2009年 05月 01日
ゲームっぽーい。『GOEMON』5月1日公開。信長が暗殺され、明智の三日天下も終わり、豊臣によるひとときの平和が訪れた時代。天下の大泥棒・石川五右衛門は今日も盗みを働き、獲物を民衆に分け与えていた。その中にあった南蛮渡来の箱には、ある重大な秘密が隠されていた。箱を取り返そうとする連中に狙われた五右衛門。さまざまな人間の思惑が交錯し、やがて五右衛門は自らの運命と対峙することになる。 GOEMON ビジュアルからわりかし期待して入った本作。オープニングの派手なCGの作りに、おおこれは楽しいかも〜なんて思って観ていたら、気がついたらまるでプレステを見てるみたいな映像に。半分はセットで撮影してるとは言うものの、背景とかはやっぱりCGで起こしているみたいだし、肝心なアクションシーンの大半がCGなもんだから、やっぱりゲームっぽいのです。精巧に作られてるのはわかるけど、明らかにブルーバックだもんね。だから、実写でせっかく撮ってるのに徐々にリアリティが損なわれて行くというなんだか本末転倒的な感じに。 なので、スピーディで歯切れのいい展開にもかかわらず、最初の勢いはどこへやら、段々と冗長に感じ始めてしまう始末。時代劇とは呼べないくらいにエキゾチックな衣装や建築の意匠はクールだし、メイク含めて役者の配置もよかったと思うのに、後半はかなり冷めちまいましたわ。やっぱりどうにもマンガっぽいからかしら。ワイヤーアクションは嫌ったらしいけど、結果、ドラゴンボール級の超人アクションになっちゃってたもんね。いかに忍びとはいえ特殊能力のない人間がこれだと、なんか現実味が乏しくなる一方だった気が。 あと、すっごく『花の慶次』の匂いを感じたけど、それはたまたま? クライマックスでの信長再来風ルックスは慶次そのものだし、利休の立ち位置や、秀吉と三成のやりとり、達観している家康&半蔵のコンビ。なんかどれもこれもデジャヴるんだよねー。まあ似てる似てないはおいとくにしても、みんなやけにおされ過ぎて泥臭さがないから、ちっとも感情移入できませんでしたわ。つーか三成よ、そこは秀吉を撃つべしだったろーに! 男子的萌えポイントも多かったわりには、楽しめきれなかった一作。さて、世間はどう観るんでしょ?
by april_cinema
| 2009-05-01 00:00
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