2009年 09月 24日
予想以上にシニカル〜。『賢く生きる恋のレシピ』DVD鑑賞。偏屈かつ高慢で生徒からも大学からも嫌われてる文学教授ローレンス。亡妻への未練もあり、他人とのコミュニケーションは最悪。詩を書く息子や皮肉屋の秀才娘ヴァネッサとの関係さえもよくない上、定職につかない義弟のチャックはカネをせびりにくる。ある日ローレンスは思わぬ怪我をして病院へ。かつての教え子で今は女医となったジャネットと出会い、少しずつローレンスにも変化が訪れ始めるが、でもやっぱり自己中心的な態度は改まらずうまく生きかけた恋も挫折してしまう。 賢く生きる恋のレシピ (写真左/日本版DVDジャケ、右/US版チラシ) エレン・ペイジ見たさで公開を待ってたけどDVDストレートでした。なんにせよ観られてよかった。これまたこっぴどい邦題で、どういうわけかラブコメ色出してきてるけどまったくノン! 原題は『smart people』。知能が高いけどそれゆえ他人をバカにする自己中父娘を皮肉りつつのネガティブ・スマートと、最終的には人間それでも学習して変われるってことが美徳なんだよ、と要するに人類はみんな賢い!って捉え方するポジティブ・スマートのWミーニング気味。笑える場面はあるけどどれもシニカル系なので、肌に合わない人には理解しがたいタイプかも。オレは嫌いじゃないっす。 テイストは『イカとクジラ』にかなり近い。ダウナーなテンションと、やや暗めの映像、でもって捻くれた登場人物たちそして家族のつながり。ローレンスとジャネット、ヴァネッサとチャックという2組を中心にぱらりぱらりとエピソードを積み重ねてきます。説明セリフはかなり少なくしてるけど、演出はそれなりにわかりやすいので意味不明ってことはなさそう。ローレンスが助手席に座らないとか妻の形見をを後生大事に持ってるとかね。座って適当にやってた講義も最後には立ち上がってやってました。うん、わかりやすい! そんな演出にあわせて展開もイージーなのよ。ローレンスは50年近く偏屈だったとは思えないほどあっさり変化の兆しを見せるし(『グラン・トリノ』はそういう変化の見せ方が神業)、チャックもゴロツキのくせしてやったら繊細。ヴァネッサの思春期感も掘り下げ足りないうえ、ジャネットは形だけで中身がまるっきり空っぽ。チャック&ジャネットの新登場要素が父娘に好影響を与えなきゃいけないのにそのあたりのさじ加減がいまいちなんだよねー。結果、ネタがニッチなわりにはあんまし深みみたいなのはないし、キャラももうひとつ愛せず。エレンは上品めスクールガール的衣装で、インテリ版『ジュノ』といった風情。相変わらず仕草も表情も絶妙ティーンぽくていいけど、この先実年齢があがってきたらどうなるのだろう。C.リッチとかナタリーみたいになれればいいのに。あんな美人じゃないけど。デニス・クエイドは偏屈じじいが良い感じ。サラ・ジェシカの役は誰でもよし。 一番よかたったのは音楽。終始気持ちのいいサウンドが流れてたのは嬉し。素材とキャストがいいだけにもっと面白くできたんじゃないのって感じだけど、それなりには楽しめました。
by april_cinema
| 2009-09-24 00:00
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