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2010年 01月 16日
感想_今度は愛妻家
感想_今度は愛妻家_b0130850_1142169.jpg泣けそうで泣けない。『今度は愛妻家』1月16日公開。カメラマンの北見は、なにかと世話焼きで健康オタクの妻さくらを邪険にしながらぐうたらと暮らす日々。しかもこの1年はロクに写真も撮らず、かと思えば女優志望の女の子を自宅兼事務所に引っ張り込む。そんな現場を目撃したさくらは、箱根旅行へ行ったきりなかなか帰ってこない。さすがの北見もなんとなし落ち着かない気分になり始める。
映画「今度は愛妻家」公式サイト

行定監督×トヨエツ&薬師丸ひろ子の夫婦もの。うーん、期待が高まる! が、若干届かず!か。舞台原作だそうで、なるほど北見夫妻の自宅がメインにドラマが展開される。シチュエーションコメディぽいところもあれば、長回しで追いまくるところもあり、トヨエツは軽薄夫をらしさたっぷりに演じ、薬師丸奥さんはめちゃくちゃ可愛らしい。トヨエツのあの声で、ファインダー越しに「キレイだ…」なんて言われたらたまらんぞしかし! 美談であることは確かです。

まず、ネタバレ禁止項目がわかりやすすぎ。初っ端であーそういうことだろうかーとわかってしまうのは、ちょっと物足りない。てか勿体ない。かなり意図的にわかりやすくしているように見えたけど、じゃあそれはなぜなのか、よくわからんかったわ。そのうえに、命のつながり的なところをサブテーマで添えてあるけれど、そこを見せてく脇のキャラたちがうぜーのなんの。弟子の誠は、名前とうらはらでちっとも誠実さを感じない。女優志望の蘭子はキャンキャンと吠えるばかりでまるで魅力なし。オカマの文ちゃんがそういう立ち位置だったことには驚いたけど、演じる石橋さんがいかにも「楽しそうに演じてます」って感じで違和感。オカマ役がとても上手な役者にしか見えなかったよ。ホントのオカマが見たらどう思うのかな?

本筋は、ちょっと涙を誘う普遍的なストーリーなのに、その周辺がうるさいわ、長いわでバランスぶち壊し。せっかくグッときかけても、このへんてこサブキャラたちが出てくると興ざめになっちゃいました。あと、ちょっとセリフで説明しすぎている気もしたかもなー。ハイライトはやっぱり、北見がさくらを撮るシーン。あのくらい言葉はなしで伝えてくれると情感たっぷりだったのにね。あそこからの後半が冗長すぎたのも残念。

期待を下げてみれば悪くないかもしれないけど、このキャストスタッフでそれじゃーダメだよねー。惜しい作品だなー。テーマには共感できるし、考えさせられる部分も多々ある。自分も今そばにいてくれる人を大切にしようと思うきっかけにもなりうる。それだけに、もう少しの感動が欲しかったです。

by april_cinema | 2010-01-16 00:00 | Starter


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