2010年 01月 16日
大衆的やなー。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』1月16日公開。ジャーナリストのミカエルはある巨大コンツェルンであるヴェンゲルグループ前会長ヘンリックから個人的な依頼を受ける。それは1964年に消息を断ったヴェンゲル家の美しい娘ハリエットに関する謎を調査すること。ミカエルは事件を捜査する中で、彼のPCをハッキングする者からメールを受け取る。調査の重大な手がかりを送ってきたのは、背中にドラゴンのタトゥーを掘る謎の女、リスベットだった。 映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」オフィシャルサイト 北欧発の大ヒットミステリの映画化という触れ込み。そしてこの強烈なビジュアル。どんなもんじゃいと興味をそそられました。ふたを開けてみればわりと普通の大衆ミステリかなー。権力者や、有力者を相手に個人が活躍するオールドスクールなタイプ。そこに主人公ミカエルと、リスベットの個人的事情を織り込んだ形で話は展開。正直、ミステリそのものにはさほど惹き付けられない。聖書になぞらった殺人というのはもう目新しくもないし、謎解きはトントン拍子で特にカタルシスがあるわけでもない。いい者と悪者の振り分けも、わりと昔からある感じだし、殺人に及ぶ理由にも今っぽい社会性があるわけでもないよね。 キモはやはりキャラクターか。主人公はミカエルだろうけど、彼は特別な魅力はなし。ヒロインのリスベットの過去は、父親からの性的虐待とそこに端を発する強烈な攻撃性。一応、ヴェンゲル家の謎ともリンクはしてたけど、映画的にそこに深みがあるかというとそうでもなかったかな。トンガっているほどの吸引力やカリスマ性が感じられなかったのはもったいないぜ。安直に美人じゃないというのは好感持てるけども。 話はさらさらと流れて行くけれど、後に残るものは少ない。メインのエピソードの後のエピローグがやけに長いのも結果的には冗長さにつながったような気がしなくもない。原作はちょっと読みたくなったけどね。原作には続編があるみたいなので、映画も続くようなら次の活躍を楽しみにしたいです。
by april_cinema
| 2010-01-16 00:00
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