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2009年 11月 06日
感想_スペル
感想_スペル_b0130850_165522.jpgいい意味の失笑(なんてのがあるのか?)。『スペル』11月6日公開。銀行で融資担当をするクリスティンは、ある日訪れた薄汚い老婆の返済延長を拒否する。それは次長昇進のための決断だったが、老婆は取り乱しクリスティンに食って掛かり呪いのような言葉(スペル)を吐き捨てる。その日からクリスティンは悪夢や幻聴などさまざまな恐怖に取り憑かれる。占い師の言うところ、それは「ラミアの呪い」だった…!
映画『スペル』オフィシャルサイト 11月6日(金)、TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー

どストレートにホラー! その後戻りなしの弾丸っぷりは凄まじく、ショック映像にスプラッター要素がかけあわさり、ホラー描写の突き抜けセンス上々。老婆の義眼ビジュアルにはじまり、吐瀉物浴びせまくり、鼻血はありえないほど噴射、ふりあげた拳は腕ごと喉の奥まで突き刺さってるし(ああビンス・カーターのひじごとダンクみたいだ)、まああまりに振り切れすぎてて思わずそりゃねーだろ!と失笑。恐怖とは別カテの感情ゾーンに入り込んで、最後には絶対絶対失笑。ここまではなかなかできませんぜアニキ! サム・ライミ、大したもんです。

で、とにかくヒロインのクリスティンが不幸すぎる! 農家出身、母アル中、元「ポーククイーン」なほどのブーデー(その写真はもっと早く処分しとこうね、クリスティン)というなんだか哀れな設定で、やっとこ素敵な彼と幸せを手にする寸前なのに老婆の言いがかりで呪われちゃって、完全に同情できます。これ大事。ピンチのクリスティンを応援したくなるもの。でも、クリスティン、命からがら老婆とのバトルはけっこう容赦ないわ、野心ありありだわ、愛猫は生け贄に捧げた末にしまいにゃ墓まで掘り起こすと、やられっぱなしではないやりすぎなこのバランスが絶妙! 人間取り憑かれるとこうなるんだな、というよりも、育ちの悪さが抜群に発揮されてます。やっぱり失笑。

ラストのオチはまあ、ひっくり返るよーなもんじゃないねって感じで、一気呵成の100分ホラートレイン。おもろかったです。ホラーが苦手でなければ楽しめるはず。

by april_cinema | 2009-11-06 00:00 | Starter


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