2009年 10月 31日
苦すぎるぜ、マザー! 『母なる証明』10月31日公開。静かな村で、愛する一人息子トジュンが殺人事件の容疑者となった。警察の杜撰な決めつけ捜査に業を煮やした母親は、息子の無実を証明するために事件を調べ始める。何も持たない母親の素人探偵がうまくいくはずもないが、それでも母は戦い続ける。たとえ人とは違っていても、かけがえのない息子のために。 映画「母なる証明」公式サイト すげー苦い結末。苦過ぎるー。。でもその苦さの中にこそ人間の人間くささが濃密に込められてんだよね。母は強し、ゆえに危うくそして弱し。息子への愛情がこれほどまでに盲目で矛盾してて波乱含みで真っ直ぐだったとは。っていう混沌とした感想を抱かせるのですよこれが。まったくポン・ジュノは見る方にもまったく妥協を許してくれないぜ。 母が息子の無実を晴らすために奔走って設定はどっかで見たことあるような気がするし(映画だったか小説だったか)、話の流れ自体は明快なんだよね。しかしそのディテールは恐ろしく計算されてて、母の母ゆえ愛ゆえの罪悪とか、それを知ってるようで知らないようでやっぱり知ってそうな息子とか、皮肉や悲運、ちょっとちょっとな出来事まで、よくもまあそこまでシビアに積み重ねましたなって感じ。しかもあえてのシニカルなユーモアまで入っちゃってるんだから逆の逆に冗談きついぜ。 母役は韓国の母ともされるほどの大女優らしく、枯れ感・無力感・包容力を同時に出してきてモノスゲー。一方の兵役明けウォンビンは、陽人を思わせる好演。無垢なのか故意なのか、その明かされざる境界を見事に渡ってみせるわ。っていうキャラ含めて、単純なわりに明確な答えが実は少なく、この苦すぎるリアリティを観客は噛みしめる必要あり。個人的に好きなタイプじゃないので他人に薦めないけど、濃密な作品でした。それにしても苦い! 『グエムル』はともかく、『殺人の追憶』といい、ポン・ジュノ、苦手かも!
by april_cinema
| 2009-10-31 00:00
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