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2009年 07月 18日
感想_アマルフィ 女神の報酬
感想_アマルフィ 女神の報酬_b0130850_11254269.jpgえーっと、報酬はどこかな? 『アマルフィ 女神の報酬』7月18日公開。G8のための日本の外務大臣の訪伊を目前に、在伊日本大使館はその準備に追われていた。新たに着任した外交官・黒田は、大臣のスピーチがあるパーティのセキュリティをチェック。そんな時、日本人の女の子が誘拐される事件が発生。大使館に連絡が入り、黒田は誘拐事件に巻き込まれ…。そして、G8開催が迫る。
アマルフィ 女神の報酬 公式サイト

邦画初のオールイタリアロケ、フジテレビ開局50周年記念と、いろんな花火が打ち上げられてて、たいそうなお祭りワッショイ娯楽映画を期待していたけど、あれ、なんか意外とまともな社会派サスペンスじゃん。ほー、そうきましたか。でもなー。

まず、イタリアロケの美しさがあんまし出てないよー。撮影の問題なのか、そもそもお話の都合上トーンを落としているのか、ローマやアマルフィに行きたくなっちゃうような美しい切り取られ方があんまりしてなくって残念。てかアマルフィを名乗るわりには思ったより少ししか出てこないし、アマルフィの由来ともあんましリンクしてなかったような…。

まあそれはいっか。なんかね、どこ見ていいかわからんのよ。基本はサスペンスだけど、わりと構図はわかりやすいのでミステリ慣れしてる人にはある程度予想ができて、ストーリーで引っ張るタイプじゃない。今どきっぽい社会的なテーマがちょっと盛り込まれてるけど、特にそれを追求するわけでもないので印象が薄い。娯楽映画と割り切るは地味で、バトルとかカーチェイスとか映像美とかココを見ろ!的な見せ場がない。キャストもメジャーでこそあるけど、華やかさには欠けるんだよねー。

最大の問題は、黒田の扱い。なんともキャラが立ち切らん。キレもので、多分外交官てわけでもなくて、いろいろスゴイという設定が全然活かせてなくて、『007』(あ、こっちも報酬)にもジェイソン・ボーンにもなれてないんだよね。織田裕二はさすがに巧く消化してるしデキる人なのはわかるけれど、人間的魅力を出すには至ってなく、ただの狂言回し止まりの存在感。主役だヒーローだそら見たことか〜!て感じじゃなかったんだよなー。クライマックスも意外にあっさり、フツーの説得で終わっちゃったしね。

ちっとも悪い作品じゃないと思うけど、退屈だった前半をもう少し丁寧に作り込んだら、もっともっと面白くなったんじゃないかという惜しい感じ。いっそのこと黒田残しで続編をもう1本作っちゃってくださいよ!

by april_cinema | 2009-07-18 00:00 | Starter


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