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2009年 09月 26日
感想_あの日、欲望の大地で
感想_あの日、欲望の大地で_b0130850_2216932.jpg話はおもしろいね。『あの日、欲望の大地で』9月26日公開。うつろなまなざしで流されるように、何かを切り捨ててくるように男に抱かれる女、シルヴィア。彼女の瞳が映しているのは、大平原の中で突如爆発したトレーラーハウス。爆発に巻き込まれたのは、ある一組の熟年不倫カップルだった。皮肉な運命のねじれは、次のねじれを生み、シルヴィアはその中で一人もがき続ける。
〜あの日、欲望の大地で〜

『バベル』『21グラム』の脚本書いたギジェルモ・アリアガが長編初監督&もちろん脚本を務めて、シャーリーズ・セロンとキム・ベイシンガーの共演も話題の1本。なるほど確かに脚本は面白い! 4つのエピソードが並行して始まり、時制はバラバラ、はてどれがどの時代なんだろうと思っていると中盤でひとつにつながり、ストーリーは大きく展開するという。軸になるのは3人の女性で、それぞれのキャラクター、背景、心情はしっかり描かれてたと思う。決して野暮になりすぎずにね。シルヴィアの孤独はどこからくるのか。ジーナが求めた拠り所はなんだったのか。マリアーナの行動の理由は。

なのにあんま盛り上がんなかったんだよねー。登場人物のおかれた状況と行動は理解できるし、同情もするんだけど、惹き込まれるほど魅力的な人物かって言われるとそうでもない。これはジェンダーによって味方がだいぶ変わるかもしんない。シルヴィアはそれやっといて割と平気そうに暮らしすぎだろーって感じだし、ジーナも失ったものが大きかったのはわかるけどあまりに理性なさすぎない?と。いちばんちゃんとしてるのはマリアちゃんかい!ってな。サンティアゴも衝動的過ぎる気が…?

シャーリーズは美貌をボディごとさらけ出し、その他のキャストもしっくりきてただけに、あと一息惹き付けられるなにかがほしかった。女性たちの抱えていた苦しみの行き着くところや、そこから掬い上げる何か、もう少し大オチで追いかけてくれたら一気に傑作になったような気も。

by april_cinema | 2009-09-26 00:00 | Starter


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