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2009年 10月 17日
感想_アンナと過ごした4日間
感想_アンナと過ごした4日間_b0130850_2345185.jpgストーカーでここまで魅せるかね。『アンナと過ごした4日間』10月17日公開。ポーランドの静かな街を歩く男。病院の焼却場で働くレオンは、看護士寮に住むアンナの部屋を双眼鏡で覗きみる。ついには彼女が毎晩飲む飲み物に睡眠薬を混ぜ、彼女が眠った頃にその部屋に忍び込むように。世界が眠りに落ちた後の一方的な4日間の逢瀬。アンナはかつてレイプ事件の被害者だった過去があり、レオンはその第一発見者であり犯人として逮捕された過去があった。
映画『アンナと過ごした4日間』公式サイト

エキセントリックな映画〜。セリフが極小なので集中してみてないと話がつながらないかもってくらい、とんがってます。過去がフラッシュバックしたり、フラッシュして話が前に飛んだり時系列シャフリング系ゆえに要注意。これはいつ起きて、今どこなのか。前半はかなり混乱しました。けど終わってみれば話はシンプル。過去の哀しい事件によってつながったレオンとアンナ。レオンはいつしかアンナを見守るようになり、それは異形の愛へと変わり、歪んだままの一方的求愛になったってことね。

なんつってもレオンの愛の形にびびるわ。部屋に入ってやることと言えば、服のほつれを直したり、ベディキュアを塗ってあげてみたり、床を拭いてみたり。4日もの間、決して彼女を汚すような行為には至らない。その行動の理由はなんなのか、観客は考える。それは消えない傷を負ったアンナの過去に関係があるのか。彼女を救えなかったゆえの贖罪なのか。答えは彼自身が口にする。「愛」だ、と。う〜ん答えになってないぜ! 愛ってやつは不可解だぜ! でもそれゆえに愛なのか!

街の淋しげな情景と示唆を含んでると思われる描写(流れてくる牛とかね)が合わさってセリフは少なくとも90分間退屈させない映画的手腕に拍手。ラスト、壁の登場による断絶はかなりインパクトありましたわ。さすがは幻の巨匠。過去の作品を見てみたくなったぜ。

by april_cinema | 2009-10-17 00:00 | Starter


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