2009年 07月 04日
手塚治虫の偉大さからすると物足りなし。『MW』7月4日公開。タイで起きた誘拐事件。犯人は狡猾な罠を仕掛け身代金を奪い、そして親子を殺害。男の名は結城。彼は目的のためにターゲットを狙っていた。ことの起こりは16年前、ある島の住民が残らず死亡した事件。結城はその生き残りだった。 映画『MW』公式サイト プロローグこそ長いと思ったものの30分過ぎからはスピード感ある展開で、油断する暇はなかったなー。輪郭はわりと最初から掴みやすいし、キャラもわかりやすく、素直にその早さに乗っかれて楽しめるわ。その分、先が気になって仕方がないってんじゃなく、とにかく矢継ぎ早に話が進んでって、それこそマンガをイッキ読みするみたいな感じ。音楽がとにかくサスペンスムード煽り煽り系なのも大きいね。ちょっと耳障りに思ったところもあったけど。アクションはそんなに凄いとは思わないけど、カット割りと、色調のコントロールが巧くいってて、話のテンションと釣り合ってたのもグーね。 で、思うにこの楽しさはやっぱり原作の力なんではないでしょーか。もちろん映画用に設定はちょこちょこ変えてるみたいだけど、基本キャラとストーリー展開を壊さずに実写にしたのかな〜、って感じがした。原作読んでないけどね。ウェイト絞ったっつー玉木君は細すぎて気持ち悪かったけど(ノースリーブとか貧弱に見えた)、こういう起伏のない役のほうが似合うわ。対して山田君は、まんま芹沢ルックスで、神父にしては汚すぎるのが気になるぞ(タイミング的に仕方なかったのよね、きっと)。 復讐のためにモンスターと化した結城だったけど、社会的なメッセージになるほどの振り切れ感はなくて普通にマンガちっくに受け止められちゃうのが、ちょっと残念。原作がどうなのかわかんないけど、映画的なメッセージがもう少し加わってくると良かったような気がするなー。結城や賀来の描写が少なくて話を進めるばっかりだったってのが多分要因。もう少しその行動の背景にある感情の線が見えてこないと、入りこめないかなー。沢木とか望月の存在が弱かったのも痛いね。 ま、普通にマンガとして楽しむにはいいと思います。ダークだけれど。 感想_MW(1)(2) てわけで原作を読みました。わりと本筋に沿って映画になってたけど、決定的に結城のキャラが違うじゃん! 玉木君が男娼やんないとこのテーマはあぶり出せないじゃないかー。山田君との絡みをみせるくらいの心意気がぜひとも観たかった! それでこその結城の狂気=最大の見所だよね。
by april_cinema
| 2009-07-04 00:00
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