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2009年 09月 02日
感想_マルコヴィッチの穴
感想_マルコヴィッチの穴_b0130850_8163136.jpg荒削りな妄想トンネル! 『マルコヴィッチの穴』DVD鑑賞。人形師で生計立たないクレイグは、収入を得るため7Fと8Fの間にあるめちゃ天井の低い奇妙なフロアの会社に就職。そこで見つけた謎の扉の先は…なんと俳優ジョン・マルコヴィッチの意識の中だった! 15分間彼の意識の中に入り、マルコヴィッチの生きる世界を疑似体験するという謎のトンネルを使って、クレイグは一目惚れしたマキシンとビジネスを始める。しかしなぜか妻のロッテがマキシンと惹かれあってしまい慌てたクレイグは…。
マルコヴィッチの穴

これは奇怪な物語や! 人間の変身願望と征服欲を合体させ、それをセレブリティに入り込んじゃうなんて奇抜なアイデアで物語にしてしまってる〜! 序盤はブラックなジョークを絡ませつつやがてお話はSFちっくでクレイジーな世界へ大疾走。後半はマルコヴィッチ大濫発など映像ギミックも合わさって、脳みそシェイクさせられたままなんだか不思議なエンディング。なるほど喝采を持って本作が迎えられたってのもわかる気がするわ。

だけど、粗っぽさは否めないぜ。中盤、マルコヴィッチが自分の中に入り込んでみる多様な自分自身だったり、クライマックスのマキシンとロッテの追いかけっこで見る潜在意識も、もう少し丁寧に解説してあげたら、奇抜さ以上の深みが出たような気がするなー。そのあたりの複雑な人間心理が根っこにあるアイデアだと思うので。誰だって、別の誰かになってみたいし、自分の中の本当の自分というものに興味があるだろうしね。

そもそも器になる人間がどうやって選ばれてるのかがよくわからなかったけど(エミリーに受け継がれるんだから遺伝てことだよね)、まあとにかく脚本書いたチャーリー・カウフマンの奇才っぷりは味わえる作品。後半失速したように感じたけれど、ブレイクスルーには十分なインパクト。キモいジョン・キューザックやマルコヴィッチ本人もよくやったよって感じ。そしてエンドロール見てびっくり。ロッテがキャメロン・ディアスだと!? クレジットを見ても半信半疑。全然わかりませんでしたわ。なんか貴重〜。

by april_cinema | 2009-09-02 00:00 | Starter


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