2009年 04月 10日
原作とは別物と心せよ~! 『レッドクリフ partⅡ ―未来への最終決戦―』4月10日公開。いよいよ長江を挟み陣取った曹操軍80万vs孫権・劉備軍わずか数万。孫権の妹・尚香は間者として単身敵陣に乗り込み、孔明&周瑜は知をもって曹操を出し抜く。そして、東南の風が吹きそめた日、ついに歴史に残る「赤壁の戦い」が幕を開けた! レッドクリフ 前編がまさかまさかの大ヒット。いよいよ本割の今作がどうなることかと観てみると、えー前作にもまして全然原作と違うじゃん! 虚々実々の騙し合いも丁々発止の論戦もなく、なんか妙に仲良しで時にお間抜けな連合軍と、まるで必然性を感じない女たちの動き。なんかリズム感ないし、すんごいベタベタなんだよね。だから、三国志ファンとしてはどうもモヤモヤしてしまうのです。あのエピソードがない〜、とかね。そうじゃないだろーーー!とかね。このやきもきは原作を知っていたら避けては通れないわ。 でも、最後まで観て思ったのは、ジョン・ウーは、苦難をともにし、力を合わせてそれを乗り越えていくヒーローたちと希望の物語を撮りたかったんだな、と。戦乱にあってしかるべき(実際に原作にはある)裏切りや、敵意殺意、血なまぐささ、何も生まない戦争、疲弊する民衆といった三国志をそのまま描くと出て来ちゃう側面をビジュアライズさせるってんじゃない。乱世の英雄たちをモチーフにして、勇気やら友情やら愛、そして戦のむごさに立ち向かう信念や希望をこの混沌の時代に描きたかったんだろう。そう思えば、確かに出てくる人物たちはベタな動きしてんだけど、それはそれでアリなのかなー、って思えてくる。三国志を知らなければ知らないほど、素直に物語を受け止められるのかも。ラストカットは、ジョン・ウーの考える理想郷だとかって話も小耳に挟んだし。なんせキレイなCGの虹まで架かっちゃってたもんね。 さてさてアクションである。最大の見せ場である火攻めスペクタクルはさすがに金かけてんなーって感じで大スクリーンでぜひ観たいド迫力。霧の中の矢回収はもっとうまくやってほしかったけど、まあそれなりに楽しく観られました。クライマックスの地上戦はさすがに長かったような気がしたけど、孫権の引き抜いた矢の行方なんかも、なかなか魅せてくれましたな。まあ、小喬のやってること自体はあまりに軽卒すぎて納得いきませんけど。 オリジナルなのはいいけれど、実際ドラマの展開には丁寧さに欠ける印象で、キャラクターへの感情移入って意味ではかなりいまいち。もう少し緻密な話にしてほしかったというのは否めないけど、娯楽大作と割り切ってビジュアル中心に観る分にはまあ楽しめなくはないかな。これはこれとして、これを機に、いろんな形で三国志モチーフの映画が観られたらいいのになー、なんてことも頭をよぎりましたとさ。たとえば孔明の三顧の礼以前、とかね。そういう本ってあんのかなー? レッドクリフ partⅠ
by april_cinema
| 2009-04-10 00:00
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