2007年 02月 08日
感想_ボビー
b0130850_171568.jpg運命を変えた一日は、ボクの運命をも変えました。
『ボビー』2月24日公開。1968年6月5日、「ボビー」の愛称で親しまれた大統領候補ロバート・F・ケネディが暗殺された。悲劇の地となったアンバサダーホテルにいた人々はその日、何をし、何を見たのか。人種も立場も違う22人の一大群像劇。
BOBBY 『ボビー』公式サイト

名優たちが集ったホテル内群像劇。生活レベルではほとんど関連性のない22人だけれど、ここで起こるドラマはすべてがある一点を指し示している。その一点とはボビーであり、戦慄のクライマックス。ボクはもうこのラストに深く、深く参ってしまいましたのです。誰もがボビーに未来と希望を託してたんだね。それに値する人物だということが、最終盤の数分だけでよくわかる。

世界にはいろんな事情があるから、物事の一面だけを見て何かを言うことはできない。その立場にならないと一概に善悪は下せない。今までそんなふうに考えてた。でもそうじゃなかった。どんなに複雑な世の中だろうと、本質はいつだってシンプル。誰も傷つけてはならないし、誰かを傷つけることに加担してはならないし、誰かを傷つけることを容認してはならない。ただそれだけ。

ボクが、ボビーついて無知だったから(JFKについてすら無知。。)、初めて触れた彼のメッセージに深く深く撃ち抜かれた。このメッセージを伝えてくれた今作とその手法を讃えたいし、全人類が聴くべき社会の原点が詰まってると思う。映画としてどうではなく、ボビーの存在こそがすべて。どんな真実のドキュメンタリーより、『硫黄島』より、まずはボビーのソウルをすべての人に受け取って欲しいです。なのに、、、都内はシネコン4館しか開かないってどーゆーことよ!怒

まだまだ言い足りないけど、自分史上、最も特別な映画の1つとなりました。

<08/05/04追記>
劇場公開時にもう一度観ることが叶わずようやくのDVD再鑑賞。言い足りなかったことを言ってやるぜ。

改めて偉大な作品であり、偉大な人物。あらゆるエピソードが現代社会へのメタファーであり、そこから読み取れるメッセージは政治的、社会的といった大それたものだけではなく、なによりもパーソナルな人と人の融和。人は過ちを犯すものだけれど、その過ちを悔い、改め、謝罪できるということ。互いを尊重できるということ。心と心はお互いが向き合えば必ず通じ合わせることができるということ。誰もが孤独で、誰もが"キング"で、誰もがハイになりたくて、誰もが誇りを持って、誰もが希望を抱いているということ。どれだけの時が流れても人間が人間であるという根源は変わらない。そんなメッセージに寄り添う音楽がまたなんともいえずスバラシイ!

希望が消えた日なのに、なぜかやわらかな希望を抱かせてくれるような。全世界の全世代が触れるべき素晴らしい宝です。「傑作」という言葉すら陳腐に思えるほどに。

<09/1/22追記>
バラク・オバマが大統領就任。映画の見過ぎかもしんないけど、もしなにかが起きてしまったらと不安の残る気持ちで就任式の映像を眺めた。きっとボビーを失ったとき(キング牧師や、JFKも)はこんな気持ちだったんだろうと、ようやく初めてわかった気がする。
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by april_cinema | 2007-02-08 00:00 | Legend


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