2009年 03月 20日
ドイツ国家に忠誠を誓いながらも、ヒトラー政権に疑問を抱き始めるシュタウフェンベルク。前線で負傷し、片目と片腕を失ったその後、急速に革命グループに身を投じた。彼らはヒトラーのクーデター対策である「ワルキューレ作戦」を巧妙に改ざんし、ヒトラー暗殺だけではなくその後の政権掌握を狙う。そしてついに計画実行のチャンスが訪れた日、シュタウフェンベルクは自ら爆弾入りのスーツケースを持ち、ヒトラーの側へと近づいて行く。ナチス政権に立ち向かった実在の人物を元にした真実のストーリー。 トム・クルーズ主演 『ワルキューレ』〜2009年3月20日(金・祝)TOHOシネマズ 日劇(旧 日劇PLEX)他、全国ロードショー ワルキューレってヴァルキリーの英語読みだったのね。って本題から逸れますが。いや逸れてないか。やっぱりドイツ舞台で描くのに英語ってのがどうしても若干の違和感だったりするんですけれど。それはさておき、こんな人物がいたこと、初めて知りましたわ。シュタウフェンベルクだけではなく、ナチス転覆を考えたドイツ人がこんなにもいたってことに。そういう意味ではすごく新鮮でした。そりゃそうか、いくら独裁政権だってそれに異をとなえる人物がいないわけないよね。 映画序盤は淡々と計画のプロセスが描かれる。シュタウフェンベルクの正義を貫く姿勢と、それに同調する人間たち。でもその足並みのいろいろにドラマが込められる。後半はいざ実行となった日の流れを時系列に沿って追いかける。ここでも関係した人間たちの微妙な意識のズレにやきもきさせられる。のだけど、結果自体は見えてしまっている。だってヒトラーが暗殺されたという歴史はないのだから。そう思うと、緊張感あるように描かれてはいても、いまいち持続しないのよね。ならばもう少し時系列をズラすとか、違う視点を持ち込んでも面白かったのでは。あまりにも正攻法過ぎた気がします。退屈ではないんだけど。 過剰にアクションに寄らない姿勢は好感持てたものの、やっぱあとひと工夫ほしかったかなー。それからなぜ計画は失敗したのか、そのあたりもフィクションになるとしても切り込んでくれたほうが、映画としてのダイナミズムは感じられたような気がします。超大作を期待すると拍子抜け? シリアスと捉えるにはやや緻密さに欠ける?
by april_cinema
| 2009-03-20 00:00
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