2009年 02月 28日
あまりにも想いが溢れすぎ! 『オーストラリア』2月28日公開。第二次世界大戦前夜のオーストラリア、英国の貴婦人サラは、夫が何者かに殺されたことを知る。夫が遺した財産を守るため、牛1500頭を連れ2000kmにわたる過酷な旅に出ることを決めたサラは、粗野で嫌悪していた牛追いのドローヴァーと手を組む。経験したことのない出来事の中で、サラはドローヴァーに惹かれ始め、さらにアボリジニーと白人のハーフである子を我が子のように愛するようになる。 映画「オーストラリア」公式サイト いやー赤土の大地がもんのすごい壮大なんですわ。ダズ・ラーマン監督ほかオーストラリアンのスタッフ&キャストが想いを込めまくって作った160分オーバーの超大作エピックロマンてことで、確かにその映像やらなんやらは圧巻。去年オーストラリアのアデレードに行ったとき、地球の大きさと力強さを感じるなぁと思ったものだけど、それに輪をかけてスケールが大きく、ワイルドでたくましくて、そして美しい大地。崖あり、砂漠あり、すごい所だよね、改めて。 そんな中の物語ですが…、うーん、あんま浸れなかった! というか、監督の想いの強さってのはすんごいわかるんだけど、完全に前のめりが過ぎてまさ。アレも入れたいコッチも言いたいソレ外せないでしょで、あらゆるものを詰め込んだら収拾つかなかったというか、風呂敷広げすぎっつーか、とっちらかっちゃって観客に届かなかったというか、そんな感じ。まず、サラとドローヴァーのラブストーリーがあって、サラ自身の人生の変化があって、土台になってるのはオーストラリアという神秘の土地と、1930年代という時代性&戦争。加えて、"stolen generation"という社会問題と、アボリジニーの"walk about"という風習および彼らを尊重する意思、などなど箇条書きにしたってこのてんこもり具合。あ、アボリジニの少年に対するサラの母性なんてのもあったっけ。さすがにこれをひとつには融合しきれてなかったなー。 だから、まあ話は次から次へと転がってくから、そこまで長さは感じないんだけど、なんかいまいちしっくりと心に入ってこないまま進んでしまうのよ。サラやドローヴァーっていう主要キャラの内面もしっかり描ききれていないし、時代や情勢についても説明不足。もちろん、監督の頭の中では膨大なリサーチ結果が集約されてはいるんだろうけど、何も知らずに見るオレら観客にそれを理解させられるレベルにはなってなかったんだと思う。あとからプレスシートを見たら、そんなこともこだわってたのか!って気づかされるのがいっぱいあったけど、逆に仕上がりとこだわりにギャップがあるように感じたもんね。 壮大なことは認めるし、決して悪いとは思わないけど、どうも心に迫る物はありませんでした。もう少し焦点を絞ってくれてたらよかったと思うんだけど。。または1年かけて大河ドラマか。でもオーストラリアのことがさらに好きになったよ。
by april_cinema
| 2009-02-28 00:00
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