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2009年 01月 31日
感想_キャラメル
感想_キャラメル_b0130850_9382076.jpgがんばれレバノンガーーールズ。『キャラメル』1月31日公開。そこはレバノンのとあるサロン。ヘアカット、エステ、ネイルなどを目的に女性たちが訪れる場所。オーナーのラヤールは妻子ある男からの連絡を待ち、スタッフのニスリンは婚約者に秘密を抱える。シャンプー係のリマは、謎の黒髪美女に惹かれ始め、常連のジャマルは年齢に抗うようにオーディションを受け続ける。そして向かいの洋裁店、ローズは問題を抱える姉に頭を痛めていた。
「キャラメル」映画公式サイト

レバノンと言われてもすぐにイメージわかないなー(どちらかというと『サウンドトラック』のレバノンが頭に浮かぶ)。実際にこの国では、女性にはいろいろなタブーがあるらしい。不倫なんてもってのほかで、未婚者のホテル宿泊も基本的には認められてなかったり。ほかにも劇中にはちらりほらりとそんなタブーや独特の女性観が浮き上がる。んだけど、描きたいのはそういう環境であっても世界共通な女性たちの感情。恋人を待つ気持ちや、新しい出会いへのときめき、老いて行くことへのコンプレックスなどなど、ひとつひとつは小さなことだけど、それをさりげなく抜き出すプチ群像劇。

独特の街並と相まって、なんだか見心地のいい映像が続く。そこにあるのは内戦などの暗い影ではない、中東の湿度ある明るい雰囲気。好きよ、この感じ。でキャラメルとは、脱毛で使う砂糖などを熱して作ったもの。これ、ガムテて脱毛するように痛そうでしたけど、そこにビタースイートなイメージを重ね合わせたんでしょーね。痛みを伴うけど、その先にゴールがあるというメタファー。そう、彼女たちの生活は甘いだけではないという。

まあ最終的に何がどうという明確なオチのある話でもないんで、男性が見ると、え、これで終わり?的なところは否めず、レバノンガールズ・ゴーイング・オンてな感じ。でもそれでいいと思います。政治的な匂いはほとんどしないので、気軽に見ましょーや。

by april_cinema | 2009-01-31 00:00 | Starter


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