2009年 08月 29日
感想_九月に降る風
b0130850_2351551.jpgほろ苦青春臭ムンムン! 『九月に降る風』8月29日公開。1996年新竹。タンやイェンたち7人は学年をこえてつるむはみ出し高校生。発足して間もないプロ野球を見たり、屋上で弁当を食べたり、タバコ吸ったり、呼び出されたり。ある時タンは、イェンと間違えられてケンカに巻き込まれる。微妙な感情の行き違いからバラバラになり始める7人。そして今、卒業式を迎えるタンは…。
九月に降る風 - オフィシャルサイト

台湾で大ヒット、青春映画は好物だしチラシのビジュアルに心惹かれて臨んだところ、いやーこれがなかなかヨカとです! 出足はベタベタの学園もの。仲良く不良してるけど、幼さ残りまくりの青臭さがザ高校生。男子ならついにやりとしてしまいそうなシーンの連続です。親友の彼女に淡い恋心とかもね。蒼いぞ、諸君!

とか思ってたら、そういうナイーヴな感情がなんとも微妙かつこの時期特有のよくある不協和音を奏で始めてからが秀逸! 意地や自尊心、友情と勇み足、定まらない価値観と未来を前に、自分では制御不能な感情が溢れ出す。この時代に実際にあった台湾プロ野球界の八百長騒ぎを挿入することでリアリティを激増させながら、何を信じていいかまだわからない不安定ゆえの後悔とほぼ同義な想いを積み上げてくのね。このほろ苦さがたまらなくノスタルジーをくすぐる〜。大人になると忘れてしまったり、過去に封印したまんまのところを刺激されて、何とも言えない気持ちになるのよ。もちろんタンたちとまったく同じ経験をしたって人はほとんどいないだろうけど、この子たちと同じような気持ちになったことは、ほとんどの人があるんじゃないかなー。ちなみにこのシナリオは監督の実体験80%くらいですって。

展開そのものは作られた感がなくはないけど、それでもそこにある感情がとても丁寧でリアルだし、細かいところに気を配ってるから、すとんと共感できちゃいました。完璧にほろ苦い青春に落としているんで、光の部分はかき消されてしまっているけど、でも青春時代だからこそのネガティブを成長のためのステップとして受け止められるよ。だってこの子たちにはまだまだたくさんの未来が待っているんだもん。

原題の『九降風』ってのは、卒業の時期である九月に吹く季節風のことだそう。日本で言うところの桜みたいな存在ね。キャストたちは男の子も女の子(可愛かった!)もとても良かったです。やっぱり青春映画大好き!
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by april_cinema | 2009-08-29 00:00 | All-Star


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