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2009年 09月 19日
感想_ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション
感想_ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション_b0130850_22274488.jpg孤高のアーティストや。『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』9月19日公開。20代にしてアニメーターとして成功し、世界を驚かせたライアン・ラーキン。しかし彼は成功ののちにコカイン、アルコールに溺れ、路上で生活をしていた。そして2007年、久しぶりの新作の完成を前にこの世を去る。彼の残した作品たちとドキュメンタリー映像でライアンの足跡を知る。
『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』公式サイト

初っ端からサイケデリックなアニメでちょっと面食らったところ、これはライアンじゃない人によるライアンのドキュメンタリー要素の入ったアニメ。その後に続くのは彼の初期の作品、『シランクス』『シティスケープ』『ウォーキング』『ストリート・ミュージック』。変幻自在のメタモルフォーゼは、アナログな手触りを残しつつアニメらしい広がりと自由がある。観念的な作品だから、それを見ただけですぐなにかが落ちてくるわけでもないけど、こういう作品があることを知るのは楽しいなー。『ウォーキング』は当時衝撃をもって迎えられたって聞くけど、それはよくわかるなー。シンプルなモーションをこんな風に描けるのは感動的。

そして、遺作となった『スペア・チェンジ 小銭を』。彼の路上生活がベースとなった物語。すべての作品から感じられるのはライアンという人物の観察眼。つねに現在そこにあるものに目を向けて、丁寧に拾い上げ、そこからイマジネーションを広げて行くような、そんな世界観。

ドキュメンタリーはほんの少しなので、人となりがわかるとかそういうものでもないけど、こういう人がいたってこと、こういう作品が世の中にあるってことに触れられてよかったです。

by april_cinema | 2009-09-19 00:00 | Starter


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