2009年 06月 13日
どんどん栄作が気になってくる…! 『真夏のオリオン』6月13日公開。倉本いずみのもとに、64年のときを越えて届いたある1枚の譜面。それは祖母が祖父にあてて書いたものだった。祖父は潜水艦長として名を馳せた男。終戦の間際まで続いた過酷な海中での激戦にあって、彼が守ったオリオンの誓いとは。そしてその譜面がここまで生き残っていた理由とは。 真夏のオリオン がんばっているようには思えるけど、大事なところが収まりきってない感じ。一番テーマにしたかったであろう、オリオンの役割ってのがとにかく薄味。文字通りの生死の境からの生還にあった倉本の強い意志と能力、そしてオリオンへの誓いってのが、全然盛り上がらなくって。ただ命からがら激戦を生き延びただけ、って感じになっちゃったなー。それに、64年の時を越えて来たということについて、言葉で説明はあったけど、それに深く感じ入るような描写はなかったよ。敵艦長と、倉本との間接的な対話ってのは、その才能のぶつかり合いこそあったけど、コミュニケーションが生まれたってほどには見えなかったのよね。もう少しドラマを感じさせる映像なり演出なりがほしかった。 そして、潜水艦バトルをしっかり描いた分、男子っぽ〜い方に流れたって感じも強い。しかも潜水艦の常識や基礎知識がないせいもあって、いまいちひとつひとつの行動の意味が把握しづらい。戦況の説明もいまひとつ足りなかった気がするし、キャラクターの背景もなんとなーくしか見えてこなかったね。このへんのさじ加減難しいし、一応大まかにはわかるんだけど、もうちょい噛み砕いてほしかったかなー。そしてだいたいのオチがなんとなーく見えちゃってたのが玉に瑕。死を前にした緊張感や焦燥感が足りないでしょ。 玉木君は、わりと無難にやってたとは思うけど、平岡君含めて当時の海軍にあんなサラッとヘアの人いたのか?ってのがひっかかりつつ。吹越さん、益岡さんは安心。そして吉田栄作、ますますいい味出した中年になってる気がするんですが。どうか今度時代ものじゃないところで起用してほしいです。できればフツーの役が見たいぜ。あと、大賀くん、イケメンではないけどちょっと大成しそうな予感がありますがどうでしょうか。 長さは感じなかったけれど、もう少し練り込めれば面白くなったような気が少々。わざわざ今作る意義は感じないけどフツーに戦争モチーフの映画になってます。
by april_cinema
| 2009-06-13 00:00
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