開。1983年アムステルダム。妻の妊娠を知ったコルは、人生を変えなくてはと考えていた。仲間たちと共同経営していた会社は不況で倒産、銀行からの融資も断られた彼らが考えたのは、なんと巨大企業ハイネケンの経営者、フレディ・ハイネケンの誘拐だった。綿密なリサーチと作戦により、その誘拐はみごとに成功する。しかし…。
6.13 公開 映画『ハイネケン誘拐の代償』公式サイト

実話ベースですって! あのハイネケンにそんなことがあったとはつゆ知らず。興味津々だったのですが、なんかこう、意外とシュッとしなかったな。いや、おもしろいのですよ。若者5人の素人犯罪なのにけっこううまくいっちゃうのね。しかも誘拐のための資金ほしさで、まず銀行強盗する、っていう無茶苦茶な展開がまずウケる。ボートを駆使して逃げ切るあたりもアムスらしさ出てるし。さらに、ハイネケン監禁用の部屋をセルフビルドで作っちゃったり、用意周到なのか、バカなのか、よくわからないけど、実際にこれが成功してるんだから、なかなかスマートってことだよね。

がしかーし、そのまま身代金ゲットとはいかないのです。ハイネケンは不敵で、とらわれの身でありながらあれこれ要求して翻弄してくる。身代金は要求すれどもリアクションがなくて焦る。いざ身代金が出てきてもそれをどう奪い、そしてそこからどう逃げ切るのかで紛糾。最後には仲間割れして、いよいよ御用となってくるわけですが。

誘拐のメソッドよりも、この舞台裏の仲間割れに焦点が当てられているのがこの映画のユニークなところ。エンタメとして以上に、人間関係のおもしろさ、難しさ、もろさを表現してるんですね。しなきゃいいのに奥さんに電話しちゃったり、どうしても仲間うちで意見が合わなかったり。はたから見てるとなにやってんだよ!みたいなところもあるけど、もともと冷徹な犯罪人間じゃない彼らはそんなにシビアにはなりきれないという。

こうして書いてみるとなかなか見所も多い気がするんだけど、全体的に低体温でトーンが暗かったのが、なんか物足りなくさせた原因かな。もしくはもう少しこの心理面の掘り下げに、親近感を覚えられるとよかったのかな。まあでもどちらにしても衝撃の実話で、楽しめるとは思いますけれど。
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by april_cinema | 2015-06-13 00:00 | Starter
2015年 06月 06日
感想_奇跡のひと マリーとマルグリット
b0130850_1330349.gif愛は伝わるものね。『奇跡のひと マリーとマルグリット』6月6日公開。聴覚障害を持つ子供たちの学校ラルネイ聖母学院に、ひとりの少女がやってくる。髪はボサボサ、体は傷だらけ、裸足で駆け回る彼女はマリー。聴力だけでなく、視力も失っていた。修道女のマルグリットはそんな彼女の魂に打たれ、マリーの教育係を買って出る。しかしそれはとてつもない困難の道だった。
映画『奇跡のひと マリーとマルグリット』公式サイト

19世紀末の実話だそう。視力も聴力も持たず教育も受けられなかった野生児を相手に、マルグリットの献身的で粘り強い努力が最後には実るというお話。それはもう奇跡としか言いようがなくて。いったい何をどうしたら、マリーに言葉を理解させ、手話を覚えさせることができるのか。でも、マルグリットはそれをやってのけたのである。描かれるのは断片でも、その途方もなさを十分理解させる奮闘ぶり。どうやっても制御できなそうだったマリーにいったいどうやって!? 頭で考えると「無理」の一言で終わっちゃうけど、諦めなければ奇跡は起きるんだな。

マリーが沈黙と闇の中で出口を求めもがいていたのを、その魂のメッセージをキャッチしたマルグリット。彼女自身もまた不治の病を抱えていたからなのだろうか。マルグリットの魂もまた、病気や運命という檻からの解放を願っていたからこその出会いと奇跡だったのかもな。そしてふたりの出会いこそが、マルグリットに死を受け入れさせ、マリーは別れを理解し、ふたりは旅立つことになる。考えれば考えるほどこれ、崇高なできごとだな。信心とかまるでない僕だけど、学ぶべきことは多い気がするわ。

マリーの世界を広げたのはマルグリット、そしてその世界を形作ったのが「言葉」。これはナイフ。これはりんご。目でも耳でも知覚できない彼女が、手触りと手話を通して覚えていった言葉。言葉は彼女の中でどんな世界を作り上げたのだろう。それはもう想像すらできないけれど、確かに彼女の世界を、人生を、変えた。野獣のごときマリーは消え去り、秩序をもったひとりの女性が生まれた。言葉によって彼女は世界を理解し、自分を知ったんだから。

僕たちはみんな言葉で思考をする。思い、考え、伝え、黙る。すべて言葉の中で生きている。それを奪われたらまったくの無力なんだろうな。ってことまでは描いてなかったけど、そういうことだと思います。伝記ものとして得るもののある一作でした。
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by april_cinema | 2015-06-06 00:00 | Starter
2015年 06月 05日
感想_ハンガー・ゲーム:FINAL レジスタンス
b0130850_1343959.gif前ふり止まり。『ハンガー・ゲーム:FINAL レジスタンス』6月5日公開。記念大会だったハンガー・ゲームから危機一髪で救出されたカットニス。彼女が収容されたのは、第13地区と呼ばれる場所で、そこはスノー大統領が支配する世界を倒そうとするレジスタンスの拠点となっていた。自身の故郷である第12地区も破壊されたことを知ったカットニスは、革命のシンボルとなることを決意。しかし、姑息な大統領は、人質となったピーターを利用してくる。はたして彼らの運命は?
映画『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』オフィシャルサイト 6月5日(金)全国ロードショー

前作見てないとさっぱり意味のわからない始まり方で、見てたけど忘れてたのでちょっと唐突さを感じつつ、でしたわ。PSHてもうすでに反大統領側だったっけ?とか、ジュリアン・ムーアって前からもう出てたんだっけ?とかピーターって最後どうなったんだっけ?とかあやふやなところは抱えつつも、まあ、スノーvsカットニスってことでいいんだろうけどね。

で、話は進んでるような進んでないような、前フリ止まりでしたね、という最終章前後編ものにありがちな感じ。各キャラクターの掘り下げがなされるわけでもなく、だらだらとみんなが顔出ししていく感じだったし、後編に期待が高まるという展開でもなくて、なんだかなー。ピーターは洗脳されたのか、なんなのか。てか結局この作品の世界観もよくわからないままだよね。独裁と民衆ってことなんだろうけど、生活レベルもいまいちわからないし反乱を起こす理由もはっきりしない気がしてきたので、特にカットニスに肩入れできず。ハンガーゲームってなんだったんだよ、ってことになってきちゃったわ。金持ちの道楽でしかなかったのかなー。

すっぴんのジェニファーローレンスはやっぱり特に魅力感じないなーと思いつつ、魅力的なキャラがいないのも萌えないポイントだなと。でも、PSHの遺作である以上最後まで見ますよ。後編は11月ね!
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by april_cinema | 2015-06-05 00:00 | 6th-man