2009年 07月 19日
これもある種のホームコメディ。『パトリックは1.5歳』東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 2009にて鑑賞。スウェーデン郊外にやってきたゴランとスヴェンは同性婚カップル。周囲の偏見の目をよそに、幸せな新生活を始める2人の楽しみは、新たに迎える養子。1歳半の男の子パトリックがやってくるという知らせをもらった2人は子供部屋の用意も万端にその日を待つ。そして現れたのは…なんと15歳の犯罪歴のある男の子だった! *東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 2009_パトリックは1.5歳 同性婚ゲイカップル×養子男児という血縁ゼロの野郎3人を巡る物語は、新しいホームコメディの形かもね。多分今時このくらいのネタはデリケートと呼ぶ範疇に入らないのではと思うけど(あくまでフィクションとして接する上で)、カラっとした笑いを散りばめつつ、普遍的なお題も盛り込みつつの良作でしたわ。観客の反応もめちゃくちゃよくって、終始声をあげて笑う人多数。ネタとしてはわりとよくみる偏見逆手ギャグなので、さすがに軽過ぎだろう、それは!と感じるくらい。 さてさてそんな普通ではない3人の物語が伝えるのは、誰だって完璧じゃない目を背けたいような現実を抱えながら生きてるんだよってこと。同性愛と孤児の居心地の悪さを前面にもってきながらも、ご近所の不倫ネタや前立腺がん(だよね?)とかを加えることで、みんなスネに傷ありをアピール。ギャグ扱いだったけど、スヴェンのゴス娘もアンバランスな精神を抱えてそうでしたわな。終始悪者扱いだったスヴェンが口にする「傷だらけの人生だ」「贅沢を言うもんじゃない」なんてセリフはさりげなく主題を象徴しててgood!でした。 難点は、パトリックが札付きの不良っつー設定のわりには、誰にも1ミリも迷惑かけない超優良児になっちゃってたことと、ゴランの欠点を掘り下げきれないことで、スヴェンひとりがかなりの悪者扱いになってしまったこと。これは大きく減点でしょ。病院や養子センターも大事な役割があるはずなのになんとなくボヤけてたこともあって、全体的にキャラクターのバランスは悪かったかな。あと音楽の趣味が全然あわなかったわ。ついでに言えばギャグもかなりベタな路線ではありました。 でも、スウェーデンの田舎の風景はとっても素敵だし、ランニングやノルディックウォーキング、スケートボードと人々がアクティビティに興じてる姿なんかも気持ちよかったっすな。ともすると中身のないお話にも見えかねないけど、意外と大きなテーマを扱う良作でした。DVD化されて広く観られるところとなるといいですね。
by april_cinema
| 2009-07-19 00:00
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