2010年 06月 04日
オリジナルの衝撃はない。『マイ・ブラザー』6月4日公開。兄は出所したばかりの弟を迎えに行く。なにかと比較されてきた優秀な兄とそうではない弟。軍人の兄は、アフガニスタンへと赴く。やがて届いたのは訃報。妻子は涙にくれ、遺された弟はせめてその隙間を埋めようと、不器用ながら奮闘する。少しずつ空白を忘れかけた日、兄は帰ってきた。まったくの別人になって。 映画『マイ・ブラザー』公式サイト 設定を聞いて思い出しました。『ある愛の風景』がリメイクされるって話があったっけ。これがそうでした。兄にトビー・マグワイア、弟はジェイク・ギレンホール、で奥さんがナタリー・ポートマンと豪華キャスト! かなりオリジナルに忠実に作られてるなーという感じ。となると、やはりあの衝撃も2度目となると薄れてしまうのは否めない。けど、オーバーに中身を煽っているということもないから、しっかり落ちてくるものはあります。戦争が捻じ曲げてしまった兄の人生。そして兄弟という繊細な関係性。比較されること。信じられなくなること。誰もボタンを掛け違えてやいないのに、なぜこんなねじれが生まれてしまうのか。オリジナルは兄弟の関係に軸を置いてた気がするけど、どちらかというと反戦の匂いのほうが強いかなー。 ジェイクがすっごいハマってて、不器用でダメな弟を好演。ナタリーもさすがの説得力で、完全なる美形ではないのに美しいんだよな~。このあふれんばかりの知性と包容力がステキすぎる! ただ、トビーだけが微妙にミスキャストだったような。事件により狂気を宿す兄だけど、トビーがやると機械的に見えるんだよね、なぜだか。空虚さではなく冷酷さを感じる違う怖さになってしまったのはルックスのせいなんだろうなー。かなり惜しい。と同時にオリジナルのマッツ・ミケルセンはすごいなやっぱと再確認。 重みのあるテーマをきっちり描いているけれど、リメイクした意味はどこにあったのかはいまいちわからず。良作ではあるのにね。オリジナルを観てなければ浸れると思います。
by april_cinema
| 2010-06-04 00:00
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