2010年 03月 11日
途中まではよかったよ。『おと・な・り』DVD鑑賞。風景写真で名を成すことを夢見ながら、現実は友人であるモデルの指名により食いつなぐカメラマンの聡。隣の家の物音が聞こえるほどの古いアパートで、ひっそりと暮らしていた。壁の向こうから聞こえてくるのは、フランス後会話の練習やくしゃみの音。音の主は、花屋でバイトをし、フラワーアレンジメントの勉強のための留学に備える女性・七緒。顔も知らないふたりの日常という不協和音が、静かにゆっくりと共鳴しはじめる。 映画「おと・な・り」公式サイト 序盤は狙い済ましたように岡田君が格好よく、パブリックイメージに近い役の麻生さんが愛らしく、ふたりの日常が説明かねつつ静かに描かれる。コーヒー豆を挽くところから1日を始める聡。ベランダで『風をあつめて』をハミングする七緒。タイトルにある通りなにげない生活音をフックにした描写+ソフトめの色調がふたりのキャラをいっそう魅力的に見せる。ズルとも言えるね、このへんは。 日常生活のいろいろな音から見えない隣人を想像するというのは小説的でなかなか悪くない。ゆっても現実にはこんなシャレた感じで、おしゃれさんが隣り合わせて、音だだもれなんてありえないだろーという気はするけどこの映画というファンタジーを通して見ている分には別段悪くないよ。さらに劇中で七緒がコンビニ店長とかわす「心音」に関する下りとの噛み合わせはぐっとくるものがあったな。もっともこのフリはけっこう最悪な展開への布石でしたが。そう、どうも細かいストーリー展開が腑に落ちないのよねー。聡の家に押し掛けるシンゴの彼女にしても五月蝿いくせしてデリケートだったりするギャップの描き方もリアリティには乏しい。 そんな前半を受けた末に、後半はがぜんラブモードというか青春モードみたいな感じで「あーあ」的安っぽさが出てしまったのが残念。聡とシンゴの絡みはモラトリアム全開すぎてちょっと青臭過ぎるし、ラストの展開の落としどころも甘々すぎるし〜。『まだ恋は始まらない』的な結びかなーと思ってたけどしっかりハッピーエンドまで進んでまして、うわどうでもいい!とね。主演ふたりをぼんやりと眺めて雰囲気だけで味わうのが多分正解。
by april_cinema
| 2010-03-11 00:00
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