タグ:フード/アニマル ( 58 ) タグの人気記事

2015年 02月 28日
感想_シェフ 三ツ星フードトラック始めました
b0130850_1114848.gif真性、おなか減ります。『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』2月28日公開。とあるグルメブロガーの辛口批評に激怒した人気レストランのシェフ、キャスパー。使い方もよくわからないまま、彼のツイートに放送禁止用語でリプライをしてしまったもんだから、そのトラブルは大炎上! おまけにオーナーと喧嘩して、職も名声も失ってどん底に。見かねた元妻の提案で、ひとり息子のパーシーとマイアミを訪れたカールは、そこで食べたキューバサンドに感動。一念発起しフードトラックでキューバサンドを作ることにする。
#映画シェフ 三ツ星フードトラック始めました

『アイアンマン』の監督のジョン・ファヴローが、その巨体を揺らしながら主演、監督、脚本、製作と4役を務めた話題作。いやこれがサイコー気持ちいい楽しい映画でした~。お話は単純で、ネットで炎上、失職、屋台を始めて大当たり&息子と距離を縮める(だけじゃなくて、最後にサプライズなオマケつき)、って話です。単純明快、誰にでもわかりやすくて、これを気楽に見せてくれるのがいいんだよねー。『リトルミスサンシャイン』的ロードムービー要素もありつつだけど、あそこまであったかい感じでもないし、かといってくだらないだけでもないし、その力のヌケ加減が絶妙なのです。

ツイッターをフックにする今っぽい感じもお見事で、むりくりテクノロジーを取り入れるんじゃなく、かなり必然性とリアリティのある使われ方。純粋にコンテンポラリーな物語として受け止められる。炎上自体が笑えるネタだしし、そこからの再生も頷けるし、息子パーシーがガジェットとアプリ活用しまくるのもすごくリアルに素敵に描いているー。ヴァインとか、1秒動画とか、アプリ使ったことないけど使いたくなるしー。アナログもデジタルも使い方次第っつーお手本ですね。どっちにも変に肩入れしないこういうの好感もてるわ。

とかなんとか言いましたが、最強のツールは料理なわけですよ! シェフ時代のキュイジーヌ料理も、息子のためのグリルドサンドも、スカーレットのため(今作のエロスもすごかった!)のパスタも、屋台でふるまうサンドたちも、その素材から調理から仕上がりから、もう美味そうすぎて死にそう。見ながら、今夜は何を食べにいくべきか、半端な料理じゃ許されないぞって気分になりましたもの。いやー喰いたいあのキューバサンドも何もかも全部!

音楽も素敵、ニューオーリンズ(行きてーーー)はじめ街の様子も素敵、明るく笑えてテンションあがって、デートに見るにも親子で見るにもひとりで見るにも満足度高そう! ぜひディナーの前の極上アペリティフとしてどうぞ。すべてがうまくいきます!
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by april_cinema | 2015-02-28 00:00 | All-Star
2014年 09月 27日
感想_聖者たちの食卓
b0130850_14255621.gif驚くべき光景! 『聖者たちの食卓』9月27日公開。インド北西部の都市アムリトサル。この地にあるハリマンディル・サーヒブはシク教の総本山。そしてここでは、毎日無料で食事が提供されている。シク教の、宗教、階級その他いかなるものも関係なくすべての人間は平等である、という教えを体現するもの。その驚くべき様子をカメラがとらえる。
映画『聖者たちの食卓』

いやいやいや驚くべき光景の連続だったなー。冒頭のインドの風景から、そして無料食堂の一部始終まで、そのすべてがどこを切り取ってもエキゾチックのてんこもりで美しかったわー。どでかい鍋に、無数の食器、そして大量の食材が運ばれ支度が始まる。野菜を切り、カレーを煮込み、ナンをこね、焼き、という行程がすごいスピードとボリュームで行われていく。やがてどこからともなく大量の人々が集まってくる。靴を脱ぎ、足を洗い院内へ。皿、カップ、スプーンが配られ、席に布が敷かれ、座るとすぐに食料の支給が始まる。本当に流れるように進んで行く一連の作業からまったく目が離せない。ナレーションも一切ないというのに!

『めぐり逢わせのお弁当』もそうだったけど、インドってこういう人海戦術システム作りに優れてるのか?? あれに匹敵する脅威の流れ作業だったなー。しかも機械化されてなくて全部手仕事なうえ、そのすべてが無料奉仕だそうで、何から何まで桁違い。もう500年だか、この無料食堂は続けられてるんだって。毎日10万食も。なんて尊いのだ。観る限り欧米人とかはいなかったけど、旅行者もOKで本当に誰でも入れるらしいから、場違い感は半端じゃないだろうけど行ってみたいな…。

いやー本当にすごかったな。物語なんて一切ないのに自然に立ち上るストーリー。ドキュメンタリーの力を感じる1本でした。監督はベルギーのシェフ夫妻だって。食に携わる人間として感動したというのもよくわかるわ。団らんや、奉仕の精神など、いろんな美しさを教えてくれる1本でした。
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by april_cinema | 2014-09-27 00:00 | All-Star
2012年 12月 22日
感想_シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜
b0130850_22214347.gif料理は愛情ってね。『シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』12月22日公開。パリ有数の三ツ星レストランのベテランシェフ、ラガルドは悩んでいた。ここのところかつてのように新メニューが思い浮かばず、オーナーからはその料理は古いと評され、星をひとつでも失ったらクビだと宣告される。そんなとき、天才的な料理センスを持ちながらもトラブルばかり起こしているジャッキーと出会う。彼を即座にアシスタントしてスカウトするが…。
映画『シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』公式サイト

ジャン・レノがベテラン頑固シェフって似合い過ぎ〜!って感じのフードエンターテインメント。わかりやすいストーリー。頑固シェフと能天気な若者というバディムービーは目新しさもなんにもないけど、まあ楽しくバタバタして美味しそうな料理を眺めて終了、という感じのライトな映画。娯楽作品ではあるけど、星付きレストランの裏側ってのは確かにこんなもんかもね〜。

『エル・ブリ』つーレストランもあったけどこの作品ではあのやり方を皮肉りつつ、料理は科学でも計算でもなくって愛情なんだ!と日本人が喜びそうな価値観でぶった切り、その愛情をもってジャッキーは恋人を振り向かせ、ラガルドは娘の信頼を取り戻すというこれまたできすぎたお話。素人が協力したり、トラブルの並び方もギャグのセンスもドタバタとしてまして、まあ安心感あるっちゃあるかねぇ。

特に深い感動もなければ、腹を抱えて笑うということもないけど、テレビドラマみたいな作りで楽しくポン。クリスマス映画ってことで楽しく美味しくいただきましょう!
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by april_cinema | 2012-12-22 00:00 | Starter
2012年 10月 20日
感想_ペンギン夫婦の作りかた
b0130850_1973251.gifおなかがすく良い話。『ペンギン夫婦の作りかた』10月20日公開。旅行で訪れた石垣島に魅せられた、歩美と国際結婚した旦那のふたり。楽天的な性格も手伝ってすぐに移住を決めることに。島の豊かさと、人々の温かさに包まれて幸せな生活を始める。そして、あるきっかけで、島の食材を使ってラー油を作り、市場で売りに出してみるが、これがさっぱり売れず。。旦那の帰化申請のゆくえとあわせて、ふたりの未来ははてさてどうなる?
映画『ペンギン夫婦の作りかた』公式サイト 10月20日(土)全国ユナイテッド・シネマ 新宿武蔵野館 ヒューマントラストシネマ渋谷 ほかにて公開

自分、知らなかったんすけど、石垣島ラー油ってものすごい有名な幻の商品なんですってね。そして、今ではすっかり当たり前になった食べるラー油の走りなんですってね。もちろん食べたことないどころか、この映画観るまで知らなかったわー。無知ですんません。作ってる辺銀食堂については名前を聞いたことがあったけれども。で、そんな有名なふたりの、石垣島ラー油が生まれるまでをメインストーリーにしつつ、全体で夫婦愛を描いて行く作品です。

歩美は、ポジティブシンキングを地でいく女性で、演じる小池栄子のルックスにぴったり。誰とでも仲良くなって、常に前向き、島の人ともすぐに仲良くなっちゃうのもよくわかる。お相手の旦那さまも、やさしくて妻を立てつつ、その穏やかさでこれまた誰にでも好かれちゃう。石垣島のロケーションと、仲良し夫婦の画を見ているだけでほっこり癒されますわ。そこに食べ物ショットもちょいちょい挟まれて、なんというか特に否定するところもないですな。

鉄板の良い話な分、盛り上がりにはちょっと欠けるかもしれないけど、これはのんびり島時間を味わえればOKでしょう。後からだけど、石垣島ラー油のこと、辺銀夫妻のこと、いろいろ知ったら、本当に素敵な夫婦であることがわかりました。そして小池栄子が辺銀愛理さんとぴったりリンクしていたのは素敵だったな〜。石垣島ラー油、食べてみたいなぁ!(全然手に入らないらしいね)
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by april_cinema | 2012-10-20 00:00 | Starter
2012年 05月 12日
感想_レンタネコ
b0130850_929667.gifいつかいなくなってしまうとしても。『レンタネコ』5月12日公開。サヨコは昔ながらの一軒家に暮らしている。たくさんの猫たちと一緒に。彼女はその猫たちを連れて河川敷を歩く。「レンタ〜ネコ。淋しい人に、猫、貸します」。心に小さな穴ぼこを抱えた人たちが、サヨコから猫を借り、その穴ぼこを埋めていく。そしてサヨコは、中学時代の同級生"嘘つきハッタリの"吉沢と出会う。
レンタネコ

荻上監督らしい、ファンタジックなんだけどリアリティも感じる実に絶妙なバランスで展開するシュールな物語。まずは可愛らしくて柔らかな印象が先に立つ。n猫のかわいさと、その猫を貸し出すという設定のとっつきやすさも踏まえて、すごく見やすい映画だと思うな。だけど、『東京オアシス』とか『マザーウォーター』みたく観念的過ぎない。ファンタジーではあるけど、ちゃんと地に足がついているし、メッセージもしっかりしているのがいい。

猫を借りに来る4人は、わりと普通の人たちで、誰もが似たような淋しさを抱えている。息子が近寄らなくなってしまったおばあちゃん。妻や娘から疎まれるサラリーマン。毎日似たような繰り返しのOL。そして、吉沢。彼らに猫を貸すことで、その淋しさは静かに埋まり、そしてそれによってサヨコもまた穴ぼこを埋めてもらっているようだ。猫を貸すかどうかというのはきっかけに過ぎないのかもしれない。結局その穴を埋めているのは猫じゃなくてコミュニケーションの交換なんじゃないかと思う。生身の、実体を伴ったふれあい、やりとり。謎のサヨコの隣人の存在(おもしろすぎるよ!)も、そう告げているようにも思う。

次会えるのはいつになるかわからない。知らない間にいなくなってしまうかもしれない。それがこの世界のルールであって、だからこそ、人は淋しくなる。それは避けようがないことだから、せめて淋しくならないように、触れ合っていこうよ。そんなことをそっと言われているような気がしました。サヨコが、ふと感じた「置いてけぼりにされるかと思った」瞬間。何とも言えない余韻が残ったシーンで、すごく気になります。あの感じこそが、現代に潜んでいる落とし穴かもね。あまりにも速過ぎる現代社会。その中で取り残されてしまわないように、誰かの手をつなごうよ。猫の手も、借りながら。
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by april_cinema | 2012-05-12 00:00 | All-Star
2012年 03月 17日
感想_長ぐつをはいたネコ
b0130850_9223485.gifよくできてます! 『長ぐつをはいたネコ』3月17日公開。プスは魔法のマメを持つ大男のもとに盗みに入るが、思わぬ邪魔が入る。邪魔者を追いかけた先で再会したのは、ハンプティ・ダンプティだった。捨て猫として拾われたプスと、ハンプティ・ダンプティには、忘れられない因縁があった。『シュレック』で大人気のあの猫に秘められた過去とは!
映画『長ぐつをはいたネコ』オフィシャルサイト

特に期待はしてなかったんだけど、普通に楽しい春休み映画〜。大人も子供もきっと高いレベルで満足できるんじゃないかな〜。ネコ科だからかもしんないけど、『Mr.FOX』をちょっと思い出したよ。特にプスとキティのコラボレーションの動きと、リズム、コミカルな感じがね。もちろんストップアニメーションじゃなくて全開のCGかつ3Dだったりはするんだけどね。「ジャックと豆の木」をはじめ、いくつかの童話がパロディ的にミックスされるのはこのシリーズお得意の展開。

さて、全体は、軽快なつかみから始まって過去にさかのぼり、それを踏まえたうえでハンプティと一緒に冒険に繰り出し、クライマックスへとつながっていくと。見事なまでに起承転結、それがキレイに収まっていて、尺も90分とコンパクト。休む間も退屈する間もなくって丁度良かったよ。お子さんでも飽きずに見られるレベルに仕上がってたんじゃないかな〜。プスはもう『シュレック』どおりだし(竹中さんの吹き替えもね!)、ハンプティの何とも言えない憎たらしさと(そして勝俣さんが声だったとはまったくわからなかった)、キティのナイスなヒロインぷりにも惚れたね。周辺キャラもよかった〜。

楽しい以上には特になんにもないけど、だからこそ気楽に見られる1本。3月は大小の良作が多いけど、その中にネコちゃんも加えておいて損はないと思いますぜ。
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by april_cinema | 2012-03-17 00:00 | All-Star
2012年 03月 17日
感想_種まく旅人〜みのりの茶〜
b0130850_943083.gif教科書なみの安定感。『種まく旅人〜みのりの茶〜』3月17日公開。デザイン事務所を辞めたみのりは、祖父の住む大分へ。茶畑で働く祖父は、亡き妻の思いをかなえるため、数年前から有機栽培を始めていて、いよいよ今年初めての収穫を迎えるところだった。しかし祖父は病に倒れ入院してしまい、行きがかりからみのりが手伝うことに。市役所の木村、そして謎の男・大宮の力を借りながら、慣れない畑仕事に出るみのりだったが…。
種まく旅人〜みのりの茶〜

社会か道徳かわかんないけど教科書を読んでいるかのような、とてもまっとうな地方交流物語。実に単純なストーリーで、素朴ないい話で、時々現れるこの手の邦画ってなんなんだろう。でもこういうご当地もの、なんか悪くないんだよね。だいたいが風光明媚な地方の姿が見られるし、観光と結びつけることもできそうだから、もっといろいろ作ってみてもいいのかも。予算次第なんだろうけどね。俳優さんの地元愛に訴えかけるとかでなんとかなんないのだろうか。

この映画も大分の茶畑の美しい風景がたっぷり見られてよかったわ。大分とお茶って全然結びつかなかったけど、有機栽培、過疎化、地方行政、女性の自分探しといった現代的テーマもほどほど織り込みつつ、家族の絆という超ベタなファクターもプラスされて、否定のしようがないくらいのど真ん中ストレート美談。お茶作りについては知らない世界が垣間見れて、『夏子の酒』とでもいうんですかね。実際の有機栽培の苦労はこんなもんじゃないんだろうけどね。

なっちゃん田中麗奈は役に会ってたと思うし、陣内さんは老けないというかこういうシリアスとコメディの中間ポジションは鉄板。吉沢くんも相変わらずこの手の位置が似合うよな〜。あと柄本さん本当に上手すぎるよ。

誰がこの映画を見るのかよくわかんないけど、地味によい話。あまりにまっとうすぎて面白みには欠けるけど、観光促進には一役買えるんじゃないかなー。そうでもないか?
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by april_cinema | 2012-03-17 00:00 | Starter
2012年 01月 28日
感想_しあわせのパン
b0130850_11234623.gifなんとも既視感あるな。『しあわせのパン』1月28日公開。北海道月浦の湖のほとりにある一軒のパンとコーヒーのお店「マーニ」。水縞くんがパンを焼き、そしてりえさんがコーヒーを入れたり美味しい料理を作ったり。愉快な常連さんとともに穏やかな日々が流れている。季節ごとにやってくるお客さんは、それぞれ違った事情を抱えながらも、やきたてのパンをほおばって、それぞれの中のしあわせを見つけていく。春がすぎ、夏と秋がきて、冬も終わる頃、水縞くんとりえさんにも、しあわせがやってくる。
映画『しあわせのパン』公式サイト

ふんわりやさしい映画でした。が、なんか難しいよねーこういうのは。一軒の素敵なパンカフェと、そこにやってくる人たちの交流を通して、しあわせの形を考える。とこう書くといい雰囲気だし、実際に言っていることも悪くはないんだ。焼きたてのパンを手で割って、誰かとわけあって食べる。手を強調する描き方はぬくもりがあって良かったし、それが、幸せを見つめ直すことや、その幸せを分け合うことを象徴しているんだよね。シェアするという発想は今っぽくもあるし。だけど、それをリアリティをもって観客に伝えるのって本当に難しい。

つまりリアルとファンタジーの間をどうやって埋めるのか。マーニってある種のファンタジーだと思うの。美人の奥さんと気のいいご主人が、大自然の中でのんびりとパンカフェを営む。物語のハブとしてファンタジーに徹してくれればよかったのかもしれないけど、なんか中途半端にりえさんの背景がぼんやりとだけ語られ、最後のオマケ的プレゼントは読めちゃううえに急に現実的幸福を出すのもヌルく感じる。さらに客としてやってくる人物たちのリアリティが足りない。それぞれが抱えてるものが弱いし、どうしてここに辿り着いたのかもあんまり必然性ないし、感情移入させるには全般かなり物足りなかったなー。淡々とした描写も手伝って退屈したところも大いにあった。

さらに言うと、こういう雰囲気もの、すでにけっこう観てきた気がするんだよね。『食堂かたつむり』『東京オアシス』『スープ・オペラ』とかとか、それぞれテーマは違うけど共通する点があるよね。なんだか邦画ばっかりだな。こういうプチファンタジーに必要なのは、圧倒的なリアリティ。木皿泉がそういうのは抜群にうまいよな。ああいうの、観たいんだよな。

ほかほかパンは間違いなく美味しそうだったけどね。キャストはまあまあのところを揃えてるんだけど、森カンナ×平岡君は悪いけど大根だと思ったよ。
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by april_cinema | 2012-01-28 00:00 | Starter
2011年 12月 10日
感想_エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン
b0130850_119355.gifこれはクリエイティブの話だね。『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』12月10日公開。スペインの世界一予約が取れないと言われるレストラン「エル・ブリ」。わずか45席を求めて年間200万人が予約を希望するというその名店が、今年完全閉店を宣言した。このお店、営業は半年間だけで残りの6ヶ月はメニュー開発に当てる。その最後のメニュー開発にカメラが入った。
映画『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』公式サイト

エル・ブリの名前も知らないゼロ星な僕ですが、そういうの関係無しに楽しめるというか食い入ってしまった2時間弱。さしたるメッセージ性があるわけではない、シンプルなドキュメンタリーではあるんだけど、素材がとにかく強いから変に趣向を凝らす必要がなかったのかもしれない。とにかく惹き付けられました。

カリスマシェフのフェラン・アドリアが目を光らせる中、チーフとなるオリオールとエドゥアルドを中心にしたメニュー開発が続く。それはなんというか僕らが新メニュー作りでイメージするような感性やひらめきの世界ではなく、あくまで緻密で膨大なリサーチから生み出されてるんだよね。素材を1つひとつ吟味し、掛け合わせの分量もあらゆるパターンを試し、そのレシピを写真とともにアーカイブ化。天恵だけからできたメニューなんてひとつもないんじゃないだろうか? その様子は、科学の研究というほうが似合う。フェランはみずから手を動かすことはほとんどせず、ひたすら指示を与え試食をしてジャッジに徹している。こういうスタイルもまたリーダーの姿なんだろうな。勉強になるぜ。

「創造とは日々の積み重ねだ」。このフェランのひとことがこの映画のすべてであり、おそらくフェランの料理、すなわちエル・ブリが世界一だった秘密なんだろう。それはとりもなおさず"セレンディピティ"である。必然を積み重ねた上での偶然の出会いが、類いまれなる一品のメニューを生み出し、そしてその集積がひとりあたり30品を越えるコースメニューとなって完成されるんだろうな。そのためには確かに半年もの間、店を閉めでもしないと常に新しいものはできないわな。

そんなプロセスを経て完成する料理はアートというか工芸品。肉汁ぶわぁ!とか、湯気もーもー!みたいなシズルは全然ないので、美味そう超食いてー!!とはならんけど、でも果たしてこの品々がどんな代物なのか試してみたいという知的好奇心はむちゃくちゃわくよ。うーんクリエイティブっつーのはそういうことだね。

お腹すくよりモノ作りしたくなるような、いろんな面で楽しめる映画でした。
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by april_cinema | 2011-12-10 00:00 | All-Star
2011年 03月 19日
感想_ファンタスティック Mr.FOX
b0130850_2223691.jpgいやもうたまらんでしょ〜! 『ファンタスティック Mr.FOX』3月19日公開。泥棒家業から足を洗い、Mrs.FOXと息子のアッシュと穴ぐら暮らしのMr.FOX。でも、木の上の一軒家物件を見たら昔の血が騒いできちゃって…。フクロネズミのカイリを連れて向かったのは、デブ、チビ、ヤセの醜悪人間ボギス、バンス、ビーンの館。まんまと盗みは成功するが、怒った3人はMr.FOXの家を破壊しにやってきた!!!
映画『ファンタスティック Mr.FOX』公式サイト

大好きウェス・アンダーソンの最新作が、よ〜やく日本公開!(いやーDVDスルーかと思ってかなり気を揉んだよ) 実は去年の4月にインフライト鑑賞してたんだけど、やっぱりスクリーンで観たかったかんネ★ 超〜〜面白かった~。完璧ウェス印。大人げゼロのMr.FOXが周りを振り回しながら大活躍~。シャレオツでエスプリで、ポップでクールでキュート。もうたまらんのですよ。鑑賞中ずーっとニヤニヤ時々アハハ。

原作は名作児童小説だそうで(『チャリチョコ』と同じ作者)、それをなんとストップモーションアニメで表現。これがもうカワイイのなんの! コマ数が多いのはもちろん、衣装も人形も風景も凝りに凝りまくってて本当に楽しい。毛並もいいし、目玉もかわいいし、ウェス作品おなじみの帽子は今回は泥棒仕様でこれまた愛くるしすぎるー。ゆっくり動いてたのがワシャシャシャシャーって早くなったり、食べ散らかしたりのディテールとか、カイリの目ん玉グルグルとか、楽しくて楽しくて。おまけにカメラワークが実写さながらにリアルなわけ。アップあり、ロングショットあり、だもんだから俄然エモーショナル!

ウェスの何がいいって、しゃれっ気たっぷりの遊び心満点なくせして、その中にちゃーんとメッセージがあるところ。ここでは、社会の中で埋没しがちな野生をテーマにしております。そして変わらずに家族も中心にある。不完全で大人になりきれないMr.FOXで、周りにいろいろと迷惑かけちゃってはいるものの、でもどうやったって憎めないのは自分に素直にまっすぐに生きているから。そして観客として好きになってしまうのも、やっぱり奔放に生きるその姿に憧れちゃうから。人間、正直に生きるしかないよね。そしてたとえダメなところがあっても受け入れられるのが家族ってやつだぜ。ほかにも、息子のアッシュはダメで変わり者でチビだけど、人と違ってたって全然いいってことを教えてくれる。でも、それを道徳然と説教くさくせずに、あくまで喜劇の中に落とし込むのがサスガなのよねー。はあ、思い返してまた笑顔。ほこほこ。

『ダージリン急行』のヴィトンのバッグも超絶クールだったけど、今回はなんかA.P.C.とコラボグッズを発売。まだ売ってるかなー。日本だけみたいだけど、これ買わないとー! ウェス、ジャン・トイトゥと友達らしいです(ほんとかな?)。

とにかく絶対オススメ! 多分2011年の五指に入る傑作ですよ!!

【2011/03/29追記】
コラボTシャツとタンブラーを購入。タンブラーは完全にインテリアとして鑑賞目的。コンコン。
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by april_cinema | 2011-03-19 00:00 | MVP