2010年 01月 30日
素直〜にいい話で。『おとうと』1月30日公開。女手一つで一人娘の小春を育て、小さいながら薬局を営む吟子。めでたく小春の結婚式を迎えたその日、行方知れずだった吟子の弟・鉄郎が現れた。定職にもつかず音信不通のロクデナシ弟は、金にも酒にもだらしなく、親戚からも煙たがられる厄介者。飲まないと誓った酒に溺れ、披露宴をめちゃくちゃに。呆れながらも弟の世話を焼く吟子だったが、性懲りも無く弟は再び厄介ごとを持ち込むばかり。 映画「おとうと」公式サイト 映画では随分久しぶりに蒼井優を堪能できましたわ。インタビューとかを読んでいると、山田洋次演出に戸惑いつつ発見ありつつだったみたいで、今までとは全然違うお芝居を見られました。それはこれまでの自然体、役になり切るという世界とは別物の、演じてることを強調するようなお芝居。文字通り芝居じみた演じ方なんだよねー。セリフ回しなんかも、テレビ的なリアリティとはまた違う、あえてのフィクションで新鮮だったな。こういう言い方は、現実世界では絶対にしないであろう、という形を取りながらも芝居として成立させるのが山田監督のすごさか。吉永小百合にしても、鶴瓶にしても同様で、世界観を作り上げてます。 って本質とずれました。完全に姉弟の話。いい話ですよ、そりゃもう。姉弟の切っても切れない家族の絆。だけじゃなく、叔父と姪というともすれば薄れがちな親戚づきあいまでも含めてくる。さらにはホスピス医療という他人との関わり方や、結婚という他人→家族という縁の不思議さも合わせることで深みを出してました。だけど、尺の長さのわりにエピソードが浅くないか? 弟のフーテンぶりはわかるし、姉の苦労も伝わるけれど、なんかあと少し浅い気がしたよ。家族の絆の尊さ、愛おしさはそりゃもうよーくわかります。だけど、胸を撃たれたかっつーとそこには至らなかったな。弟の視点がないからなのか、展開があまりにも見えているからなのか、姉が無欠すぎるからなのか。鶴瓶がうるさ過ぎるってのもあるかもね。 見せ方とかは上手いな〜と思うし、役者たちもいい仕事してるけど、感動度は低め。やはり年配層、特にサユリストにはウケそうな気がするけれどね。ちなみに加瀬君の出番は少ないです。吉永小百合:鶴瓶:蒼井優:加瀬君=4:3.5:2:0.5くらい。
by april_cinema
| 2010-01-30 00:00
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