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2010年 05月 01日
感想_川の底からこんにちは
感想_川の底からこんにちは_b0130850_1124960.jpgよくやった満島ひかり! 『川の底からこんにちは』5月1日公開。東京でなんとなくの日々を過ごす佐和子。同じ会社で上司の彼はバツイチ子持ちの口だけからっぽ男。そんなとき、父の余命わずかとの報せを受け、5年ぶりに実家へ帰り、しじみ工場を継ぐことに。あからさまに冷たい工場で働くおばちゃん、友人と逃げてしまった彼、「私なんて中の下ですから」が口癖の佐和子の明日って!?
第19回PFFスカラシップ作品『川の底からこんにちは』公式サイト

すげーエネルギー、すげーインパクト、濃いわ〜、ものっそ濃いわ〜。完全コメディだけど、ブラックでペーソスあふれてて痛々しいとはちょっと違う笑うに笑えない感じなのですが、なんだか前向きなエナジーにあふれているという唯一無二ムービーです。なんたって設定がユニーク。ひとことで言えば"ダメOL"だけど、ただダメなだけではない無気力諦観満載×2割増しに誇張してるのが、全然ヌルくなくてリアリティに根付いてる感じがおもしろい。なにがいいってちゃんと自分のダメさを自覚してて、「中の下」というリアルなことこのうえないひと言で表現しちゃってるとこね。そうです、いまどきのみんなは空気読めるんですよ。自分の立ち位置くらいわかるんですよ。わかっちゃうから這い上がらないんですよ!

そんなリアルが出発点にありながら、単に自分を卑下して、諦観しただけで終わったら映画になりません。どん底と川底のしじみをひっかけながら、這い上がってくのです。中の下程度に。ダメな彼氏とか、田舎の排他的な感じとか、すごくリアルなものを背景にしながら、テキストで遊び、キャラクターで笑わせ、それでも最後には観客総ざらいで佐和子の味方にしちゃうってのは離れ業。しじみ工場の会社の社歌とか、ヤバイです。そんな中の下OLを演り切った、満島ひかりに大拍手。この強烈なメインビジュアルでも十分伝わりますね。でも中の下からは決して抜け出してないんだよね。うーん徹底してリアル!

ただ、あえて相当下世話に振りきってるので、独断と偏見によるオレ好みとされるものとはどうしても合致しないんだよなー。それだけが惜しまれるけれど、一般的に言っておもしろい作品だと思います。そして知らなかったよ、満島ひかりが元フォルダー5だったなんて〜! ギャップあるなぁ!!

by april_cinema | 2010-05-01 00:00 | Starter


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