2009年 04月 08日
ひたすら「静」でした。『息子のまなざし』DVD鑑賞。職業訓練所で木工を教えるオリヴィエ。そこにフランシスという少年が入ってくるが、手一杯という理由で一度は拒否する。しかしその後、フランシスを尾行し、改めて彼をクラスに入れることに。ぶっきらぼうに、しかし確実になにかを意識しながらフランシスと接するオリヴィエ。その理由は…。 TOP<息子のまなざし ベルギー旅行前の予習になるかな〜、と思い手に取ったダルデンヌ兄弟の作品(『ロゼッタ』『ある子供』は貸し出し中だったもので)。むむ〜、これは容易ならざる世界観だにゃ。でも目を離しづらいんだよね。すんごい限定された画角の中で話が進んで行って、だいたいカメラはオリヴィエのすぐ後ろ後方から世界をとらえてる。オリヴィエの後頭部横顔ちょい見えと、彼の視界に入るものだけ、って感じ。だから、そこでなにが起きていて、どこに向かっているのかとか、そういう俯瞰的な情報がなかなか入ってこない。これは物語的にもそうだし、ビジュアル的にも。もちろん意図的なんだろうな。 中盤で、オリヴィエとフランシスの関係が明らかになる。そこから話が一気に動くのか!?と思わせつつ、結局大きな山も落ちも待ってはいない。でもそれが逆に迫ってくる。オリヴィエは何を思っているのか。何を迷っているのか。どこへ向かっているのか。一方のフランシスはどうなのか。彼の未来はどうなっているのか。静かに、なにも交えずに、ふたりは対決している。観客はどっちにつくべきなのかわからない。オレももちろんわからない。フランシスは更正できるのか。オリヴィエは受け入れることができるのか。言えるのはどうしようもなく苦しいということ。 『BOY A』とは違った直接的な関係性でありながら、普遍に横たわる「赦し」そして「受容」の物語。作りはドライだし、映像はダークなのに、ヒューマニティを感じさせる作品でした。ちなみにベルギー旅行の参考にはあんましならず。というか、ロケ地がベルギーなのかどうかもちょっと疑わしいみたいな。フランス?
by april_cinema
| 2009-04-08 00:00
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